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過去に戻る長い長い旅路 #003 間違えてしまったこと

わたしの中に眠るたくさんの魂のひとつひとつを書き綴り、最も深い世界まで書き綴ることを目的に書き始めます。

わたしは美しく深い森の中に生きています。
水はどこまでも澄んで美しく私のうちにも外にも水が流れているようでした。

わたしは夫と共に愛のある世界を作りその世界を拡大してゆくことを使命としました。
私は高貴な家に生まれ、水で全てを洗い流す神事をしていました。
一帯を平定したのち、ある日夫は、九州地方へゆくといい、九州へ旅立つことを告げました。
わたしはそれは拡大であれど、愛の世界はならないと伝えましたがついにかなわず、彼は九州へゆきました。私たちは別の道を歩むことになりました。

傷ついたわたしは、富士の麓で暮らしました。
おつきであった方を新しい夫に迎え穏やかな富士の麓にいました。

新しい夫は穏やかに、彼の地が今大変なことになっているからゆくね、と新しい土地の平定に向かいました。
わたしは穏やかな気持ちで帰りを待ちました。
富士の麓は穏やかで優しく、わたしは心安らいで過ごしました。

夫が戻ることを聞き、関東の地で再会することになりました。
戻ってきた夫には2人の若く美しい妻がいました。新しい夫は決してモテるタイプでもなく、この婚姻が決して望まれたものでないことをわたしは知っていましたが、私は自分1人で歩んでゆくと決めました。

途中の地では、私にとって忘れ得ない悲しい悲しいことがありました。
水の巫女として、あってはならないことがあってしまったと私は深く傷つきました。
もっとさらに北へ北へ私は歩みを進めました。

北の地に、美しい美しい方がいました。
その方は、私を優しく迎え入れ、そっと抱きしめてくれました。
わたしはひとのいのちが、人を清めてゆく事を知りました。北の地は居心地がよく私はとても元気になりました。

北の地で私は、また彼に出逢いました。
追いかけてきたあの人に。

かつて逃げ出した都の奥地に、私たちは戻りました。
自然の豊かな事水の美しい事。
この地が永遠に美しくあるように祈り
その生涯を閉じました
愛だけの世界が作れなかった後悔と共に

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