帰り道
仕事から帰る途中
『今日もやってしまったな』とふけり
トボトボと帰路についていると
雨の中ひっそりと佇む
中古ゲーム屋さんが目に止まった。
最近はゲームもめっきりやらなくなっていたが
足を運ぶことにした。
中には私のようなくたびれた定員さんと
アルバイト風な大学生が2人で話しながら
こちらを見ていた。
お客は私1人、プレステのカセットを見て
『こんなゲームもあったな
おっ!!ぼくなつだ!!』
なんて見ていると、昔の記憶を思い出した。
あの頃は何にも囚われず、馬鹿話して、
家に帰ったらアニメを見る。
あの頃はそれが当たり前でありきたりだったが
今では
そんな日々の価値がわかる。
店から出ようとすると定員さんが
『お客さん、またお店来てくださいね
少年の頃に戻ったような顔また見せてください』
と声をかけてきてくれた。
『またきます』と声をかけ
また帰路についた。
そんな僕の右手にはあの頃を思い出すように
買ったゲームを抱え、少し小走りで帰ることにした。
空想サラリーマン。
尾道 武