( ^ω^)僕が神様を殺すまで のようですを読みました

何から言えば良いのかわからなくなるくらい、質がえぐい。
まず読みやすい。スラスラ読める文章で、のっけのタイトルから「確実に良くない展開がくる」って想像出来るからハラハラしながらスワイプする指が止まらない。
『何故、内藤は神を殺したのか』から始まる物語、ミステリーとか簡単な言葉で表せられない。
恋愛じゃない、熱烈的な『ファン』の話だと読んでて思った。
構成がまたすごく良いよね、前編と後編で別れてるのがとても。一気読みしたけど。

以下ネタバレ有

これは内藤がアシスタントにならなかったら、もしくはツンが内藤を不快に思って追い出したなら、モララーや周りの『大人』がきちんと手綱を引けていたらこうはならなかったのかなぁ
内藤は元々自分の作風に影響が出るくらい大ファンだったけど、実際ツンがどう作成していてどれだけストイック(に見える)行動をしていたかを目にしたせいで『神作者』というか『神』に昇格させてしまったわけで
ファンがよくやってしまう、『自分が信仰しているものは絶対素晴らしい、だって自分がこれだけ好きだから』って目で見てしまうようになっちゃったから、歯車が歪み始めたんじゃないのかなって前編。
自分が推してるものが実はガラクタだったなんて思いたくないから、ずっと素晴らしい物でいてほしいみたいなジリジリ焦るような感じ。
前編はまだ魔法がかかってるよね、後半で渡辺(ジョルジュ)が出てきて流れが緩やかに変わっていくのが美しい。
実は『神』は『人間』だったんじゃないか、で揺らいでいく人間はとても良い。
内藤側のモノローグではツンの奥深い悩みだとかはわからないけど、『神』だって祭り上げられた身であそこまでやれてたのはすごいと思う。漫画家ってアイドルみたいに匂わせだとか不倫だとかで炎上したりしないのに、自分が作ったものが気に入られないだけで炎上するのめちゃくちゃ辛……ってなった、それを週刊でやっててさらに一人でって本当化け物レベルだから編集部がもっと飼い慣らすじゃないけど上手く手回ししたら良かったんじゃないの、まだツン若いんだよ……?と肩入れしてしまった

私個人的な見方で、もし作品の趣旨と違ってたら申し訳ないのだけど、読み終わって嫌な気分にはならなかったしなんならツン的にはハッピーエンド(言葉が違うかも)じゃないのか?と思った
あの満足してない終わりを書き上げても、しばらく漫画を描かなかったとしてもまたいつか漫画を描きたくなってしまったら、と思うとあのツン自身の『神』のままで終わるのは良かったんじゃないのかなとか思ってしまったので、その後の埴谷の「そんなつまらない苛立ちなんかで!」というセリフに「は!!!!??????」ってなってしまったけど良く読むと内藤の供述内容がアレだったからそう言っただけだった、ごめん埴谷さん。

ファンとか、信仰についてあああ、わかる…ってなったりするとても素晴らしい作品でした。読んで、是非


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