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5cミラミスの攻略 盾の殴り方
9月末のメンテナンス時において、《ミラクルとミステリーの扉》に規制がかからなかったことを受け、本noteを書くことにした。
《ミラミス》は各所で様々に議論されるカードだが、個人的には《ミラミス》の不健全な上振れの仕方は規制もやむなしと考えており、今回何も調整が無かったことは驚きだった。
前期NDを中心に幾度となく【5cミラミス】と対面したが、たった6マナで、非公開領域から、いとも簡単に形勢を覆してくるこのカードは強力極まりなく、確率がどうとか、勝率がどうとかに関わらず規制がかかるのではないかと思えた。
ましてや次回バトルアリーナが行われるADでは、スタン落ちによる《ニューゲイズ》の弱体化も無い。新弾「DMPP-27 禁断伝説」の登場により、相対的に弱体化が望めるのかどうかはまだわからないが、いったい次回のバトルアリーナがどうなってしまうのか、正直怖さがある。
ただ、運営が下した判断は「お咎め無し」であったため、そこに我々プレイヤーが文句を言う資格は無い。
ただ一つ、目指すはこの環境の「攻略」である。
いかにして強力かつ理不尽な《ミラミス》を突破するかを考え、勝つために必要なことを考えるのみである。
その際に少しでも参考になればと思い、前期ニューゲイズcupにおいて【赤青レッドゾーン】を使用し、【5cミラミス】と対面した際に考えていたことを、ここで共有したい。
【5cミラミス】はあくまでビッグマナ系統のデッキであるため、有効な攻略方法の一つに、早期のビートダウンがあると考える。強力なクリーチャーが主体のデッキに対して、それらが出る前にリーサルをかける。相手のやりたいことをさせる前に、一方的に勝つことを目指す。
それを最も達成しやすいのが【赤青レッドゾーン】であると考え、私は前期使い続けた。
ただ、そういった魂胆を阻んでくるのが、搭載された強力なシールドトリガーたちである。《アルカディア・スパーク》はもちろん、《ミラミス》もトリガーであり、この2枚は性質上噛み合いが素晴らしく良い。序盤に踏む《ミラミス》はゲームの勝敗を決めてしまうほどに強力であるし、ラス盾スパークはどんなに過剰打点があっても止まってしまう。
私も当初この二律背反に苦しめられたが、試合数をこなすうちに目指すべきゲーム展開がわかってきて、後述する方針を定めることで【5cミラミス】対面の勝率は安定していった。環境で使用率の高いデッキに有利主張できるようになり、レートも1700を越すことができた。
その軌跡はこちらのnoteから
よろしければご覧ください
今回【レッドゾーン】デッキを使用する前提で書いていくが、他のデッキについても基本的な考え方の部分は応用が効くと思う。
どこを切り、どこを通すかを定めることで、プレイング、ひいてはメンタルの安定に繋がるだろう。
また、もちろん新弾の登場やADのカードプールに変わることで、違ってくることもあるだろうが、大まかな部分で【5cミラミス】を理解するのに役立ててもらえればと思う。
ぜひこの理不尽な《ミラミス》に打ち勝ち、環境を攻略していきましょう。
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コンセプト等は先ほどのnote参照
以下の方針のため、2コストクリーチャーを10枚搭載した
基本方針
①初めの1〜2点におけるトリガー《ミラクルとミステリーの扉》は考えない
②最後の3点のトリガー《DNAスパーク》も考えない
解説
《ミラクルとミステリーの扉》
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このカードの弱点は、言うまでもないが「相手が選ぶ」というところ。
デッキの構成上、《ニコルボーラス》や《完全不明》、《鬼丸覇》など、盤面に触らないカードを積む必要があるため、受けトリガーになる確率が思ったより低い。
つまり、序盤の1〜2点からトリガーすれば、何が出ても強いため強力だが、リーサルを迫られている場面でトリガーした際はだいぶ心許ないのである。
具体的に、以下の表のように計算できる。
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めくりたく無いカードは、先ほどあげた盤面に触れないカード。めくりたいカードは、盤面に触れる《ヴィルヘルム》、《ニューゲイズ》などのカードとして、表を辿ってみてほしい。
例えば、《ヴィルヘルム》×4、《ニューゲイズ》×4、《ニコルボーラス》×3、《鬼丸覇》×2、《完全不明》×2の場合、盤面に触れるカードが8枚、触れないカードが7枚なので、リーサル時に有効トリガーになる確率、つまり《ヴィルヘルム》か《ニューゲイズ》だけがめくれる確率は、30.93%である。
更に、早いターンのリーサルならば、5色埋まっていない場合もあるため、超次元ゾーンに《ホワイティ》が無ければ《ニューゲイズ》もハズレ枠となり、確率は半減する。
以上のことから、序盤に盾を刻み、リーサルに向かいながら踏むことで、トリガー《ミラミス》の価値を落とす方針を取る。
なお、序盤に背負うリスクの比較についてだが、以下の表の通り、あるトリガーが1枚以上ある確率のほうが、1〜2点で踏む確率よりずっと高い。
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例えば4枚採用のトリガーが盾に埋まっている確率は、ご存知の方も多いが、42.71%である。
一方で、これを1点で踏む確率は10%、2点以内で踏む確率は19.23%である。
よって、この10%〜19%の負け筋を無視して、より高い確率で起こるトリガー《ミラミス》を、リーサルに向かいながら踏むことで、確率的に有利に試合を運ぶことを目指す。
《アルカディア・スパーク》
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除去とスパークが合体し、最強のトリガーとなった。
と、思いきや、【5cミラミス】では結局片方しか選べないため、実はそこまで痛いトリガーではない。
なぜなら、除去効果を高パワーの《レッドゾーン》や《レッドゾーンZ》に当てられる場面が少ないからである。
刻んだ際に踏んだ場合はいわずもがな、小型クリーチャーが処理されるだけであり、手札の《レッドゾーン》は無事である。おまけにワンドローがついてくるため、《Z》を引いてリーサル条件が良くなったり、後続を確保できたりもする。
また、リーサルに向かった際に踏んでも、除去をあてる対象を殴り終わった《レッドゾーン》に当てることは、2枚同時に踏んだ場合や、他のトリガーと同時に踏んだ場合に限られる。当たり前だが、そのままリーサルが通ってしまうためである。横の小型クリーチャーを除去するか、タップ効果を使うしか無い。
そしてその後、《ヴィルヘルム》を手出しできるマナが溜まっていない無い限り、《ニューゲイズ》では高パワーを処理しづらいため、《レッドゾーン》は盤面に残りやすい。
なお、横に小型が2面いる場合は、《ニューゲイズ》が《ガイハート》装備、小型を殴る際に《ガイオウバーン》装備してもう一体とバトル、《ガイオウバーン》が龍解して《レッドゾーン》に自爆、《ガイハート》が龍解してパワーアタッカーで13000となり《レッドゾーン》を処理、と運べる。
しかし、お気づきの通り、このとき相手の盤面にはブロッカーも《ガイオウバーン裏面》も無い。次ターン、スピードアタッカーでリーサルとなる。
小型1面ならばこれすら叶わないため、《ジャンヌミゼル裏面》が出てくるが、《ボルシャックホール》があれば《プリンプリン》からリーサル、また《吸い込むナウ》から《レッドゾーン》が引っ掛かれば、《ニューゲイズ》を戻して《ジャンヌ裏面》を破壊しながらリーサルが通る。
他にも、例えば《エクストラホール》で《シンカイヤヌス》を出したあと、2コストクリーチャーで2打点を作れれば、小型から殴ることで《ジャンヌ裏面》は破壊されないため、2面しか止まらずにリーサルとなる。
まとめると、《アルカディア・スパーク》は大型クリーチャーに除去を当てづらい点が弱点である。
押し込める札を手札にキープできていれば、そのままリーサルが通りやすいため、踏みたくは無いが、そこまで脅威では無い。
真の脅威は……
《DNA・スパーク》
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私的に、数あるトリガーのなかで、単体では最も防御性能が高いカードだと思う。
タップ効果によりどんな過剰打点も止まり、盾まで1枚増やされてしまうため、次ターン《ニューゲイズ》で小型を処理しながら《ジャンヌ裏面》を出されるだけで大体止まってしまう。
盾1枚&《ジャンヌ裏面》を突破するのは大変に難しく、返しのターンにリーサルに向かうのはほとんど不可能である。
すなわち【5cミラミス】において、最も盾に埋まっていて欲しくないトリガーは《DNAスパーク》である。
しかし、現状のデッキリストを見ると、このカードが4枚採用されているリストは少ないように思える。
よって、最後の3点以内で踏んでしまう場合は考えないこととした。
3点以内に踏む確率は、先ほどの表から、3枚採用なら21%程度、2枚採用なら14%程度である。
確率的にも低く、また対面のデッキリストによってもブレがあるので、最後3点で踏んでしまったら仕方がない、と割り切ることとした。
逆に終盤の《DNAスパーク》を恐れ、「なるべく序盤に割ってしまおう」と刻みすぎると、大裏目のトリガー《ミラクルとミステリーの扉》が待っているのである。
こちらは確実に4枚入っているので、《DNAスパーク》を踏もうとして《ミラミス》を踏んでしまうことの方が多い。
この例に限らず、スパーク・クロック系の強さはこういった「先割り正義」を相手に植え付けられる点であるように思える。
そこで同時に《アクア・サーファー》や《サプライズ・ホール》を採用していたのが【ラッカ超次元】であり、スパークを恐れた相手に強烈なカウンターを喰らわせることができた。
本デッキ【赤青レッドゾーン】や【ラッカ武者】では、それぞれ《クロック》と《アルカディア・スパーク》などに合わせて、《ドンドン吸い込むナウ》を採用することで、盤面のアドバンテージを取りつつ、質の良い手札補充で自分の動きを強めて、状況をひっくり返すことができ得るのである。
真の意味で「盾を強くする」には、ただ無闇にスパーク・クロック系統を積めば良いという訳ではないことがよくわかる例だろう。「遅延」と「逆転」は大きく異なり、シールドトリガーによって目指すべきは後者であることは、これまでのデュエプレ運営の環境調整を見ても明白である。
あとがき
私がチームGlänzに加入した当初、悪名高き《メイ様》環境であり、SNSは彼女へのヘイトで荒れに荒れていた。
そんななかチームの通話で耳にした、リーダーのゆーやさんの言葉は、今でも心に残っている。
環境が良いとか悪いとか、そういうのじゃないんだよなー
その環境でどうやって勝つかだよなー
いつも通りの楽しそうな口調ではあったが、芯を食ったこの言葉に、加入したばかりでミュートして縮こまっていた私は、密かに感銘を受けていた。
どんな環境であれ、どんなカードプールであれ、皆平等に同じ条件なのである。
私もつい、相手が使う強力すぎるカードに文句を言ってしまいがちだが、極論自分だってそれを使えばいいわけだし、そのカードだって文句を言われる筋合いは無いのである。
これからも、個人の好みや感情に左右されることなく、与えられた環境を、如何にして攻略するかを考えていきたい。
時には割り切るべきこともあり、そう言った際に心を荒立てないことが必要であり……
とか言いながらランクマに潜っていたら、ワンパン《ミラミス》《ヴィルヘルム》されるしめっちゃ《DNA》ふまされたやっぱりこのデッキおかしい💢💢💢😡😡😡
どうやら、まだまだ先は長いようです……