「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」創業166年(株)いろはや先代社長のいいつたえ②
これまでいろはや4代に渡る事業の挑戦と軌跡を見てきました。
前回から引き続き、(株)いろはやには先代社長が代々伝えてきた言い伝えを検証していきたいと思います。
「商売は大きくするな。大きくすると風船のように破裂して潰れてしまうぞ。」
これは3代目店主中山宇八がよく言っていた言葉でだそうです。
会社は社長以下スタッフが一丸となって弛まぬ努力をしていたら比較的強く耐性があるものです。つまり外的要因にはある程度耐えられる。「会社という組織は、外側から潰れるのではなく、内側から潰れていくということが多い」という事を3代目店主は示唆しています。
内側の原因。それは社長の怠慢なのか。社員さんの謀反なのか。組織のゆるい空気なのか。
家族の不和か。様々なケースが考えられると思います。
私個人も先代の教えから同じような事を考えております。
それは「自分がコントロールできることにのみ集中せよ」という事です。
今の社会情勢。人口減少と高齢化社会。ウクライナ紛争による資材の高騰。こういう自分がコントロールできないものに対して時間やリソースを注ぐのは有効ではない。小言や文句を言う時間すらももったいない。
自分が今コントロールできること。それはスタッフ。スタッフの家族。自分のマインド。お店。仕入。自分の健康。こうした部分にフォーカスせよ。そちらのほうが効率がいい。
戦後の動乱を生き抜いた出光石油の創業者 出水佐三氏を描いた著書「海賊と呼ばれた男」(百田尚樹著)に私の好きな場面があります。
終戦の3日後、主人公の国岡鐡造は社員に向かってこう叫びます。
「愚痴をやめよ。(略) 愚痴は泣きごとである。亡国の声である。(略)断じて男子のとらざるところである。(略)日本には三千年の歴史がある。戦争に負けたからといって、大国民の誇りを失ってはならない。(略)」
今ここ。自分がコントロールできることに資源を集中。コツコツと点滴石をうがつが如く。出光佐三とは生きる時代も人間的なレベルも異なりますが「今ここで俺になにができるか」を常に自問自答しながら仕事を進めています。いい時ほど慎重に。悪い時ほど泰然と。
社員50名以下の会社の業績は98%社長で決まるといわれています。常に店主は襟を正し、社員に対して模範となれるように。生き方を問われる仕事だと思います。
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