赤青レッドゾーン調整の記録【レッドゾーンcup ND最終10位 最高1732】
こんにちは、チームGlänz所属のiroと申します。
前回に引き続き、新弾環境の調整の記録を残そうと思います。
X(旧Twitter)でデッキリストを投稿しても良かったのですが、きちんと文章にしておきたかったのでこちらに記そうと思います。
よろしければお付き合いください。
環境初期
新弾で追加された《豪速 ザ・ゼット》と《熱き侵略 レッドゾーンZ》により、4ターン目の即時3打点の再現性が飛躍的に上昇した。
これがレッドゾーンデッキの強みだと考え、最大限生きるようなデッキリストを考えた結果、次のような形となった。
キャントリップの2コスで手札を整える
→3コストホールで《アンタッチャブル》、2コスで1点
→4バイク召喚、1点通れば侵略で3打点作り、チャブルでリーサルへ
というパターンの攻め方が非常に強力で、面白いようにこれが決まった。
実際に計算してみると、先手49%、後手59%でこの動きができることがわかった(ただし、色事故や多色事故などは無視)。
次の表において、Aが2コスクリーチャー、Bが3コストホール、Cが4コストバイク、DがレッドゾーンとZを表しており、2ターン目の時点での手札を場合分けし、持っていないカードがある場合は、それをトップから引く確率を考えている。
当たり前だが、2ターン目の1ドローがとても偉く、次の表のように、これが無い(左)とある(右)では数%成功率が変わってくる。
また、これに加えて、4ターン目に《レッドゾーン》と《レッドゾーンZ》が同時に手札に来ると、同時に侵略して4打点作ることができてしまう。
そのターンに2コスで刻むリスクを回避でき、確定除去トリガーがいくら詰まれていようとリーサルが通る。
実際このパターンは5枚コンボ(2コス、ホール、4バイク、レッドゾーン2種)であるので、先攻の場合、普通だとマナにおくカードが1枚足りないことになる。先攻で使えるカードは4枚しかないからである。
この点を補えるところも、《コダマンマ》《グレンニャー》がほんとうに強力で、とても感触が良かった。
このあと1675まで到達した。
さて、お気づきかと思うが、このリストには、レッドゾーンデッキを象徴する2大巨塔を採用していない。
ここから、この事と向き合う日々が続くこととなった。
環境中期
結論から言うと、勝てなくなった。
当時はぼんやりとしか理解できていなかったが、今思うと、明らかに攻め方がバレていたせいだった。
環境の理解が進み、4ターン目にありえない打点が飛んでくることがバレ始め、対応されるようになったのだ。
具体的には、2コスが処理される、パワーラインの低いブロッカー(レッドゾーンで処理できないブロッカー)を置かれる、ハンデスされる、など。
要するに、レッドゾーンが環境上位デッキとして認知され、メタられるようになっていった。
また、それに伴ってレッドゾーンミラーが増加したのも痛手だった。
当時は私も、そしておそらく対戦相手も、お互いにミラーに慣れておらず、手札を叩きつけ合うような試合ばかりで、「しょうないミラー」と感じてしまっていた。とにかく盾を刻むのが正義とは限らないと気づくのは、もう少し後になってからであった。この時は、ぶんまわり、ぶんまわられ、ミラーの試合は1番メンタルに良くなかった。
また、《デュエにゃん皇帝》のデッキが流行り出したのもこの辺りで、ひとたび後手に回ると、3ターン目の1点は侵略で殴り返され、《タイガマイト》にはハンデスの確率を迫られ、《タイガニトロ》には溜め込んだ進化獣を軒並み叩き落とされた。
そうしてみるみるレートは落ちていき、ついには1500を切ってしまった。
改革を迫られ、私は2枚のカードと向き合うことになった。
《一撃奪取 トップギア》
Xで見かける、結果を残したリストには必ず入っているカードで、なんなら紙の時代からレッドゾーンとは縁が深いとのこと。
現カードリストにおいて、レッドゾーンデッキの「確定枠」と評価する人が多い。
ただ、私はそれが納得いかなかった。
あくまで「先2で出せたら強い」カードであり、もっと言うと「かつ、4バイクと進化獣があれば強い」カードだと考えていたからである。
先2でトップギアが引ける確率は、
$$
1-\frac{_{36}C_{6}}{_{40}C_{6}} \fallingdotseq 49\%
$$
であり、また、さらに次ターンまでに4コスバイク(8枚)と進化獣(12枚)が1枚以上ずつ揃う確率は、合わせて35.02%である(条件付き確率ではない)。
また、レッドゾーンデッキのリーサルターンは、《ブレイズクロー》などを採用しない限り、早くても4ターン目である。
だったら、4ターン目にSAの4コストバイクを出せばいいのだから、トップギアの軽減は不要に思え、1ドローのつく《コダマンマ》や《グレンニャー》を優先したいと思ってしまった。
2コストクリーチャーを増やしたいと考えた際に、ほかに良いカードが無いから消去法で1〜2枚いれたことはあったが、そんな中途半端な枚数ではこのカードの強みを理解するには至らず、結局抜けていってしまった。
《超音速 ターボ3》
不要だと思った理由は、レッドゾーンたちで安定して3打点をだせるから、複数回の侵略による攻撃が不要だと考えたから。
一回の侵略で決めきることを目標にしていたため、第二刃のためのリソースは不要だと考えた。
非常に強力なリソース確保手段ではあるが、相手の盾を殴らなければいけないこと、手札に有効そうなカードをキープできないことなど、ギャンブル性がやはり気になった。
環境後期
納得いくデッキリストが出来ず、勝てず、レートも伸びず。
1試合1試合が短いためか、最終日数日前にして700試合ほどこなしており、私にしては異常に多い数字であった。
が、しかし、結果は出ていなかった。
そんななか、突破口を開いてくれたのはGlänzのチームメンバーたちだった。
チーかまさんは私のリストを回し、更に巷でテンプレとなっていた《トップギア》と《ターボ3》入りのリストも回し、なんとその比較を行ってくれた。
曰く、私のリストは、
勝てる流れでは絶対に勝てるが、一度崩されると立て直しが効かない
とのことだった。
非常に的を得た言葉で、話した直後は「確かに…!」くらいだったが、その後試行錯誤を重ねる中で何度もこの言葉に立ち止まった。
最終的なデッキリストは、彼のこの発言が発想の根幹となった。
チーかまさんは色々なデッキを試す勤勉なプレイヤーで、各デッキの特徴を捉えるのが上手い。彼が安定して好成績を残せる所以はここだろう。今回はその恩恵に預かることができた。感謝…!
また、がのととととすさんは、私がちょっとヤケになって作った通称「変なレッドゾーン」を画面共有しながら使ってくれた。
これがとても参考になり、自分の手元ではなく、他人の画面で動くこのデッキは、明らかなパワー不足であった。単純な話、やってることが弱かった。
《トップギア》、《ターボ3》を使う決心ができたのは、がのととととすさんのおかげだった。
普段おいしい食べ物と酒と麻雀の話しかしないDiscordの個人メッセージで、ついデュエプレの話をしてしまった。
学んだのは、自分のデッキを他者に回してもらうことの大切さだった。
数戦であっても、例えば画面共有をしてもらったり、録画してもらったりして、自分の作ったデッキが動いている様子を客観的に見ることで、非常に冷静に見つめ直すことができることがわかった。
二人以外からもチームのサーバー内でたくさん助言いただけたり、励ましてもらえたりして、本当に支えられました。
Glänzの皆さん、いつもありがとうございます。
その後、6/13に最終的なリストが固まり1650くらいまでレートが上がっていく。
6/14は18勝5敗で1704到達。
6/15には 16勝6敗で1732まで行き、その後1725で最終10位となった。
最終的には845試合もやっていた。
自分史上最多である。やりすぎ。
それだけに、自己最高レート更新といった、ある程度の結果がついてきて本当によかった。
前置きが長くなったが、以下、デッキリストの解説を行っていく。
デッキリスト解説
保険枠 《ボルホ》《リベット》《ターボ3》
私のデッキに必要なのは、保険であった。
私の当初のリストは、言うならば、無保険のバイクであった。自賠責保険(シールドトリガー)には入っているので、万一の際には対応してくれるが、その他の際に補償は皆無。つまり、任意保険には未加入であったということだ。事故を起こした際や、故障した際に対応できないのだった。
そこで、まずここから保険に加入するための枠を確保することにした。
私が加入した保険は3種類だった。
小型ブロッカー保険 《超次元 ボルシャック・ホール》
主として《サソリス》対面で相手の《ユリア・マティーナ》を焼きながら侵略して攻撃できるのが強かった。
《サソリス》のパワーが4000、《マティーナ》が3000なので、本来レッドゾーンを2枚抱えないと突破できないが、ボルホはこれを解決してくれた。
《デュエにゃん皇帝》の《シバカゲ斎》、《ホネンビー》が高パワーのクリーチャーでレッドゾーンの火力から守られていても、ボルホが解決してくれた。
また、《勝利のガイアール・カイザー》により、盾を殴らず《ターボ3》が使えるのも非常に強力で、欠かせない1枚となった。
ハンデス保険 《龍覇 グレンリベット》
レッドゾーンは《デュエにゃん》皇帝に対して、後手を取った瞬間、ハンデスや盤面除去でまともに攻められなくなってしまう。
流行しているデッキタイプに対して、相手の動きが鈍ければ勝てる、こちらがぶん回ったら勝てる、ではレートは上がらなかった。
枠の都合上、採用したドラグハートは《熱決闘場 バルク・アリーナ》一種類だけであったが、十分強力で、小型ブロッカーの除去にも役立ってくれた。ハンデス保険なのに、ブロッカー破壊特約もついていてびっくりした。
龍解条件も噛み合っていて、こちらが2コス、チャブルと展開した後、《デュエにゃん》が《ワルボロフ》で《ニトロ》などを捨てながらいつものムーブをしてきてリベットが反応した場合、《デスシラズ》龍解でリベットを除去すれば、盤面数で勝つため、《熱血龍 バリキレ・メガマッチョ》に龍解し、手札に《ザ・ゼット》を持っておくだけでリーサル打点が組める。破壊しなければ、言わずもがなである。
なにげにメガマッチョさんはコマンドドラゴンなので、レッドゾーンたちが侵略できてしまうことも強い。
また、《サソリス》対面にも、相手の《ラグマール》や《エウルブッカ》手打ち等によりマナが溜まって普通に手出しでき、マティーナなどの小型を焼くのに重宝した。
理外にも環境2トップに対して使える札となったリベットは、とても強力だった。
総合保険(リソース確保) 《超音速 ターボ3》
このカードを使わずにシーズンの大半を過ごしたのは明らかな縛りプレイであった。
久々に《ターボ3》を使ってみると、その強力さに驚いた。やってることが、シンプルに強すぎる。公式からアッパーを貰ったスーパーレアカードは伊達ではなかった。
私は基本的に体感6〜7割くらい以上で勝てる状況にならないと相手を攻撃しに行きたくない。
下手に刻むことは相手にリソースを与え、状況が悪くなるからである。
このカードは、もたらすリソースによりそのハードルを下げてくれ、結果的に強い攻め方ができていたと思う。
ただ、前述の通りハンドキープができないギャンブル性が付きまとう。4コストバイクと進化獣を引ければよいのだが、小型獣ばかり引いてしまうと攻めが途切れ、攻勢が続かず逆転されてしまう。
これに対応できるようにデッキを構築しなくてはならず、後述する4種類目の青マナとして、小型を引いても打点を作れる《超次元 エクストラ・ホール》を採用することになった。
感触を試しながら、《ボルホ》3枚、《リベット》2枚、《ターボ3》3枚の採用とした。
保険料として8枠分のスペースを要したが、それに見合った効果があった。
こちらが出遅れたり、展開を邪魔されたり、はたまた相手がぶんまわったりと、様々なことが起こるランクマッチという荒れた路面を、無保険で走り抜けるのは大変に厳しいものがあった。
彼らの活躍は本当に頼もしかった。
初動、色マナバランス、シールドトリガー
数百戦もバイクで走っていると、何となくデッキに求める条件が形作られていた。
感覚的な話なので、なぜかと言われたら答えられないところもあって申し訳ないが、以下のことはデッキを作る上で重要視した。
2コスト初動10枚以上
青14枚以上
コダマンマは2枚程度がちょうどいい
シールドトリガーは7枚くらい
1について、巷のレッドゾーンデッキの初動の少なさは、正直どうかと思うものもある。
盤面無しから侵略してもリーサルにはつながりにくく、レッドゾーンのパワーを活かしきれていないことにもなると感じる。
冷静に考えて欲しい。
3ターン目にクロックポン置きしたり、4スタするビートデッキ、強いと思いますか?
そしてそれがどれくらいの頻度で発生していますか?
ぜひ計算してみて欲しい。
《熱湯グレンニャー》
初動としてシーズンを通して常にデッキに入れていた。手札に進化獣を溜め込む【侵略】というギミックの初動として、最適だと考えている。
火と水で温泉にゃーを併せ持つので、《ヤヌス》との組み合わせが強い。
赤ヤヌス状態でグレンニャーを出すと、2ドローできる。その後侵略にもヤヌスは反応するので、再度ヤヌスが裏返り、グレンニャーにSAを付与できる。
多色濁りだけはどうしても避けられないが、そのリスクを鑑みても、デッキに採用したいと思えるくらい強いカードだった。
2について、青マナ12枚だとやはり事故が多いと感じた。メインパーツの赤のカードとの兼ね合いもあり、最低限の色マナの数は14枚とした。
《超次元 エクストラ・ホール》
ニャー、クロック、吸い込むに続く4種類目の青のカードとして、《エクストラ・ホール》を採用した。
序盤は《アンタッチャブル》を展開し、安定した攻めに貢献したり、ミラー対面でマティーニで時間を稼いだり。
また、《ボーンおどり チャージャー》や《トレジャー・マップ》の返しのターンに打てれば、相手の足を引っ張れるちょっとしたメタカードにもなった。
後半に引いてしまった2コス獣に、ヤヌスから1+1打点を作れる点で、本来序盤にしか出番のない彼らに価値を持たせることができる点も非常に協力だった。
準初動としても評価し、《ドンドン吸い込むナウ》の4枚目を1枚貰い、3枚採用とした。
3について。
《斬斬人形コダマンマ》
火文明なのにリソースを稼げる1枚で、非常に個人的にも評価の高いカードだが、意味のわからない打点の飛んでくる現環境において、複数回以上プレイしてしまうと、逆リーサルの危険性が上がりすぎてしまうように感じた。
あくまで《グレンニャー》を引けなかった際の保険として、2枚採用に留めることにした。
ちなみに《エンドレス・ヘブン》への対策カードにもなることをGlänzリーダーのゆーやさんに教えてもらい、それ以降白単やトリガーロージア対面が楽なった。
守りの要である城が、一瞬にして《レッドゾーン》に5ブレイクされるリスクに晒される様子は、可愛いふりして敵陣に潜り込み、相手の防御を台無しにしているようで、このカードのデザインやイラストとマッチしており、一層コダマンマが好きになった。獅子身中の虫。虫じゃないけど。
4について、本当は期待値1となるシールドトリガー8枚体制にしたいが、枠の都合上7枚。
すべてを止める《終末の時計 ザ・クロック》に加えて、サーチ効果でパーツを探せる《ドンドン吸い込むナウ》の二種類を採用した。吸い込むは手打ちして《ギョギョウ》の対策カードにもなるのも強かった。
トップギアの強み
このことに向き合い続けたシーズンだった。終了する3日前くらいにやっと分かってきて、それに伴って勝率がどんどん上がっていった。
トップギアの強みは、コスト軽減により多様な攻め方ができる点であった。
4コストバイクを3ターン目に出すことがその典型例で、もちろんそのまま侵略することが有効な場合もあるが、そのターンは攻撃せず、次ターンさらに下バイクを追加したり、《ヤヌス》を出して侵略に反応させて一気に打点を作ったり、小型をばら撒いて手札を使い切ってから《ターボ3》のバリューをあげたり、軽減を生かしてターボ3を普通に召喚したりと、攻めに多様性が生まれる点が強く、以前の一辺倒なデッキを大きく変えてくれる存在となった。
これは現状トップギアにしかできないことで、手札に応じて変幻自在に攻め方を工夫できるこのカードは唯一無二の存在であり、現環境において非常に強力だった。
初めはただ3ターン目に走るカードとしか考えていなかったが、今では評価を改めることができた。
よく言われるが、テンプレを疑うことが大切だと、本当に実感した。
私が数学を習っているときに先生に言われたのが、「条件の必要性を考えろ」ということだった。
なぜそれがあるのか、無かったらどんな問題が生じるのか、それを考えるととても勉強になるから是非やってみると良いと言われ、まあ学生時代に実践することは無かったが、記憶には残っている言葉だった。
まさかデュエプレに生きてくるとは思わなかった。
繰り返すが、トップギアと向き合い続けたシーズンで、彼との和解無しには最高レート更新には辿り着けなかった。
3コストホールについて
当初のリストに比べ、《超次元 キルホール》の採用が無くなっている。
キルホールは個人的に大好きなカードで、もちろん相手のブロッカーを破壊できる点、《アンタッチャブル》を序盤に展開できる点、《ヤヌスグレンオー》を出し、《グレンニャー》から2ドローできる点も強力である。
環境初期から常にデッキに入れていたので、多分数百戦は使用したが、最終的な感触としては、少しパワー不足で、場面を選ぶ強さになってしまっていると感じた。
序盤にブロッカーを必ず出すデッキは少なく、かといって温存して後半にプレイして強いカードかと言われると微妙である。
侵略の障害となる小型ブロッカーを破壊するなら、下バイクも兼ねられる《ボルホ》で良い。
また、私の好きなカードであるアンタッチャブルだが、確かに序盤に彼を出すことでリーサルの確実性は飛躍的に上がるが、現環境において、そこまで確実にトリガーをケアするのは難しいと感じた。
例えば《サソリス》対面では、確かにエウルブッカで止まらなくなるが、相手の盾にエウルブッカが埋まっている確率は4割程度である。
また、せっかく出したチャブが《ラグマール》で除去されることも増え、盤面にポンと置いておける安心感もそんなに高いわけなくなった。だったら、《ゴアラ》以外の除去でリソースになってくれる2コスを増やそうという発想になった。
毎回チャブでリーサルに行きたい! などと我儘を言ってられるほど、環境デッキたちは甘くは無かった。
ましてや3ターン目に赤ヤヌス! 4ターン目にグレンニャーで2ドロー! などとやってる暇も、勿論、無い。
環境の変化によっては採用を検討すべきで、例えば白単が増えたり、オリオティスに困らされた場合がそれに当たる。
私はラッカ超次元を使用していたときからこのキルホールが大好きなので、こんなことを書いておきながら、たぶんまたそのうち入れだすと思う。
超次元ゾーン
正直枠が足りない。
ボルホを3枚に加え、リベットも採用してるので、《チャブ》2枚、《ヤヌス》、《マティーニ》、《メリケンパルク》、《ガイアールカイザー》2枚までは確定だと思う。
つまり、《キル》の枠が自由枠だが、《エクストラホール》から出せる進化元である点、《ザ・ゼット》や進化獣に反応して裏返り、チャブを覚醒させられる点が強力だと感じ、私はキルを採用した。
お好みに応じて、《チャブ》の3枚目や《勝利のプリンプリン》、リベット用の《ガイハート(4コス・2回目の攻撃で龍解・選ばれるとEXターン)》や《プロトギガハート(2コス・離れるかわりに龍解)》などに変えるのもありかとは思う。
バイク本体
ここまでの欲望を詰め込むと、こうなる。
さすがに《轟く侵略 レッドゾーン》《熱き侵略 レッドゾーンZ》はデッキの核であり、攻撃力の根幹を担うので、無いのはまずい。
最低限として《レッドゾーンZ》を3枚としても、あと5枠しかない。
ということで、4コストバイクの枠が5枚のみとなってしまった。
組んだ当初はさすがにまずいかと思ったが、少ない状態で回してみることでまた何か得られるかもと思い、対戦してみると、以外とそんなに支障は無かった。
確かにミラーで4バイクを引けなくて困ったことはあったが、それ以外なら、1ターン待って《ボルホ》が下バイクの役割を果たしてくれた。しかも除去とマッハファイター付きで。
よくよくみてみれば、《轟速 ザ・レッド》は4マナパワー4000であり、そこまでカードパワーが高いわけではない。
こうして、《ザ・レッド》はあくまで5枚目の《轟速 ザ・ゼット》として採用することに留まった。前環境はキーカードにまでして重宝していたのに、インフレの波は激しいものである。
まとめ
以上がこの歪なデッキリストになった理由である。
私は再現性のためにも、なるべくカードは4枚ずつ採用したいと考えているので、正直、環境初期の自分が見たら鼻で笑うし、例えばXでこれが流れてきたらたぶん「いいね」ボタンは押さない。
だからこそ、ちゃんと説明(言い訳)した上でこのリストを見てもらいたいと思い、noteを書くことにした。
なんだか胡散臭いこのデッキで、皆の結論デッキが魍魎跋扈する最終日に上位帯まで行けたことは大変嬉しく、時間をかけた甲斐があったと感じている。
もしよかったらランクマなどで使ってみて欲しいので、最後に各対面への戦い方や雑感を記しておこうと思う。
参考になれば幸いです。
緑単サソリス
1番戦っていて面白い対面。盤面の駆け引きがあり、お互いに詰みパターンもあり、それぞれ《エウルブッカ》と《クロック》というシールドトリガーでの逆転劇もある。
1番大切なのは、《ギョギョウ》に気を配り、安直に相手の盾を2枚以下にしないこと。
序盤に侵略して盾を殴る際は、《ターボ3》→《Z》だと、《猛攻の面》で処理されないパワーラインになるので、1番状況が良くなる。
Zで盾を焼いて、エウルブッカの可能性を下げたくなる気持ちもわかるが、1コストで出てくるギョギョウは詰みレベルで対応が難しい。
また、《ボアロパゴス》建設後の《オチャッピィ》対策で、盾を割る際は1点から刻み、Tブレイカーで一気に割り切りたい。同時に手札に来たオチャッピィは使用できないし、盾に《ミランダ》があるなら、なるべくオチャッピィより先か、同じタイミングで手札に加えさせたい。
そのため、キーカードは《ボルホ》。《マティーナ》を焼き、小型が刻む突破口を開ける。
相手のマナや墓地には常に気を配ることも大切。
デュエにゃん皇帝
ぶんまわったら勝ちだが、なかなか毎回そううまくはいかない。
いかにバレずにハンデスして《リベット》を落としてもらうかが鍵であり、その辺をうまくやりたい。
たぶん手札を溜め込んで、《ニトロ》を出さざるを得ない状況を作るのが良いのだと思う。
たぶん紙のデュエマをやっており、こうした空気感を肌で学んでいる方は得意だと思う。
《デュエにゃん》の処理は複雑なので、使ってみるか、使っている人の動画を見たりして、返しのターンに何をされるかは把握しておく必要があるだろう。
キーカードは《グレンニャー》《コダマンマ》《ターボ3》といったリソース手段と、もちろんリベット。
また、相手のリソース源は墓地なので、《エクストラホール》を打つと思ったよりキツそうにしてくれる。
リベットのおかげで逆転の目が作れるので、5分対面くらいにはなっていると思う。
レッドゾーンミラー
4コスバイクも進化先も削っているので、ちょっと戦いづらいかもしれないが、意外となんとかなる。
事実、最終日とその前日でミラーは10試合あり、7勝3敗だった。
運が良かった試合も、相手がぶん回って終わった試合ももちろんあるが、以前のような「しょーもないミラー」と感じることは無くなった。
レッドゾーンミラーで何よりも大切なのは、盾を先に割り切ることではなく、手札の強さをリーサルまで保つことである。
また、相手は必ず《レッドゾーン》と《レッドゾーンZ》と《ターボ3》を持っているとは限らない。
《トップギア》を出してきたからといって、《ターボ3》でドローしてきたからといって、相手の手札が強いと限らない。
特にレッドゾーンによる盤面除去を恐れ、刻めるうちに刻んでおこうとするのは、相手にハンドリソースを与えることになり、状況が不利になりやすい。クロックを踏んでおきたい気持ちはわかるが、踏める確率は1点につき$${\frac{4}{40}=10\%}$$であり、実は「先に踏みたい!」はものすごく我儘を言っていることになるので、殴るかどうかは次ターンのリーサルの有無や、手札の強さに応じて総合的に判断しなくてはならない。
本当にどうしようもないこともあるが、意外とプレイングも出る対面なので、ぜひ「しょーもない」と思わずに、色々と考えてみて欲しい。終わった後に、何が敗着で、どうすればよかったかを考え、何かあれば次から改善し、別にどうしようもないなら切り替えて次に行くしかない。どうしようもないなら、あなたは悪くない。
トリガーロージア
速さで勝負できそうな時は速さで殴り切る。
それが難しい場合は《アンタッチャブル》が鍵。
相手は都合よくトリガーを踏ませる必要が出てくるからだ。
また、《コダマンマ》により《エンドレスヘブン》を置けないようにすることも効果的で、ある程度相手の動きを鈍らせることができる。
受動的なデッキなので、自分の1番良いタイミングで攻めていきたい。
序盤に方針なく刻んでしまうのはよろしくない。
正直勝つときは勝つし、ラス盾クロックとかで無理な時は無理。
あんまり気にしてもしょうがないし、満遍なくみたらそんなに不利な対面ではないと思う。相手も自分もトリガー運次第な気がする。Zの焼却もあるし。
最終日付近では1回だけマッチングしたが、その画面を見ておらず、プラチナ帯の方であることにリーサルの直前まで気が付かなかった。もちろんそのままダイレクトアタックにいき、マスター帯の平和を守っておいた。
モルト王・モルトネクスト
この対面は正直当初のリストの方が強く、環境初期、誇張なしにほぼ勝っていた。
特にモルト王にアンタッチャブルが非常に有効で、トリガーを全てケアできる。
《メガマグマ》には十分注意しながら、なるべく早いターンにリーサルにいきたいが、無理な時は自分の盾のトリガーを信じることも必要である。
モルト王相手に2面以上並べると、《ガイオウバーン》が龍解し、状況の打破が更に難しくなるので要注意。我慢して盾に来させよう。
白単サザン
あまり見かけないが、地力のあるデッキだと思う。
キーカードはもちろん《ボルホ》。
チャブを裏返すと革命0トリガー以外で止まらないが、相手もリソースに長けたデッキなのでなかなか難しい。
《ミラダンテ》の革命0効果が明確な負け筋の一つなので、軽減とシンパシーを計算し、出されないように立ち回りたい。
今回は以上となります。
ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございました。
また何かあったら書きますので、その際はよろしくお願いします。
なお、このリストがバイクの結論などというつもりは毛頭ありません。
今回、環境に応じてメタ的なデッキの組み方をしていて、そういったアプローチのアウトプットのためにnoteを書きました。
レッドゾーン周辺パーツの強みをひたすらに押し付ける組み方とはまた違った手法で、巷の評価通り、2強から一歩引いた位置にいるレッドゾーンたちには、これがよかったのかなとは思います。
また、こうしたデッキの作り方は、環境へのアプローチとして今後も活用できると感じています。
note公開後、実際に使用していただいた方が何人かいらっしゃり、本当に嬉しい限りです。
もちろん、そのまま使用しなくとも、オリジナルにアレンジし、バイクいじりのように組み替えて、楽しくツーリングしていただければと思います。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?