TED×NagoyaU 登壇までの物語【番外編】愛あるつながりの共創者 加来幸樹さんのストーリー
2022年7月3日、愛知大学にて開催されたTED×NagoyaUのラストステージに立った安藤美玖さん。彼女のプレゼンに、会場・オンラインで視聴していた多くの人の目からは、感動の涙が溢れていました。あれほどまでに、想いが真っ直ぐ届けられたのは何故なのでしょうか。
後日、美玖さんにインタビューをした際、”2人の共創者”の存在が明かされました。彼女のプレゼンを影で支えた1人であり、その内容に大きな影響を与えた”自分理念”の共創者でもある加来幸樹さんに、当日までの舞台裏についてお話しを伺いました。
登壇の裏側、共創のはじまり。
ー美玖さんから『TEDxNagoyaUに出る』と連絡が来た時、加来さんはどんなお気持ちでしたか?
単純に『すごい』と思いましたね。僕は広告業界で仕事をしていた15年ほど前から、節目節目にTEDのプレゼンを観ていたんですよね。僕自身、いつかは出れたら…と思っていたので、その舞台に立つ彼女がすごいなというか、“流石だな“という気持ちでした。
ー加来さん自身、TEDに対して憧れの気持ちをお持ちだったんですね。美玖さんから自分理念について相談があったのは、いつ頃だったんですか?
オーディションに受かった直後だったと思います。美玖さんが“今回の挑戦をする意味を考えた時、一度創った自分理念を見直したいと思ったんだ“と聞いています。
愛あるつながりで 愛あるつながりをつくる
ーこの美玖さんの自分理念を共創する際、なにか印象に残っていることはありますか?
話のいろんな場面で『愛』という言葉や『つながり』という言葉が多く聞かれた印象でした。だからこそ、この自分理念に続いていった記憶があります。考える間は、僕がほとんど質問してないんじゃないかと思うくらい、美玖さんからどんどん思いが溢れてきて、いろんな言葉で伝えてくれましたね。出来てからもすぐ、美玖さんから『改めて見返すと、この自分理念に回帰する場面が多かった!』という連絡や、それに関連する画像がシェアされたりして。その様子からも”この理念は間違ってなかったんだな”と強く感じましたね。
共に歩むからこそ、感じた緊張感。
ー実際、加来さんも会場に足を運ばれたと伺いました。感想をお伺いしても良いでしょうか?
まるで自分が発表するかのように緊張しましたね、僕も。人って、良くも悪くも、そこにあまりパワーをかけていない時には緊張しないものだと思うんですよね。今回、自分理念の共創もそうですが、プレゼンの内容について何度も相談を受けたり、アドバイスをする機会もありました。美玖さんが悩む姿を見たり、その過程を共にしていたからこそ、きっと”このプレゼンを一緒に準備してきた”という感覚からくる緊張感だったと思います。
最後のアドリブは、僕も当日までは知らなかったけれど、美玖さんの伝えたい想いが届いていく様子を、会場の雰囲気から肌で感じられたので、現地で見届けられて本当に良かったなと思います。
ー理念の共創からプレゼン準備まで一緒に考えてこられたからこそ、自分事のように緊張されていたんですね。あのプレゼンには、美玖さんだけでなく、いろんな方の想いも込められていたんですね。
愛あるつながりとは。
ーこれは個人的にお聞きしたいことなんですが…今回の1つのキーワードでもあった『愛』について、加来さん自身はどう捉えていますか?
そうですね…。僕自身の『愛』というものの意味として、そこには【愛=無償の愛】という言葉が隠れているように感じています。そして、良い意味で相手に対して“自分の主観として捉えられるくらい同質化しているような状態のこと“を“愛がある状態”だと思っています。
無償の愛が“見返りを求めるでもなく、尽くそうとか、自分の持っているものを分け与えようというもの“だとすると、それを向ける対象って”血のつながっている家族”だったりする。物理的に、自分とつながっていると感じられる近しい存在。ただ、それって多分、自分というアイデンティティのなかに含まれているからこそ、みんな無償の愛を向けられるものなんじゃないかなと思っていて。家族を愛することって、自分のアイデンティティの拡張というか、最終的に自らを愛することにつながっているんですよね。
でも、たとえ血のつながりがなくても“家族“だと思えるくらい親しい存在とか、自分と近い感覚を重ねる人に対しても、見返りとか利害関係を越えた協力関係というか、むしろ協力関係という言葉すら固すぎるくらいのつながりもある。そう考えると、必ずしも恋愛対象とか、家族に向けるものだけでなく、共感値が高いとか、理念のつながりがすごく深いとか、そういう関係のなかに生まれうる感じなのかもしれないですよね。
そういう意味では、僕が今回美玖さんのプレゼンを“自分のことのように緊張していた”というのは、無償の愛あるつながりを感じていたからだなと思うんです。近しい価値観だけではなく、TEDのあの瞬間を一緒に創り上げてきたからこそ生まれたもののように感じますね。
ー加来さんと美玖さん。まさに、これまで一緒に仕事をされたり想いの共創をするなかで、今回のプレゼンで伝えたかった“愛あるつながり“が築かれていたんですね。
挑戦の裏側を加来さんから、美玖さんへ。
ー最後に、登壇当日までの過程を改めて振りかえった今、発表を終えた美玖さんに伝えたいメッセージはありますか?
そうですね。『おめでとうございます』と『いってらっしゃい』という言葉を伝えたいですね。僕は、今回のプレゼンは、美玖さんにとって”集大成”というより、”再出発”というか”再生”という感覚がすごくあって。自立というキーワードがあったように、立てていなかったものが、やっと2本の足で立てるようになったというか。この挑戦が、準備の過程から発表という時間も含めて、”人生のスタートライン”に例えられるような時間だったのではないかなと思っています。
だから、『そういう日を迎えられて、おめでとう。』と言う気持ちがひとつ。誕生日というより『生まれておめでとう!』という感じ。それと、『愛あるつながりで 愛あるつながりをつくる』という自分理念を胸に、自分の足でついに歩き始めるんだなって思うので、そこに対して『いってらっしゃい』って伝えたいですね。
ーインタビューを終えて…
おふたりの出逢いがなければ、今日伺ったストーリーも生まれなかったと思うと、美玖さん、加来さんの”愛あるつながり”に対しても感謝の気持ちでいっぱいになりました。TEDxNagoyaUに登壇される前日、美玖さんが『自分の自分理念に”愛”を入れられた時に、やっと自分に戻れた感覚がした。』という話をされていたことが印象的で。それくらい、加来さんが紡いでくださる言葉には、自分の人生がそのまま写し出されます。そしてそれは、“自分が自分の人生を生き続けられる羅針盤“になるということを、美玖さんへのインタビューや私の実体験からも感じています。これを読んでいるあなたが何か悩んだり、進む方向に迷った時はぜひ、加来さんとつながってみて欲しいと思いました。
一人一人にその人にしか語れない人生がある。いろんな人の人生や想いを遺すことで、誰かの人生が誰かの勇気や励みになる。その活動に活かさせていただきます🕊