皮一枚めくれば、割と問題を抱えているものだったりする

 「自分の家庭は普通とはかなり違う」
 それに何か引け目でもあるのかと思うような言い回しで、しんどさを聞かせてもらったことがある。

 家庭というものは、皮一枚めくれば歪みを内包しているものだ、と私は考えている。絵に描いたような幸せ家族が存在しているのなら知りたいものだし、それは自分の家庭を不遇と思っている人間からすれば、喉から手が出るほど欲しい居場所である。
 ただし、生まれた家庭で幸福に育った人は確かに存在しているし、そういった人々からの「家族だったら分かり合える」だとか、「親と仲が悪いとかわからない」といった全く悪気のない無理解な発言を平気で言われることもよくある。私はそんな風に言われると、まるで釘バットで一方的に殴られているような感覚に陥ったものである。

 家庭が不幸である必要はない。むしろ、すべての家庭が幸福であるほうがいい。
 だがその幸福は、家族がうまくかみ合わないと発生しない。あたりまえにあるものではない。皮一枚めくると、案外どこにでもトクベツな事情が存在していたりする。血のつながりがどうとか、DVがどうとか、ひきこもりがどうとか。家族であっても、人として合わないとか。
 案外、誰でも何かあるのだと思う。スピリチュアル方面で出てくる内面的な問題も、親との関係が必ずと言っていいほど出てくる。

 結局何が言いたいのかというと。
 君の家庭だけがトクベツ変わっているというわけではないから、そこで孤独感のようなものを感じなくてもいいのだよ、という話。

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