古事記の取扱説明書 〜知っておくと100倍楽しめる〜
どうも、いろは です。
日本最古の書物と言わている古事記。
この古事記には、宇宙の誕生 から 推古天皇までのストーリが神話と一緒に書かれています。
古事記には、本当に多くの神々が登場してきます。
神秘的な力を持った神、心優しい神 が登場するのはもちろんですが、 「マジか!!?」とツイ声が出てしまうほど、とんでもない神がいたり、バラエティー豊かです。
そんな神々が繰り広げるストーリは、歴史あり、笑いありで意外にも面白です。
中には「ヤマタノオロチ」や「因幡の白ウサギ」など、有名な物語も書かれています。
そんな古事記ですが、知っていると より楽しめる古事記の豆知識や小ネタをご紹介します。
古事記の豆知識と小ネタ
古事記を読むときに知っておくとより楽しめる、豆知識や小ネタをご紹介します。
古事記は、いつ?誰が?作ったの?
古事記は天武天皇が中心となって、稗田阿礼と太安万侶がタッグを組んで作り、712年に完成しました。
稗田阿礼が日本中の神話や歴史を全部覚えて、それを太安万侶が書きまとめて作ったようです。
稗田阿礼と太安万侶のスペックを簡単にまとめると こんな感じ。
稗田阿礼:一度 見たり、聞いたものは絶対に忘れない超人的な記憶力の持ち主
太安万侶:当時、平仮名や片仮名がなかった時代に古事記を書きまとめた、超集約力の持ち主
ちなみに、太安万侶が「安」は、「アン」と読むときもあれば、「ア」と読むときもあると、ルールを作ったようです。
これが漢字の音読み・訓読みの「元」となったとも言われています。
古事記の目的 −なんで古事記作ったの?−
古事記が作られる前は、各地で様々な神話や歴史がありました。
しかし、地域毎に伝わっている神話や歴史がバラバラで統一されていませんでした。
これは、今後、混乱を招くだろと予想した天武天皇が、神話と歴史を統一するため古事記を作ったとされています。
他の目的としては、
当時は天皇の座を狙っている豪族たちも多くいて、天皇の権威を広く知らしめるツールとして、古事記が作られたとも言われています。
古事記では、日本の最高神である天照大御神の子孫が天皇となります。
そのため、天皇に刃を向けることは、神に刃を向けることと同じことになるので、武力で天皇の座を奪うことを出来なくする目的もあったようです。
よく似た日本書紀 −古事記との違いとは?−
古事記とは別で日本書紀と言う書物が作られました。
この日本書紀には、古事記と同じような神話や歴史が書かれています。
しかも、日本書紀が完成したのは720年で、
古事記が完成した712年と完成時期も近いです。
もちろん、日本書紀を作ることにしたのは、古事記と同じ天武天皇です。
これは、古事記は国内向け、日本書紀は国外向けで作ったとされています。
確かに古事記には、神話が多く和歌も書かれていたりと割とポップな感じで読みやすいです。
古事記と日本書紀を合わせて、記紀と言います。
巻数は古事記は全巻3巻に対し、
日本書紀は全巻30巻とボリュームが全然違う!
ちなみに、全巻30巻は黒子のバスケと同じですね。
神様多すぎ −全部は覚えやんでイイ−
日本には、八百万の神と言って、ありとあらゆる物に神が宿ると信じられています。
古事記にも、それが しっかりと引き継がれているようで、とにかく登場してくる神様の数が多い!
ポケモンの種類より多い気がするぐらい多い!
名前だけ登場する神様もいるので、全部の神様を覚えなくても大丈夫です。
テストにも出しません。
我々は稗田阿礼ではないので、
安心して忘れてください。
ストーリに欠かせない神様は自然と覚えます。
神様の名前 長すぎ−略して書きます−
天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇藝命。
宇摩志阿斯訶備比古遅神。
呪文?必殺技?それとも、早口言葉?
いいえ。名前です。
今後、古事記のストーリを紹介しますが、
名前は略して書きます。
手がツリます。略して書かせて下さい!
しかも、途中で名前が変わることもあります。
ちょっと変わるときもあれば、
全然違う名前になるときもあります。
登場する神様は多いは、名前は長いは、名前が変わるはでパニックになりそう!
でも大丈夫。
先ほども言いましたが、全部覚えなくてOKです。
気になる神様の名前だけ覚えておいて下さいな。
神様の単位は「柱」
たくさんの神様が登場しますので、神様を数えるための単位があります。
その単位が柱です。
一柱、二柱、三柱 と数えます。
なぜ、柱なのかは、いろんな説がありますが、その中の一つを紹介します。
古代の日本では、岩や木や山などの自然に神が宿ると信じていた自然崇拝をしてました。
この神が宿る神代の代表が「木」であったため、いつしか神の単位が「柱」となったようです。
神社には必ずと言っていいほど、木にしめ縄が巻かれてるのは、その木に神が宿る神代なのかもしれませんね。
神に単位があるのは、多神教ならではです。
古事記の世界は大きく3つ
古事記は、大きく3つの世界でストーリが進んで行きます。
高天原
葦原中国
黄泉の国
高天原は、要するに天界です。
神々しか住んでいない世界。
しかも、出身が高天原の神しか高天原には住めません。
葦原中国は、簡単に言うと地上です。
ここには、神もいるし人も住んでいる場所です。
黄泉の国は、死後の世界です。
とはいっても、地上の葦原中国と地続きになっているようで、黄泉比良坂という坂を下ると黄泉の国に行けます。
まさか歩いて黄泉の国に行けるとは!
2種類の神 と 4つの魂
古事記の神様には、大きく2種類の神がいます。
それが天津神と国津神です。
この違いをザックリ説明すると、
天津神は、高天原 出身の神のことで、
国津神は、葦原中国 出身の神のことです。
人間にとっては、どちらも偉大な存在ですが、
天津神の方が地位が高い感じです。
また、神様には荒魂、和魂、幸魂、奇魂の4種類の魂を持っています。
荒魂:荒々しく勇猛な魂
和魂:平和や調和を望む魂
幸魂:思いやりや気持ちを大切にする魂
奇魂:知性で構成された魂
この4種の魂。
別々に存在することが出来ます。
何、言ってるか分かんないですよね。
説明します。
例えば、古事記にこんな描写があります。
大国大神が困っているとき、大国大神の荒魂が話しかけてきました。
えっ!ちょっと待って!
ってなるでしょ?
自分に自分の魂が話しかけて、その魂自体が単体で動くというか行動するみたいな感じです。
さすが神話!ってことで理解して下さい。
八八八そして八
古事記には八が付く言葉が多いです。
八尺瓊勾玉、八百万の神、八尋殿、八咫鏡 etc.
八には末広がりの意味があり、その意味が転じて、
大きい とか たくさん と言う意味も持ちます。
なので、八百万の神は、数の800万を意味している訳ではなく、たくさんの神様と言う意味です。
古事記は面白い!
簡単ですが、古事記を読む上で知っておくと分かりやすくなる豆知識や小ネタを紹介しました。
次回からは、実際に古事記に書かれているストーリのあらすじを紹介します。
あらすじ だけじゃなく、古事記がもっと楽しくなるいろんな説や解釈も紹介しますので、楽しみにしててね。
それでは、また。