それって本当にあなたの気持ちですか?
傾聴でお話しを聴きながら、これは本当にこの方の気持ちかな?と疑問が浮かぶことがあります。
今話している思いは、本当にあなたの気持ちですか?
自分が小さな頃から一緒にいた周りの方の気持ち、又は周りのために創り上げた気持ちではないでしょうか。
出来上がった「べき・ねば思考」
小さい頃から親兄弟姉妹、親戚などに言われ続けていることや、周りの常識などを自分の気持ちと思いこんでいる方がいらっしゃいます。
「こうするべき」
「普通はこうだよね」
「こうしなければいけないと思っているんだけど」
などお話しを聴いていて、「あぁこの方はこうするべきだと思っているんだなぁ…」と聴き手の私の気持ちも揺れます。
「べき・ねば思考」
がある方、とても多いような気がするんですね。
自分では気づきにくいのです
傾聴でお話しを聴いていく時は、そう考えざるを得ない目の前の方に寄りそっていくので、気持ちをそのままくり返したりするのですが、私の中でこの「べき・ねば」が引っかかります。
そんな時には「この方がこうあるべきと考えざるを得なくなってしまったのはどういう思いがあったからか」
という「気持ちが明確になるであろう」と私が思う質問を投げかけたりします。
(傾聴の質問の技法は傾聴1日講座(実用)でお伝えしています)
自分ではなかなかこの「べき・ねば思考」に気づきにくいのだと思います。
自分の中ではそれがあたりまえのことになっていますので。
インタビュアーに手伝ってもらいましょう
そんな時にはインタビュアーがいると、自分の心の中を見やすくなるんですよね。
この記事を読んで、これは本当に私の気持ちだろうか?
小さい頃から親に言われていたことなんじゃないかな?
小さい頃に周りのために創り上げた気持ちなんじゃないかな?
などともし気づいた方がいらっしゃるなら、ぜひ、自分の心の声をしっかりと聴いてあげてください。
気づいた今があなたがあなたを生き出すチャンスです。
セルフ傾聴が、もし難しいと感じられた方はインタビュアーになりますので、ぜひご連絡をくださいね。
母に笑っていて欲しい私
私の例で言うと、子どもの頃から根底にある思いは「母に笑っていて欲しい」というものがありました。
父親は既に14年前に他界しましたので、あまり悪く言いたくはないのですが、父は突然仕事を辞めてくるので、母はいつも悲しんでいた印象がありました。
ケンカもよくしていましたし、母が実家に帰るための小さなスーツケースが寝室に出してあったことを今でも思い出します。
大きくなってからは離婚すればいいのにとずっと思っていました。
父が散々母を苦しめているから、私は出来るだけ笑っていよう。
母を苦しめる父親は嫌い。
父は働いていた時は車で通勤していたのですが、昔の古い車です。寒い朝など、車のエンジンがかからず空回りのような音が、まだベッドの中でウトウトしている私の耳にも聞こえてきます。
父は車のエンジンがかからないと仕事に行きません。
電車でも行けるのに。
そうすると母とのケンカがはじまるのです…
今日も車のエンジンがちゃんとかかりますように…と幼少期ベッドの中で、父が何事もなく出勤することをいつも祈っていました。
幼少期からの「こうあらねばならない」
私の中には、父と母がケンカせず仲良くしてくれますように!という思いがいつもありました。
父のご機嫌が良いと、母とのケンカにもならないのを知っていたので、父のご機嫌が良いことを願っていました。
これが、私と夫との関係に明らかに出てきているんですよね。
私は小さい頃から誰かのご機嫌を最優先にしていたということです。
母が笑ってくれるように。
父が怒らないように。
夫が怒らないように。
相手が変わっただけで、周りを優先することはいつもやって来たということです。
私の中で小さい頃から創り上げていった気持ちは
「周りが笑ってくれるように振る舞わなければいけない」
「周りが怒らないように振る舞わなければいけない」
「周りにもめ事が起こるのは、私が周りのバランスを取る力が足りないからだ」
こういったものがあったんですね。
これは、私が本当にしたかったことかどうか…
この幼少期からの環境の中で、自分で創り上げた「こうあらねば」が、大人になった自分にもしっかりと根付いているんですよね。
まとめ
それは、あなたの本当の気持ちですか?
小さい頃からの周りに言われていたこと、周りの環境などから、自分で創り上げた「べき・ねば思考」を頑なに守っていませんか?
もしあなたがこの文章にモヤモヤしたのなら、それがセルフ傾聴のチャンスかも知れません。