ポールスミスがマグロ推し!?実はモテアイテムかもと思ったワケ
もしかしたらすでにTwitterなどで見かけているかもしれない。有名ファッションブランドのポールスミスが発表した最新コレクションを目にして、思わずナンジャコリャと周りの人に吹聴してしまった。
どんなアイテムかと言うと…
これだ。
怒涛のマグロ推しである。
まあ時折デフォルメされた魚のモチーフを使って、夏に合うようなかわいいTシャツなんかは見かけるよ。でもこれはどうなの?
「 TUNA マグロ まぐろ」
「ポールスミス 5oz 内容量」
ツナ缶かな?
マグロは日本でとても人気のある魚だ。他の魚と違って赤身、中トロ、大トロ、ネギトロと同じ魚から何種類も寿司のネタがつくられる。好きな寿司ネタを子どもに聞くと間をあけず「まぐろ!」という答えがかえってくる。無論、僕も好きだが、いくらマグロが好きな僕でもこれはどうなん…と思ってしまう。
しかしちょっと待てよ。なんだか一笑してしまうのもおかしい気がしてきた。確かにしまむらが最新アイテムとして同じような“マグロコーデ”を提案してきたら、そりゃないよとなる。
しかしポールスミスという世界的に認められているファッションブランドが提案してきた、となると話はちがう。少し違和感はあっても、そのよさがわからないほうがおかしいのではないかと自分のセンスを疑ってしまうのだ。あれだけ認知度の高いブランドなのだから「ちょっと今回は失敗しちゃった、てへ」とか「ふざけてウケを狙いました」なんて高校の文化祭のノリは許されない。つまり“あえてやっている”のだ。
だとしたら一流の人が良しとするものをわからない、こちらの目が洗練されていないということになる。「この良さわからないの?え、ダサ」とポールスミスに言われているようなものだ。
よし、わかった。このマグロコーデを肯定的に受け止めよう。
海外の事情は知らないが、日本では男女ともに“ちょうどいいかっこよさ”“ちょうどいい美しさ”求められているように思う。男性に対する意見としてたまに耳にするのは「あまりに彼氏がかっこよすぎると不安だし、なんかとっつきづらい」という。
なるほど。僕の実感としても似たようなことを思う。めっちゃくちゃかわいい人がいたとしてもなんだか話しかけづらい。いま思いついた、くだらない話題に興味を持ってくれるだろうか、僕と同じように排便しているのだろうかというか同じ人間なの?なんて思ってしまう。眺めている分にはいいが隙のない人には好感を持ちづらい。
一方で“ほどよくかわいい”人(こんな言い方は失礼だが)であればその辺の心配はいらない。きっと自分の考えたくだらないことに笑ってくれるし、排便もしている。同じ人間だ。だから親しみを持って接することができるのだ。
なんでこんな話をしているのかというと、ファッションに関しても同様のことを感じるからだ。ハイブランドの直線的でモノトーンな洋服をまとった女性が、駅でハンカチを落としているのを見かけたとしても話しかけづらい。あまりにきれいに整っている服装の人へ自分は触れしまってはいけないのではと思う。
その点、ポールスミスのマグロアイテムはうまく隙をつくるのに役立つだろう。
女子A「今日、なんか雰囲気ちがうね」
僕「そんなことないよ」
女子A「あれ、これマグロって書いてあるじゃん。ウケる!」
僕「マグロおいしいよね」
女子A「しかもポールスミスなの!?カッコいい!!!」
僕「はは、そんなことないよ」
というわけで、ツッコミ待ちで会話に花が咲く。ぜひみなさんご購入ください。