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赤黒デッドゾーンの記録【アンチャンスcup ND1713 最終5位】

こんにちは、チームGlänz所属のiroと申します。

今回は、先日まで行われていたヴァルカンアンチャンスcupにて、《S級不死デッドゾーン》のデッキを使用した記録を書こうと思います。

私自身、ハンデス(手札破壊)をメインの戦略としたデッキを使用するのは初めてで、思うようにいかず苦しみましたが、最終的には目標であったレート1700に到達することができました。

滑り込みの最終5位

よろしければ、お付き合いください。

デッキリスト

採用意図は後述します

デッキ選択について

新弾当初、《ドキンダム》の登場によって圧倒的なパワーを得た【レッドゾーン】のデッキを使用していたが、多発するミラー、トップ解決を迫られる【デッドゾーン】、《ミラクル・ミラダンテ》による受けを手にした白系統のデッキの登場により、なかなか安定して勝つことができなかった。

登場から約半年間愛用し続けていた【レッドゾーン】のデッキであったが、今回これを手離し、【レッドゾーン】を対策する側に回ることにした。

握り変える候補は【デッドゾーン】か、もしくは白系統のデッキであったが、私が《ヘブンズ・ロージア》を1枚しか持っていなかったことや、少しでもビートダウン要素のあるデッキを使いたいと思い、前者を選択することにした。
また、イメージ的にも【デッドゾーン】デッキは《ブラックサイコ》によるハンデスで、白系統に有利な印象であったため、環境的な立ち位置の良さも期待した。


いきさつ

少し長いので、各カードの採用理由などが知りたい場合は飛ばしてください。

環境変遷

当初、色々な方が公開してくださっているデッキリストを参考にしつつ、このようなリストを使用していた。

このデッキリストで、レート1694まで到達できたが、目標にしていた1700にはあと一歩及ばなかった。

10月10日
この後、ミラー対面で4枚盾を焼却した後のラス盾《デスハンズ》で負けてしまった…

ただ感触はとても良く、【レッドゾーン】の攻撃力と《ターボ3》の強烈なリソース補充にも対応でき、白系統のデッキにも相手がクリーチャーを出した瞬間、ホール呪文から《ブラックサイコ》を叩きつけることで、目論見通り有利にゲームを進められていた。また、当時多発したミラーでも、13枚採用されたSA(スピードアタッカー)とホール呪文により、トップ勝負にもつれ込ませて勝つことが多かった。

ただ、そんななか次第に環境が回り出し、徐々に勝てなくなって行った。

ミラーが多発したことからも分かる通り、【デッドゾーン】デッキが流行し出したことで、環境において意識されるようになったのだった。

【レッドゾーン】は《レッドゾーンX》を採用し、禁断を剥がしながらトップSAを待つプレイを取られるようになり、白系統は不用意にクリーチャーを出さず、《ヘブンズ・ロージア》と《ローザンテ》などから一気にリソースを稼ぎながら展開されるようになった。

また、天敵である【モルトnext】の増加もこの辺りであり、レートは1700に到達するどころか、じわじわと低下していった。


焦り

10月12日、3連休初日。
割と時間を確保できたため、ひたすらランクマッチに励んでいたが、一向にレートは伸びなかった。

今期は私の所属するチームGlänzにて、4チームに別れての最高レート対決(結果はこちら)が行われており、チーム内でもレート1700達成が何人も報告されており、焦りがあった。

仮にも一応、チームの副リーダーを任されている身でもあったため、なんとしてもレート1700超えを達成したいという思いが強くあった。

ただ、勝てない。

レートは上がるどころか、どんどん下がり、翌日13日には1600を切った。

一時再度【レッドゾーン】を試してみたが、禁断絡みのプレイングも浅く、やっぱり勝てない。

ついにはレート1500近くまで落ち込んだのは、13日の深夜であった。
もう訳がわからなくなっていたし、たぶんプレイもめちゃくちゃだったと思う。
原点である1500という数字を見て、やっと正気を取り戻した。

落ち着いて、なぜ負けているのかを考えることにした。

あれほど以前のnoteで書いたのに、対戦中に全く記録を取っていなかった。そりゃ負ける。

自らの怠惰に呆れながらも、なんとか記憶を手繰り、次の2点を改善点に掲げた。

  1. 初動不足
    歪んだマナカーブからも分かる通り、初動が《勇愛の天秤》と《ボーンおどり・チャージャー》しかない。
    4〜5ターン目まで動けず、相手に先に展開されてしまい、そのまま負ける試合が多かった。

  2. ハンデス不足
    実のところ《ブラックサイコ》以外にちゃんとしたハンデス札が入っていない。
    《サイコ》が引けなかったらただのビートデッキであり、また有利主張したい白系統のデッキにおいても、《ローザンテ》をはじめとしたエンジェル・コマンド・ドラゴンたちのもたらす強力なリソース力に対抗するには、《サイコ》だけでは足りないことが多かった。

のちにも書くが、これに対してそれぞれ《コダマダンス・チャージャー》、《タイガニトロ》という回答を用意した。

枚数や減らすカードをいじりながら、14日の明け方までランクマッチに挑んだ。寝ろ。

すると先ほどまでとは打って変わり、勝てるようになっていった。
時折枚数を調整しながら潜り続け、1620まで戻すことに成功し、力尽きて寝た。

14日はその後1670まで到達するも、「寝る前にちょっとだけやるかー」からの2連敗でマイナス19。結局最終日は1651からスタートすることとなった。


最終日15日、仕事が早めに終わったこともあり、帰宅と同時に潜り始める。

デッキリストはまだぐちゃぐちゃで、《デスハンズ》が2枚くらい採用されていた気がするし、《レッドゾーンX》が1枚だったときもあったし、ホール呪文の枚数も決めきれていなかった。勝ったり負けたりしながら、1650付近から脱せずにいた。

偶然かもしれないが、勝ちが増えはじめていったのは、《デスハンズ》をすべて抜き、《コダマダンス・チャージャー》の3枚目と、試しに《デスマーチ》をピンで採用してみたあたりからだった。

連勝が増え、レートは1600台後半に差し掛かった。

そこから2回ほど1700チャレンジに挑み、負け、再度レートをあげる最中になぜかタップミスを連発して発狂しそうになりながらも、なんとか3度目の正直で1700に到達できたのは、シーズン終了40分前の11:20頃であった。

過去一疲れた1700

その後、せっかくだしいい順位まで行こうと思い、2戦2勝。
シーズン終了20分前、上が遠かったため、レート1713で今期のランクマッチを終えることにした。

最後はミラーマッチ
《デスハンズ》が3枚見えていたため、ジャスキルに向かう
ノートリ貫通

少し長くなってしまったが、以上がヴァルカンアンチャンスcupの過程である。繰り返すが、過去一疲れた。

ちょっと意地になりすぎてしまったのが良くなかった点で、一番は途中負けが混んだときに冷静になれなかったことである。

勝ちたい時は、対戦記録を取ろう。

あの時の自分に言ってやりたい。


採用カードについて

再掲

前述の通り、最終日付近の試行錯誤のなかで出来上がったため、まだまだ改善の余地があると思う。 

また、コントロール風味のあるデッキであるため、環境によっても有効な札を調節する必要も出てくるだろう。
常に変わりゆくランクマッチ環境において、あまり参考にはならないかもしれないが、一応コンセプトを念頭に、採用・不採用の理由を記しておく。

デッキコンセプトと基本パーツ

環境で最も多い【レッドゾーン】の《ターボ3》を絡めた多重侵略に対して、《ザ・ブラック》《ブラックサイコ》《デッドゾーン》により盤面と手札を全て刈り取ることでゲームを優位に進めるためのデッキである。

2枚のカードで3ハンデス
シンプルに強い
《ゼロフェニックス》は多色濁りを嫌い、3枚採用とした
引けなくて困ったときもあったので、勿論増やしても良い

《ザ・ブラック》と《ブラックサイコ》の組み合わせは特に強力で、【レッドゾーン】以外の対面にも、相手の手札が3枚になった瞬間に全ハンデスを狙うことができるため、相手は盾からの2枚のカード+トップで戦わなくてはならなくなる。そこからゲームを有利に運ぶための要求値は、割と高い。

ホールは7枚以上ほしい印象

これらの5コストホール呪文はこのデッキの根幹を担う。
《勝利のガイアールカイザー》からの侵略は勿論だが、《勝利のリュウセイカイザー》で足止めし、《ブラックサイコ》でハンデスして生まれた隙に《ゼロフェニックス》を着地させるプランも強力である。

加えて、単純に《デッドゾーン》は3打点であるため、例えばホール呪文から《アンタッチャブル》をばら撒き、あともう1打点揃えれば、スパーク・クロック条件のリーサルが組める点も、サブプランながらに十分に強力である。

色々な攻め方ができ、ハンデスやシールド焼却により、確率的にも優位に戦えるデッキがこの【デッドゾーン】であると考える。


《勇愛の天秤》

初動枠として4枚採用した。

2000火力については、言わずもがな【レッドゾーン】の先2《トップギア》への対抗手段であり、またトリガーした際には小型獣のリーサルを防いでくれたこともあった。2000ラインとはいえ、確定除去はやはり偉かった。

手札交換効果について。
《デッドゾーン》や《レッドゾーンX》、《ゼロフェニックス》など、墓地から場に出せるカードを落としながらドローすることで、1枚で驚異の3アドを稼ぐカードになり得る。

つまり、使うタイミングを選ぶカードであり、初動とはいえ、闇雲に2ターン目に打つカードではないと感じた。
例えば3コストのチャージャーを絡めたいプランならまだわかるが、4コストの《ザ・ブラック》スタートのプランならば、無理に2ターン目に打つ必要はあまり無い。上記の墓地から使えるカードは計9枚も採用されており、$${\frac{9}{39} =約23\%}$$で次ターントップで引くかもしれないからである。

シールドトリガーの手札補充効果が強力なのは、《ドンドン吸い込むナウ》からも明らかであり、引けていないカードを何度も調達してくれた。
シールドトリガーの持つべき逆転要素を十分満たしており、《勇愛の天秤》はシールドトリガーとして強力なカードであると言えるだろう。


《ボーンおどり・チャージャー》《コダマダンス・チャージャー》

初動枠として、それぞれ4枚・3枚で採用した。

ゲーム運びの根幹を担うホール呪文に繋げられる点が優秀であり、計7枚の採用となった。
振り返ってみて、4ターン目にホール呪文を打てる確率が上がったことが、勝率の上昇に繋がったと感じている。

《コダマダンス・チャージャー》のデメリットはシールドが減ることだが、実は気になる対面は現状【レッドゾーン】くらいである。

《レッドゾーン》+《レッドゾーンZ》をのぞいて、現状Qブレイカーが居ないからである。
リーサルまでに必要な攻撃の回数は盾が4枚と5枚で変わらないことの方が多い。
【モルトnext】も、ミラーも、3回の攻撃が必要なはずである。

よって、盾が減るデメリットより、手札を補充しながらマナ加速を行えるメリットが大きいと感じ、今回採用することにした。

実際これが強く、このカード無しにレート1700超えは達成できなかったと考える。

ただ、2回以上使う場面は少ないため、3枚採用は少し過剰かもしれない。
環境を見ながら、調整したい。


《爆霊魔タイガニトロ》

白系統のデッキに対して有利に戦うためのカード。《ブラックサイコ》だけでは足りないハンデス要素。相手の手札が1枚になるという点が《ザ・ブラック》とも絶妙に噛み合う。

チャージャーから繋ぎ、先攻4ターン目にこのカードを出すだけでゲームの大勢が決まってしまうほどに強力なカードであるが、マナ武装であるため、構築に制限が出てくる。

このデッキリストには赤単色のカードが、《禁断》をのぞいて7枚入っているが、《勇愛の天秤》も《ボルシャック・ホール》もデッキの核を担うカードであり、あまり減らしたくは無かった。
どうしようか迷ったが、一旦実践で試してみることにした。

結果、赤単色を引きすぎて《タイガニトロ》を諦めざる得なくなった場面もたしかにあったが、それでも思ったよりは気にならなかった。

それは、《勝利のリュウセイカイザー》の存在のおかげであった。

5マナ時に黒マナを5枚揃えるのではなく、最悪1枚赤単色を置いても良いので、先に5コストホールをプレイ。《勝利のリュウセイカイザー》で1ターン遅延したのち、6マナ目に5枚目の黒マナを置きながらニトロ爆撃するプランが取れるからである。

偶然にも、5コストホールとも噛み合いを見せた最強ハンデスカード《タイガニトロ》は本当に強力で、デッキパワーが数段上がったように思えた。

ただ、あくまでもサブプランであり、非進化のため直接《ゼロフェニックス》に繋がるわけではないので、少し抑えて3枚採用とした。


《レッドゾーンX》

5枚目以降の《デッドゾーン》としてだけでなく、例えば【レッドゾーン】対面の相手の《レッドゾーンX》を封印することで、次ターンのトップSAのバリューを落としたりできる。

赤黒の多色であるため、《ゼロフェニックス》を墓地から重ねられる点も強い。
《禁断》のカウント進み、墓地肥やしができる点も器用で良い。

当初3枚採用していたが、多色濁りもあり、腐る対面もあるため、最終的に2枚に落ち着いた。


《死神術士デスマーチ》

たんぼのたなかっぷで準優勝したときの思い出のプロモ

《デスハンズ》をピンで採用するくらいなら、と思い、1枚採用してみた。
用途は、《ゼロフェニックス》の進化元と、ホール呪文と合わせての1+1打点である。

後述するが、【レッドゾーン】に対して最後の1点を焼却ではなくブレイクすることがある。
その際に《デスマーチ》がいると、リーサルに行くターンを1ターン早めることができたりする。
これはつまり、トップSAによる負けのリスクが1ターン分軽減されることになるため、勝率の上昇に繋がるのである。

最終日に思いつきで採用した枠であるので、もちろん要検討カードである。


《禁断》

墓地肥やしのために採用。

禁断開放は狙いがない限り、避けたい。
調整は至難の業で、大局観が必要だろう。

体感だが、《レッドゾーンX》を3枚以上採用すると、狙って禁断開放しに行けるくらいにコマンドを出す回数を期待できる気がする。


超次元ゾーン

《アンタッチャブル》2枚は、ミラーをはじめとする各対面で有効な詰め筋となるため、採用。裏返った際のアンブロッカブル効果は《ミラクル・ミラダンテ》を貫通する。

《キル》はアンタッチャブルを裏返すためのカード。《勝利のリュウセイカイザー》や《ブラックサイコ》などに反応するため、割と覚醒しやすい。
覚醒後の《セツダン》と一緒に出した《アンタッチャブル》とで、3打点を1枚のホール呪文から作れる点も魅力的。

《マティーニ》は【レッドゾーン】対面でトップSAを腐らせることができる。
相手の《レッドゾーンX》には無力だが、貴重な防御手段として採用。

《勝利のリュウセイカイザー》は相手を遅延し、《ブラックサイコ》につなげるためにも必須。なんなら2枚欲しい。

《勝利のガイアールカイザー》は、あればあるだけ心強い。《ガンヴィート》を使いたい場面がほぼ無いため、3枚採用とした。

他候補は《勝利のプリンプリン》くらいか。
《ガイアール》の枠を割いてもいいかもしれない。


採用候補《デスハンズ》

今回は不採用としたが、汎用トリガーとして強力である。
ただ、枠もなく、《コダマダンス》との噛み合いも悪い。初めは4枚採用していたが徐々に減っていき、最終的には0枚になった。

【レッドゾーン】対面でトリガーした際も、《ブラックサイコ》の殴り先を残すために発動しないことも多く、なかなか有効な場面は想定しづらかった。

不意のリーサルを盾から防いでくれたことは何回もあり、優秀なカードであることは確かだが、手放しに採用できるほどデッキの枠は余っていなかった。


採用候補《ノワール・ルピア》

《ゼロフェニックス》の相棒である。
序盤に出せる置き型墓地肥やしとしても優秀。
《ブラックサイコ》が素で乗るのも良い。
また、盤面に進化クリーチャーがいる場面で、6マナで墓地から綺麗に《ゼロフェニックス》を着地できる点も強い。

また、墓地に《ゼロフェニックス》があれば、5コストのSAとして使える点も評価できる。

今回は枠の都合と多色濁りを嫌って不採用としたが、強力なカードであるため、もちろん採用を検討したい。
《デスマーチ》の枠や、《ボルシャック・ホール》の枠も入れ替え候補かと思う。
今後試していきたい。



【レッドゾーン】対面について

私自身、コントロール(?)デッキを使うのは初めてで、各対面解説なんてものを書く自信は全く無い。そこで、自らもよく使っていた【レッドゾーン】対面に絞って書こうと思う。なんだか彼らを裏切っている気もするが……。
ランクマッチでもよく当たる対面であると思うので、何かの参考になれば幸いである。


まず、《ザ・ブラック》《ブラックサイコ》《デッドゾーン》のコンボパーツを揃えることが第一であり、これらのカードをマナ置きしてまで他のカードをプレイするのは、裏目になり得る。
最悪、《ザ・ブラック》はホール呪文でも代用できるが、後手の場合《ボーンおどり・チャージャー》が必須となることや、《ターボ3》を重ねられた場合に相手の手札が1枚残ってしまうことに注意。


また、第二の目標として、《ゼロフェニックス》をなるべく早急に着地させること。つまり、可能な限り《ゼロフェニックス》は手札にキープすること。
最悪《勇愛の天秤》で墓地に落として《リバイヴホール》で回収するか、《レッドゾーンX》に墓地から重ねるかして、とにかく早く着地させたい。

無論、相手のトップSAの試行回数を減らしたいからであり、この回数の差が勝率に大きく関わるからである。

赤黒の多色であり、マナに埋めてしまいたい場面もあるが、よくよく今後の展開を予想しながら判断すべきである。


最後に、詰めの場面。
よくあるのはこういった展開である。

5t目に《チャブ》と一緒に出した《マティーニ》は相手のトップ《ザ・ゼット》と相打ちに
6t目は《ゼロフェニックス》を着地させ、2点焼却
7t目、《天秤》から《ボルホ》を拾い、《ガイアールカイザー》を場に出した

ここで2点を《ゼロフェニックス》で焼却した後、そのままリーサルに向かうか、止まって次ターンの確実なリーサルを選ぶのか。

こういった場面で重要になってくるのは、公開領域のSAバイクの枚数と、トリガーなどのメインパーツ以外の枚数である

以前のnoteで示した通り、残りのシールド1枚と相手のデッキトップ1枚における諸々の確率は等しい。例えばラス盾から《ホーリー》を引いてしまう確率と、相手がデッキトップで《ホーリー》を引く確率は等しく、同様にラス盾がSAバイクである確率とトップSAバイクの確率も等しいのである。

よって、考えるべきは、残りのSAバイクの枚数と、トリガーの枚数である。

これを相手の墓地やマナゾーンといった公開領域から推測する。

SAバイクは割と簡単で、《ザ・レッド》《ザ・ゼット》《ザ・マッハ》の3種類であるため多く見積もって12枚である。そこから、見えた枚数を引けば良い。

トリガーについては、見えた《ホーリー》などから考えるのはもちろん、《マグナム》や《勇愛の天秤》にも着目したい。

現状【レッドゾーン】デッキは、最強の初動《トップギア》、《ザ・レッド》《ザ・ゼット》《ザ・マッハ》のSAバイク3種、《ターボ3》《レッドゾーン》《レッドゾーンZ》の侵略先3種の、合計7枚のカードは基本的に4投されており、加えて《レッドゾーンX》が1〜3枚と、《ドキンダム》で1枠使うため、30〜33枚ほどが固定されている。
《ホーリー》が見えれば4枚採用と考えて、残りりは3〜6枚である。
例えば《マグナム》が見えれば逆算的に《クロック》が採用されている可能性は下がる。《勇愛の天秤》についても同様である。

このようにして、なんとか残りのSAバイクの数とトリガーの数を見積もったら、あとはそれを非公開領域の枚数(山札の数+禁断などの封印の枚数+盾の数)で割ることで、リーサルに向かうか、1ターン待つかのそれぞれでの勝率がおよそわかる。


例えば、先ほどの画像の場面、《ゼロフェニックス》で2点焼却するところまで進めると、

山札12、盾1、封印1
マナゾーン
墓地(2点焼却後)
墓地の続き

SAバイクは《ザ・レッド》が1枚、《ザ・ゼット》が3枚、《ザ・マッハ》が2枚の合計6枚が見えており、残りは多く見積もって6枚。
相手の非公開領域の枚数は、盾1+封印1+山札12で14枚なので、ターンを返した際にデッキトップでSAバイクを引かれる確率は$${\frac{6}{14} =約43\%}$$となる。

関係ないが、ラス盾SAバイクの確率も、同様に43%である。

一方シールドトリガーについて、見えているのは《ホーリー》が2枚、《クロック》が1枚だけだが、《勇愛の天秤》が3枚、《マグナム》も2枚見えており、つまりバイク以外のカードが既に8枚見えているのである。
先ほどの話の通り、少なくとも30枚程度は確定枠と考えると、トリガー枠が透けてくる。
《ホーリー》はもう2枚あるとして、これで既に40枚に近いため、《クロック》はもう無いか、あってももう1枚であると考えられる。
よって、ラスト1枚の盾がトリガーである確率は、どんなに高くても$${\frac{3}{14} =約21\%}$$と推測できる。

これらの数字からプレイを決める。
この場合、私は8割近くノートリであることから、またトップSA率もかなり高めであったため、リーサルに向かうことを選んだ(無事通った)。

もちろんこれはあくまで確率なので、2割でトリガーを踏んでしまうこともある。ただ、確率を考えておくことで、精神的にも動揺することが無くなるだろう。
ただ「トリガー踏んで負けた!」ではなく、「2割の負け筋を引いた」となるからである。
プレイもブレなくなる。

なお、《ゼロフェニックス》で焼いた盾も公開情報として墓地に見えるため、2点焼却まではさっさとプレイし、その後に落ち着いて枚数を数えるようにすると良いだろう。

このように、ハンデスや盾焼却により見えるカードが多い点も、この【デッドゾーン】デッキの良さでの一つであると感じている。


盾が1枚でもあると…

盾が残っている場合、少し話は違ってくる。
このとき、負けパターンはトップSAのみであり、トリガー《ホーリー》の有無は影響しない。無論、打点が足りないからである。
例え《ジ・エンドオブX》を踏み、禁断解放で止まったとしても、トップSAが無い限り相手はリーサルに辿り着けない。
よって、こういった場面では、基本的にリーサルに向かうべきである。



おわりに

繰り返しになるが、今期は自分のデュエプレ史上初めて、こういったコントロールチックに相手を強く妨害するデッキを使用してみた。

これまでひたすら相手の盾を殴ってきた私にとって、本当に新鮮で、考えることが多く難しかったが、とても楽しかった。

デュエプレの新しい楽しみ方を見つけられたようで、一歩踏み出せた有意義なシーズンになった。

もしかしたら苦手意識のある白系統のデッキも、使ってみたら更に新しい発見があるのではないかと思ったりしている。
まずは《ロージア》を生成するところからだが…。


なお、チーム内で「初めてハンデスしました〜」と言ったところ、2年くらい前に《エンペラー・キリコ》のデッキに《トリプルマウス》を入れていた黒歴史を掘り返されてしまった。

あのとき「何がしたいのかよくわからない」と正直に怒ってくれたみくた師匠がいたから、今の自分があると思っています。師匠、あのときは本当にありがとうございました。


それでは今回は以上になります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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