広辞苑大学出のヘッズ

もちろんタイトルは嘘。わおんです。

男性声優12人によるラッププロジェクト「ヒプノシスマイク」にハマってヒップホップやラップミュージックにハマり、見事にヘッズと化した話を昨日しました。
ちなみにヘッズというのはヒップホップめちゃ好きな人を指すようなのですが、おそらく元々はロックのほうの用語でグレイトフル・デッドというバンドの熱狂的なファンをデッドヘッドと言ったところから来ているのかなと思っています。
余談ですが「RENT」というミュージカルのファンのことをRENTヘッドと言いまして、私は元々そのRENTヘッドに近いところにいたために、懐かしい言葉だなぁ~などと思っておりました。余談終わり。
(実際ヒップホップのほうもそっちが由来かはよくわかってないです)

そういうわけで私はヒプノシスマイク出のヘッズ。
この「~出の○○(○○にはそのクラスタでいうところのファンを意味する言葉が入る)」という表現は、「~をきっかけにファンになったよ」という感じの意味合いらしいです。多分。
詳しくないですが主にジャニーズさんのファンの方々がよく使っているのを見てなんだか面白いナァと思いたまに使っています。どこ発祥の言葉かはよく知りません。教えて有識者。

ところでこのヒプノシスマイクにハマった頃、割と時を同じくして「広辞苑 第七版」の予約が始まっておりました。広辞苑ってあの広辞苑です。辞書。分厚いやつ。
ちょうど新宿アニメイトで3ディビジョン分のCDを予約し(当時は既にイケブクロ・ディビジョン発売していた上に、MV発表で突然の需要が爆発したことでどの店舗でも特典付きはおろかCD自体すら入手困難だった)、帰りに紀伊國屋を通り抜けるところで私はそのポスターを見た。

「広辞苑大学、開講」

……現物を確認する手間を省いてしまったのでディティールは違うかもしれない。とにかく広辞苑第七版の発売を記念して、予約者を対象に発売記念イベントやりますよっていう話だ。
登壇者はなかなか豪華でありましたが、そのなかでひときわ目を引かれたのが、詩人の谷川俊太郎さん。そして、ラッパーのZeebraさん。
このイベントは、広辞苑大学と題してゲスト講師の方々がそれぞれ一つの講義を受け持ち、参加者は事前に参加したい講義へ抽選申し込みし、当選すれば各講義に参加できるというもの。

いやーもうこんなの絶対面白いでしょー! と家に帰って母にキャッキャしながらお話をしたりして、とはいえその時点では広辞苑高いしな……と二の足を踏んでいたのですが、後日母から誕生日プレゼントとして広辞苑の予約券を渡され、晴れて応募をすることとなりました。ありがとうマッマ。

このとき応募したのがZeebraさん、谷川さん、それからもう一人ライターでゲームデザイナーの米光一成さんの講義も応募したんだけどこちらは外れました。ただし、後にちょっとした縁ができることになる。これはまた後日。

そして迎えた広辞苑大学当日。
Zeebraさんの講義は「フリースタイル広辞苑」。
端的に言えば以前Zeebraさんが出した書籍「ジブラの日本語ラップメソッド」、当時はまだ販売前のこの書籍を教科書にした、韻の踏み方講座でありました。

とはいえただ韻の話だけではなく、むしろ初っぱなからヒップホップ黎明期の映像を流し、アメリカのブロンクスという街でレコードからブレイクビーツを取り出したDJの話、暴力による抗争の代わりにラップのスキルで争うことになった話と、おそらく既にヒップホップをかじり始めた方々にはおなじみであろうヒップホップという文化が生まれた頃の話などを伺いました。
ちなみにヒプノシスマイク出のヘッズとしては「ひぷまいのニコ生で木村昴さんが言ってたやつだ!!!!!」と進研ゼミみたいな反応をしていました。
※ヒプノシスマイクはニコニコ生放送にて隔週で番組配信をおこなっており、その中でヒップホップの歴史やラップの要素……といったヒップホップ、ラップの知識を"自称ラップバカ声優"で「ヒプノシスマイク」山田一郎役の木村昴さんが惜しみなく教えてくれます

広辞苑のイベントで全員着席し、人によっては真剣にノートを取ったりするなかヒップホップミュージックが流れ、ギャングの映像が流れるというのはなかなか興味深い光景でありました。

肝心の韻の踏み方であるとか、そういう部分については前述の書籍を読んでいただければと思うんですが、こうしてヒップホップという文化の成り立ちやあり方であったり、そして韻というものについて体系的に語る場、というのは、今にして考えても非常に貴重だと思いますし、文化や学問という側面から研究する、学ぶことってとても、面白いのだなと感じました。

特に韻って、ラップにのみ語られがちですがラップだけのものではない、という話もしていて。例えば英語圏では子供たちが真っ先に学ぶ「マザーグース」なんかはまさに韻でできていて、自分の名前で韻を踏む、なんていうことは誰でもできる……と聞きました。
どこまで本当かは知らないですが、これからの時代は名前で踏める韻の一つや二つ持っておくのがエチケットになるかもしれませんね!

ヘッズは初めてイベントで見たラッパーを親だと思ってしまう習性があると聞いたことがあるんですが(誰が言ったんだ?)、わたしの場合はZeebraさんになったので、名実ともにZeebra the Daddyって感じです。

いや何言ってんだろうな。

ところでものは試しと思ってAmazonのなんか紹介して買ってもらえると還元されるやつを試してみました。
リンクを貼った書籍は何度か話題にあげたZeebraさんの本です。とても勉強になるのでよかったら買ってください。
別にこのリンクから買わなくてもいいです。買ってくれればそれでいいです。


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