からし蓮根の漫才が好き過ぎるという自覚がある
Q:どうして好きなのですか?
A:めちゃめちゃ面白いからです。
冒頭にしてシンプルな答えが出てしまいました。でも、これがお笑いファンとしての真理である気もします。
からし蓮根といえば吉本興業所属、現在大阪の劇場を中心に舞台へ立ち、賞レースでも着実に戦績を残している新進気鋭の若手漫才師。お笑いが好きで、自然にネタ番組を見たり劇場へ足を運んだりする方なら知ってらっしゃると思います。
そんな彼らを私が特に好きだなーー!!と思う理由。
それは、紛れもなく漫才の面白さがずば抜けていると感じるからです。
からし蓮根の漫才を初めて観た時のことは今も覚えています。当時の私は学生で、田舎町から一人大阪の劇場(特にマンゲキ)へ通い出した頃でした。その時はまだからし蓮根のことを深く知らず、「どんなネタする人達なんやろ、でも名前は聞いたことあるなあ……いやそれは普通に名産品としての方か?」という程度の認識でした。
そんなまっさらな状態で観た二人のネタが、比喩でもなんでもなくびっくりするほど面白かったのです。それなりにお笑いを観てきたはずなのに、なぜ自分はこんなにすごいコンビをちゃんと知らなかったのだろうとすら思いました。
諸々はいったん置いて、とにかく、実際のネタが最高なのでぜひ観てください(公式で上がってるネタ動画少な過ぎ泣ける)。
引用したネタの中で私が一番好きなのは青空さんが放り出される件です。
ネタごとに最高を樹立するコンビ、それがからし蓮根。
具体的にどこが好きなの?
散々好き好き言ってますけど、じゃあどこがどう良いんですか? という話になると思います。それはお察しいたします。実はそれをなるべく文章にしてみようというのが本記事の主旨でした。前座が長いな。すみません。
ここからはいよいよファンの独断偏見入り混じってますので、関心のある方のみどうぞ。
①台詞の面白さ
まずなにより、ネタ中に織り込まれる全ボケ全ツッコミがもれなく面白いのです。もれなく。もうこれは本当にえらいことです。ツカミの時点でキラーワードというか最速で面白が来る感じはすごいし、そのあともオチまで笑わん時間がほぼないくらい。その要因は、言葉選びのセンスが抜群であることだと思います。ここで好きな言い回しを延々列挙したいくらいですがそこをグッと堪えさせていただいて、次に行きます。ネタの趣大切に。
②方言
加えて、コンビ名からも分かるように二人は熊本出身。ネタでも熊本弁を多用します。関西弁や標準語に比べると耳慣れない独特な言い回しが、青空さんの切れ味鋭いツッコミにも相乗効果をもたらしているように感じるのです。方言は良いですね……。関西弁は言わずもがな、千鳥の岡山弁や博多華丸・大吉の博多弁のように、故郷と紐付いた言葉が組み込まれた漫才はやっぱり素敵です。
③身長差
二人が舞台へ出てきた時に感じるのはこれだと思います。差自体が、ということではなく、ネタが始まるとこのビジュアルの特徴がしっかり「ネタの面白さを引き立てる一要素」になるところが好きです。ダイレクトに伊織さん自身が大柄さを押し出していくというよりは、青空さんのツッコミで引き立たせるように提示されるのが良い。またこれは個人的な感覚ですが、随所で「デカい」こと(あえてこう表現します)をこんなド直球に、なおかつ様々な表現でボケに昇華させるコンビは今現在そんなに多くいないと思います。それがシンプル面白い。
④二人の対比
さらに、私が好きなのは伊織さんの飄々としたボケ方。やや棒読みで唐突にとち狂ったボケを繰り広げるのがツボ過ぎるんです。漫才、というかお笑いコンビにおいては二人のキャラクターの対比というのがとても重要だと思うのですが、からし蓮根の漫才には二人に心地よい温度差があって、それがお互いの良さを殺さず持続していくのがすごいなあ……と思います。
以上が合わさった唯一無二のやりとりが、私の思うからし蓮根の魅力です。
現場にしかない「面白さ」もある
せっかく綺麗にまとめた風になりましたが、もう一つだけ書きたいことがあります。
このご時世ですから、私は一年弱ほど生で漫才を観ていません。前述の通り自宅が中心地から遥か遠いことも関係していますが、それでも、流石にこれほど長い間劇場・ライブに行かない生活は今までありませんでした。
こうした生活を続けてみてあらためて思うのは、やっぱり、初めてからし蓮根の漫才を見た時のような高揚感や可笑しさを現場で味わいたい! ということです。配信ライブがあると言っても、実際に足を運んで観てこそ本当の面白さが分かることも沢山あるはずです。
11月も終わりに近づき、年末の大賞レースM-1グランプリ2020も大詰めを迎えようとしています。難しいことを言える立場ではありませんが、ただただ二人が健康に、そしてあわよくば日本の漫才師の頂点を決める舞台に今年も立ってくれることを願うばかりです。そして様々なことが落ち着いたら、必ずまた劇場へ面白漫才を観に行きたいです。
からし蓮根、これからも応援してます。
M-12020後追記:敗者復活の漫才! 最高でした! 来年は優勝まで突っ走ってください!!