反すうとは?
「反芻思考」とは何度もネガティブな出来事を思い出し、悩み続けて抑うつ気分を増長させる考え方のことをいいます。 もともと反芻とは、牛などが食べ物を消化するために一度胃に入ったものを口に戻し、繰り返し咀嚼(そしゃく)すること。
イェール大学の心理学者Susan Nolen-Hoeksema氏が行った研究では、「反芻傾向」の強い人は落ち込みやすく、ストレスを感じる出来事に遭遇すると無気力状態に陥りやすい傾向があるとわかったそうです。
反すうが通常の成長をしている方よりも頻繁かつ、何十年も昔のことであっても繰り返しフラッシュバックしてしまう傾向があるのが、ADHDとアスペルガーの特徴であると言われます。
5−20年前に起こったことであっても「あの時なんであんなことを言ってしまったのか?」など普通であれば1週間くらい引きずってしまうようなことを現在とは全く関係ないところに実体的な感情を伴って情緒不安定になってしまうことを言う。
私も子供の頃に母親に言われたあることがきっかけでそれを20年以上たっているにも関わらず、感情を伴ってフラッシュバックいることを客観的にカウンセラーの方に言われて初めて反すうという症状があるからなんだと気がつきました!それからは、思い出して感情が不安定になった時には反すうしているからだ!と少し客観的に見ることで症状が改善したようにも感じます。
発達障害に伴う考え方のクセ
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)等、発達障害の特性を持つ方は、コミュニケーションの不得手、不注意ミス等で、家庭、学校、職場で理解されず、叱責や否定的対応を受ける人も少なくありません。このような失敗経験の積み重ねから、自己肯定感や自己効力感(物事に対する自信)が低下し、ネガティブ思考に陥ります。
当院では認知行動療法を行っています。人間はあらゆる状況に遭遇した時、自然に考えが浮かびます。同じ状況でも考え方は人それぞれです。この考え方のクセを認知(自動思考)と呼びます。対人場面や仕事場面で「どうせ自分なんて受け入れてもらえないだろう」、「またミスしてしまうかも…」等といった、自分のネガティブな考え方のクセを見直して、物事の捉え方の幅を広げることで、不安や憂うつ等の気分を変えていくことが認知行動療法の一つの目的となります。
反芻思考度テスト
Q1.
「考えるのをやめたい」と思っても、その問題に意識を集中してしまうことが多い
Q2.
自分が発言したことを何度も頭の中で振り返っている
Q3.
自分に関するネガティブな思考を止められなくなることがある
Q4.
やってしまったことを振り返って、考え込むことがよくある
Q5.
仕事での議論や家族との口論が終わり、しばらく経った後、その内容について思い返すことがよくある
Q6.
過去の特定の状況における自分の振る舞いを、頭の中で再生することがある
Q7.
恥をかいた出来事を何度も頭の中で思い返してしまう
YESが0〜1個:ほとんど反芻思考をしないタイプ
YESが2〜3個:反芻思考レベルは軽度〜普通
YESが4〜5個:反芻思考レベルが普通よりもやや上
自分でもできる反芻思考の改善方法ー深刻な場合と軽度の場合
反芻思考による抑うつ状態が深刻な場合
メンタルクリニックで認知行動療法などの治療を受ける。
思考の癖を見つけ出し、物事をネガティブに捉える
傾向から脱する練習をします。
反芻思考がそれほど深刻ではない場合
マインドフルネスの実践が有効。
マインドフルネス...今ここにいる自分の状態を見つめること。
自分の反芻思考に気付き、対処に考えすぎる癖や心配事から距離を
置くトレーニングを行うことで、反芻思考の頻度を減らすことができる。
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