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Japan Wagamama Awards2025 グランプリ決定!北海道と栃木県の中学2年生がMIT AI Education Summitへの挑戦権を獲得

日本全国の10代が「たったひとりのワガママ」を叶えるアプリをつくって、世界へ挑戦!

2025年2月23日に開催された「Japan Wagamama Awards 2025」において、最終選考に残った8チーム(総勢13名)による最終プレゼンテーションが行われ、グランプリ並びに各部門賞が決定しました。

Japan Wagamama Awards 2025 概要

たったひとりのワガママが、社会を動かす」をコンセプトに、10代の若者たちが身近なひとの課題を解決するためにアプリを開発するコンテストです。

本アワードでは、「たったひとりのワガママ」を起点に、背景に潜む社会課題を深く掘り下げ、自らアプリ開発をして解決に挑戦するプロセスを重視しています。最終選考に残った若者たちは、現場でのリサーチや当事者との対話を重ね、具体的な課題解決に挑戦しました。

▼これまでの活動の様子はこちら
https://wagamamalab.jp/archive/reports/

グランプリ受賞者は、ボストンで挑戦!

グランプリ受賞者は、2025年7月にマサチューセッツ州ケンブリッジで開催されるマサチューセッツ工科大学(MIT)主催の「MIT AI Education Summit」に招待され、英語でのプレゼンテーションを行う権利を得ます。このサミットでは、世界中から学生や研究者が集まって交流ができる、刺激的で学びの多い機会になります。

グランプリは2組、部門賞は3組が選出されました。

結果発表

🏆 グランプリ

「たったひとりのワガママが、社会を動かす」本アワードのコンセプトを最も体現したチームに贈られる賞

栃木県真岡市 中学2年生 佐野 帆那さん
アプリ名:ちょクック 〜ちょっとの時間でcookするアプリ〜

▼アプリの概要
料理が好きだけれど忙しいお母さんのために、毎日の献立を考える負担を減らし、食品ロスを削減するアプリです。レシートの写真を撮るだけで、そこに記載された食材をもとにAIがレシピを提案。余った食材を無駄なく活用し、買い物の無駄も減らします。CloudRunで画像からテキストを抽出し、ChatBotがレシピを生成。お母さんの食事準備の負担が減ることで家族の時間が増え、外に出る機会が増えることで地域も活性化する。そんな未来も目指したアプリです。

審査員コメント
佐野さんのプロジェクトは、身近な家族の課題に真摯に向き合い、本当に必要な解決策を見出すプロセスを高いレベルで実現していた点 が印象的でした。日々お母さんの様子を観察し、どうすれば家事の負担を減らし、笑顔にできるかを深く考え抜いたことが、アプリの構想につながっています。また、AIとOCRの技術を活用し、レシートを読み込んでレシピを提案する機能を独自に考案し、ほぼ自力で実装したことも大きな評価ポイントでした。高度な技術を扱いながらも、使いやすさを重視した設計にこだわり、実現可能な形に仕上げたその努力と創意工夫は、メンターからも高く支持されました。身近な課題を丁寧に観察し、それを自らの手で解決へと導く姿勢が際立ち、技術力と実行力の両面において高く評価され、今回の受賞に至りました。

🏆 グランプリ

北海道東神楽町 中学2年生 福永 紗良さん
アプリ名:HapiFure

▼アプリの概要
不登校の中学生が安心して友達をつくれるオンラインコミュニティアプリです。自分自身が不登校であり、学校に行けない孤独感を解消するために開発しました。同じ境遇の仲間とつながることで、孤立感を和らげ、支え合える環境を作ることが目的です。アプリではプロフィール登録を行い、気の合う人を探して1対1のチャットが可能。不登校の子どもたちが、毎日楽しく人とつながれるコミュニティをつくることを目指しています。

審査員コメント
自身が現在も当事者であるからこそ生まれた、切実で本質的な課題解決のアプローチ でした。不登校の子どもたちが安心してつながれる場をつくるというアイデアは、単なる発想にとどまらず、実際に必要とされるものを、自らの手で形にしようとする姿勢が強く感じられました。また、MIT App Inventorの掲げる 「誰もが課題の解決者になれる世界をつくる」 というビジョンとも深く合致しており、これまで課題の当事者だった人が、解決する側へと転じる価値ある挑戦の場となっていました。さらに、課題設定の解像度の高さ、不登校の子どもたちのコミュニティに属しているからこそ持つ実装の可能性、アプリの細部へのこだわりと開発への熱意などが審査員の心を動かし、これらの点が総合的に評価され、今回の受賞に至りました。

🎖 部門賞受賞者

部門賞:コミュニティ・インパクト賞

人々の心を動かし、まちや地域にポジティブな影響を与える存在となる可能性のあるチームを讃える賞

島根県江津市 高校2年生 成瀬新之助さん・横田航希さん・志波碩也さん
アプリ名:a1armath

▼アプリの概要
このアプリ「a1armath」は、数学を楽しみながら朝を迎えられるアラームアプリです。数学が好きな人や、朝起きるのが苦手な人に向けて、数学が大好きな3人の開発者によって制作されました。アラームを止めるには数学の問題を解く必要があり、解答後には数学に関する豆知識も表示されます。島根県では理系人材が少なく、理数系の知識を持つ人が増えることで経済発展につながる可能性があります。数学をもっと身近にし、楽しみながら学べる環境をつくることで、理系人材の育成につながる第一歩となることを目指しています。

▼審査員コメント
「好奇心が未来を切り開く鍵であり、このアプリにはその可能性が詰まっている」 というコメントが寄せられました。また、「数学の楽しさを広めるだけでなく、難しい問題を出題できるプラットフォームや、数学と歴史・英語を組み合わせた新しい学びの場としても発展できる可能性を感じた」と、さらなる進化の可能性にも期待が集まりました。さらに、プレゼンテーションで3人が「好きなことをとことん追求し、それを地域や社会とつなげることができた」と語ったように、単なるアラームアプリではなく、数学好きが増え、地域にも理系人材を育てる流れを生み出すという、期待されるインパクトの大きさも受賞の決め手となりました。

部門賞:ネクスト・ビジョナリー賞

未来を見据え、独自の視点と行動力で新たな道を切り拓く次世代のリーダーに贈られる賞

北海道東神楽町 高校1年生 森山楓葉さん・中学1年生 森山琥珀さん
アプリ名:繋がるペット つなペット・つなペット管理

▼アプリの概要
ペットのお世話を通じて高齢者の安否確認を行うアプリです。お母さんが民生委員として地域の見守り活動をする中で、「助けを必要としている人に気づけないことがある」と感じたことがきっかけで生まれました。ペットにエサをあげると管理アプリに記録され、反応がない場合は異変を察知できる仕組みを導入。民生委員の負担を減らしつつ、高齢者自身が自然な形で見守られる環境をつくります。認知症予防にもつながり、「誰も取り残されない安心できる地域づくり」を実現するためのアプリです。

▼審査員コメント
「ビジョナリー」という言葉が大きな夢や壮大なアイデアを指すものだと思われがちだが、このプロジェクトは身近な日常の視点を変え、当たり前を裏返すことで生まれた点が素晴らしいと評価されました。緊急時に人が動くのは難しいからこそ、普段の生活の中で自然に動ける仕組みをつくる発想の転換が際立っていたといいます。また、「自分のためではなく、誰かのためなら頑張れる人がいる」という考えに基づき、ペットのお世話を通じて地域の人が支え合う仕組みが生まれる可能性にも注目。さらに、単にエサをあげるだけでなく、「少し歩くとより良いドッグフードがもらえる」など、小さな行動変容を促す要素を加えることで、高齢者の役割をさらに生み出せるのではないか、という期待も寄せられました。日常にある課題に目を向け、新しい視点で解決策を生み出した発想力と実行力が高く評価され、今回の受賞に至りました。

部門賞:フューチャーSTEAM賞

STEAMの力を活かして、未来を創造する挑戦を称える賞

茨城県鉾田市 高校3年生 近藤双葉さん
アプリ名:ecoroke

アプリの概要
悩みを抱える生徒が、匿名で信頼できる先生とつながれる相談アプリです。自分自身が深い悩みを抱えたとき、先生に相談したいのに話せなかった経験から生まれました。学校では「先生に相談するのが不安」と感じる生徒が多くいます。そこで、匿名で相談できる機能や、生徒のレビューを参考に先生を選べる仕組みを導入。「ここなら言えるかも」と思える場を提供します。また、生徒の相談の増加が学校の課題発見につながり、教育環境の改善にも貢献します。社会全体で「話せる場」を増やし、孤立する子どもを減らすことを目指しています。

▼当日の審査員コメント
使いたくなる美しいインターフェース。さらに直感的に使いやすく、丁寧に設計されていることが印象的。また、「ecoroke」という名前の由来も「クジラが超音波を使って安全な環境を探すように、このアプリも生徒が自分に合った先生を探せる仕組みになっている」とし、そのコンセプトの独創性を評価しました。さらに、技術面でもFirebaseやデータベースを活用し、相談しやすい環境を実現している点が高く評価されました。さらに「先生側のモチベーションをさらに引き出す仕組みを加えることで、より発展性のあるアプリになる可能性がある」未来の教育を支える可能性を秘めたアプリだとの期待も寄せられました。

審査員について

産官学それぞれの分野で活躍されている多様な視点をお持ちの5名と、ワガママLab Executive Directorの永井が審査員を勤めました。10代の若者たちが地元から世界への挑戦を後押しする、メッセージをいただきました。

  • Dr. Natalie Lao
    App Inventor Foundation Executive Director

  • 山田 崇 氏
    信州大学 特任教授(キャリア教育・サポートセンター)
    「日本一おかしな公務員」著者/元塩尻市役所職員

  • 脇 雅昭 氏
    よんなな会発起人

  • 金子嘉宏 氏
    東京学芸大学 教授 教育インキュベーションセンター長
    一般社団法人STEAM Japan理事

  • 石原 正雄氏
    マサチューセッツ工科大学認定
    教育モバイルコンピューティング エキスパートトレーナー

  • 永井 彩華
    株式会社IRODORI 取締役
    ワガママLab Executive Director

Japan Wagamama Awards2026に向けて

Japan Wagamama Awardsでは、10代の若野たちが大切な人や自らの「ワガママ」を叶えるアプリを開発する挑戦を通じて、自分の可能性に気がつく機会になりました。

特にグランプリ受賞者は、MIT AI Education Summitで世界とつながり挑戦するチャンスを掴みました。その姿は、周囲に大きな刺激を与えることでしょう。受賞者とメンターとともに、7月に向けて新たな動きも行なっていきます。

私たちはこれからも多くの若者たちの挑戦を後押しし、社会を動かす第一歩となることを目指してJapan Wagamama Awards2026に向けても取り組んでいきます。

Japan Wagamama Awards2025公式ホームページはこちら
https://awards.wagamamalab.jp

売上が10代のボストン渡航費になるECサイト「ワガママ商店」はこちら
https://wagamamalab.official.ec/