デザフェスvol.57のディスプレイ•什器の記録
こんにちは。はじめましての方もそうでない方もご覧いただきありがとうございます。
irodori -forest-という屋号でハンドメイド作家をしているmarinaと申します。
空き時間で少しずつ書き溜めていたデザフェスのディスプレイの記事。
イベント終了から3か月ほどたちましてようやく公開となりました。
(待っていてくださった方ありがとうございます!)
あくまでも「irodori -forest-流」のやり方ではありますが、これから初めてイベントに出展する方や、出展は何回かしているけどディスプレイで悩んでいるという方のヒントになればと細かめに書き残していきます。
書きたいことを全部盛り込んだので、7,500文字近くあります。
目次で段階ごとにまとめているので、読みたい部分だけ掻い摘んでいただければと思います。
お時間のある時にお付き合いいただけると幸いです。
【1】はじめに
1.リニューアルのきっかけ・目的
irodori -forest-は「ちいさな森のちいさなお店」というコンセプトのもと、刺繍、粘土、洋裁の技法を用いて、森に住む動物や植物たちの物語をナチュラルなアクセサリーやバッグ、お洋服で綴るハンドメイドのブランドです。
実店舗は持たず、イベント出展とオンラインショップを主軸に、ハンドメイドの雑貨店や催事などを販路としています。
2020年に新型コロナウイルスの流行により、3月には初めての緊急事態宣言が出され、5月ごろまでに出展予定だったイベントは軒並み中止。
県外への遠征の再開タイミングをずっと検討しており、2022年からイベント出展を再開することに。
デザフェスの出展は4年ぶり。
この間、ブランドリニューアルや価格改定など色々試行錯誤しており、今までできていなかったことを思いっきりやりたい!とディスプレイを一新することにしました。
2.規約やルールの確認
irodori -forest-の年間イベントスケジュールは下記の通りです。
個人的なスケジュールや抽選結果により毎年異なりますが、主要3都市の5つの大型イベントに出展しています。
主催や会場がそれぞれ違うため、決まり事が異なります。
イベントごとに毎回違うディスプレイにしてもいのですが、ブースを見ただけでirodori -forest-と分かってもらえるようにベースは変えず、全てのイベントに対応できる「自由度」も持ち合わせたブースにすることを目指しました。
それぞれのブースサイズは下記の通り(画像は各サイトから引用)
普段利用しているブースのみ記載していますが、物販でないワークショップやライブペイント等の形式ごとに異なりますので、詳細は各公式サイトでご確認ください。
【デザインフェスタ】
5月はSブース1つで参加。次回はSブース2つで参加予定です。
Mブースも今後は検討する可能性も。
【ハンドメイドジャパンフェス】
【クリエーターズマーケット】
デザフェス・HMJより間口と奥行きが少しだけ広いです。
【minneのハンドメイドマーケット】
クリマと同サイズですが、高さ制限がより高いです。
【ロハスフェスタ】
ロハスフェスタは屋外のイベントのため、テントを持ち込むか、レンタルになるので、高さについてはテントに準じる形になります。
はみ出し許容エリアが45cmあるのも特徴。
看板などをはみ出させることが可能です。
このように、イベントごとに間口・奥行・高さ制限が異なっていたり、防炎の布や防炎の板、布を垂らす長さなど、さまざまな制約があります。
同じイベントでも開催回ごとに変わることもあるので、出展者マニュアルは必ずチェックしましょう。
3.過去のディスプレイを振り返る
残っている過去のブース写真の一部がこちら。
白とブラウンを基調とし、作風に合わせたナチュラルな雰囲気でブース作りをしていました。
テーブルはアウトドア用の折りたたみテーブルやキーボードスタンドに天板を乗せたもの、すのこラックなどを使っています。
板壁DIYも恒例になっていましたが、一時期パーテーションを使用したことも。
卓上什器も木材が多め。雛壇は木材を切ってニスを塗っただけ、壁掛け什器はセリアのすのこを分解して組み立て直して制作していました。
お洋服やバッグ、カチュームなどの大きなものが増えるにつれ、ハンガーラックやトルソーなどの大きな什器が増えてきました。
4.やりたいことをイメージ・調べる
過去のブースの様子を振り返ってみて、改めてどうしたいかを考えていきます。
世界観などの見た目はもちろんですが、1人でも規定時間内に搬入出ができること、宅配搬入の際の送料や保管料のコストをより低くすること、コンパクトにすることで、車で搬入の際往復する回数を減らしたり、トランクに荷物が積み上がりすぎでバックミラーが見えず危険といった安全面も忘れずに目標を立てました。
やりたいことや目標を立てたら、近いイメージを探します。
好きな作家さんのディスプレイや、出展イベントのタグなどで画像検索をして、参考になりそうなものをメモしていきます。
私が一番使用したのはPinterestです。
イベント、マルシェ、ディスプレイ、アクセサリー什器、DIYなどをキーワードに探しました。
他のワードとしては、アンティークやボタニカル、ガーデンなど。
海外のマルシェのディスプレイやホテルや家の内装などもとても参考になりました。
こんな感じでイメージが固まりました。
【2】制作に入る前に
1.レイアウトを考える
ここからは5月のデザフェスに絞って考えていきます。
(実際はそれぞれのイベントのブースサイズを並行して考えています。)
※什器をレンタルされる方は在庫がなくなる可能性もあるので、早めに決めて確保をしたほうが安心です。
テーブルや椅子、棚、トルソーなど。
ざっくりと置きたいものの大きさと配置を決めます。
私はPhoto shopで10分の1サイズの寸法にして実際に並べています。
2.イラストにする
考えたレイアウトをもとに、イラストにしてイメージをより膨らませます。
平面図とは違った見方ができるので、ここでまた修正を加えます。
絵は描けないよ、という方はお部屋のレイアウトをするアプリなどを使うと3Dでイメージすることができるのでそういったものを使うとよいかと思います。
3.設計図をかく
実際の什器製作に入る前に自分で分かる程度ですが設計図を書いていきます。
今回は防炎の板とイレクターパイプがメインの素材になるので、仕入れる前に寸法と予算をある程度考えておきます。
【3】什器制作
1.材料調達・材料について
これまで集めてきた什器で使えるものを取り入れながら、今回必要なものを調達していきます。
デザフェスは卓上什器でない床と接する什器を自分で制作する場合、防炎対策のされている木材や布が必要になるため、防炎の木材の購入が必要です。
他のイベントでは対策不要な場合もありますが、していたほうがより安全ですし、思い切って多めに購入しました。
今回新しく購入したものはこちら。
ホームセンター・100円ショップ、通販でそれぞれ入手しました。
2.下準備(カット・ペンキ・ニス)
【カット】
防炎合板は自分でカットするのが難しいと判断し、購入先の業者さんに出来上がり寸法より大きめにカットしていただき、他は自分でカットしました。
今回は、大型ホームセンターで購入した木材と防炎の板を持ち込んで、そのままスペースと工具をレンタル、丸ノコで大まかにカット。サンダーでやすりがけをしました。
細かい部分は家でノコギリやカンナ、やすりで微調整をしました。
板壁用の木材はカットしないで済むサイズで対応しています。
【ペンキ・ニス塗り】
板壁とレジ台はメインカラーのグリーンに。
組み立ててから塗ると隙間に余分なペンキが固まって綺麗に見えないため、くぎを打って形にする前1枚ずつローラーでペンキを塗っていきます。
乾かしながら2~3回塗り重ねています。
一部の板壁は2022年のイベント出展の時に制作済みでしたが、サイズが変わるため、分解したり、釘などで穴が開いていたところをパテで埋め、やすりがけをしてから再度塗りなおしました。
木材によって色の出方が違うのですが、ニスはすべて同じものを使用。
布にしみこませてさっと塗る感覚でこちらも2回ほど塗り重ねました。
3.什器の組み立て
板壁パーツは場所を決めたらバンドで仮どめをし、釘を打って組み立て、3枚の板壁を作りました。
イレクターパイプはジョイントパーツと合わせて好きな形に組み立てていきます。
本来なら専用の液剤を入れ込み、溶かすような形で接着するのですが、それだと分解することができません。
そのため、ジョイントパーツを差し込むパイプ部分にマステを1周半ほど巻きつけ、回しながら入れ込んでいきます。(同系色のグリーンの無地を使用)
着脱に力やコツがいりますが、2日間の展示なら問題なさそうでした。
イベントごとに巻き直しが必要で、巻き方が甘いと什器が崩れる危険もあります。
ボルトとナットで締めるメタルジョイントの使用を推奨します。
※ 重い作品の展示、長期間の展示ではお勧めできません
レジ台に取り付けるロゴ看板は、水にぬらして転写できるシートにロゴを印刷して簡易的に作っています。
4.他の什器と組み合わせたシミュレーション・調整
1人で設営するのに時間がかかるので、練習もかねて時間をはかったり、本当に作品が乗るのか、足りない什器はないかなどをシミュレーションします。
やはり、最初は苦戦…考えながらやってかなりの時間超過だったので、組みあがりを写真に収めてその通りにできるよう準備をしたり、会場入りの予定時間を早めるなどの対応をしました。
【4】搬入出・当日の動き
1.デザフェスでの宅配搬入出について
什器製作から少し話はずれますが、住んでいる愛知の自宅から会場までどう運ぶかも書き残しておきます。
デザフェスの場合、「愛知 - 東京間の送料」のほかに「保管料」がかかります。
この保管料がなかなかに高いので、なるべく費用を抑えることが重要です。
搬入出ともに「SGムービング・佐川急便」指定です。
マニュアルにあるリンクから専用の申込ページに行き、手配をします。
【搬入(往路)申し込み】
開催週の月曜日午前中(今回は5/15(月)11:50までに専用フォームから申し込み。
翌日(今回は5/16(火)の集荷できる指定時間まで)に集荷を済ませます。
集荷する住所録、氏名、出展名、ブース番号などの必要情報をフォームに入力し、集荷の申し込み完了。
支払いは前払いのみクレジットカード・コンビニ支払い
貼付表を印刷したものをそれぞれの荷物に張り付けておきます。
宛先の住所については、集荷担当の方が伝票を印刷したものを張り付けてくれます。
【搬出(復路)申し込み】
2日目の19:50までに搬入時と同じフォームから申し込みをします。
申し込み後QRコード付きの確認メールが送られてくるので、QRコードを受付で端末に読み込ませると伝票を印刷して貼り付けてくれます。
支払いは前払いがクレジットカードのみ。当日はクレジットカード、1万円以内ならQRコード決済が利用可能です。
売れて荷物が減ったり、差し入れや購入品で荷物が増えたりと荷物の増減があると思うので、往復同じ荷物とは限らない点は注意が必要。
帰りは慌てるので、荷物の量が確定したら、2日目の休憩時間や前日のホテルなどで落ち着いて手配するのがよいかと思います。
保管料については、下記マニュアルの5ページ目を参照。
(回を重ねるごとに値上げされているので、次回が同額かは不明)
https://designfesta.sakura.ne.jp/download/57_ExhibitorLetter_JP.pdf
irodori -forest-は、クリマ、ロハス万博は車搬入、関東のイベントは宅配搬入しているので、宅配の流れなど、イベントごとの手順に従って行います。
2.当日の設営・撤収の流れと所要時間
当日のディスプレイはこのような仕上がりになりました。
全日からの動きはこちら。
搬入は7:00過ぎに荷物を受け取ってから11:00ごろまでの3時間半(着替えなどの時間を除く)
搬出は18:00ごろから20:30頃までの2.5時間ほどかかりました。
今回は実際の会場設営が初めてだったこと、1人出展で手伝ってくれる人がいなかったこともあり、事前に練習したものの、開場時間には間に合わせられませんでした。
【5】今回の出展での反省点・費用について
1.反省点・感想
全体的に一人でバタバタと進めたので、どの工程にも時間がかかった印象ですが、回を重ねるうちに設営に慣れて時間が縮まると思います。
ブースサイズが異なるイベントの出展時や、持ち込む作品の種類や数によって、今後も細かな調整する必要がありそうです。
卓上什器や、板壁の装飾にも力を入れてもう少し作りこみたいなと思っています。
一番の反省点は、宅配搬入まで終わってホテルに戻ろうというタイミングで、イスを箱に入れ忘れたこと。
キャリーケースが大きかったので何とか入れ込み持ち帰りました。
2.かかった費用について
今回の什器関連の費用は以下のとおりです。
総額で約62,000円ほどかかりました(高い…!!)
また、グリーンのイレクターパイプとジョイントは黒や白よりお高めです。
費用を抑える、色にこだわりがなければグリーン以外を選ぶと費用が抑えられるかと思います。
3.レンタル備品メインにした場合の費用
今回のディスプレイを実現するために、借りられるものをレンタル備品にした場合はこのような感じになると思います。
実際だとハンガーラックは半分のサイズでないといけないのですが、代用が
できないのでうまく並んだ想定としています。
今回かかった材料費が約6万円、宅配搬入出が行きに12,000円、帰りに約9,600円かかっているので、ブース台以外の什器に関する費用総額はおよそ81,600円となります。
今回だけで言うとレンタルのほうが安い計算ですが、今回は初期投資。
今後はレンタル想定の38,000円は不要になり、宅配搬入出の代金と新しく用意する什器の費用のみとなるので、かなり費用が抑えられると考えます。
【6】最後に
irodori -forest-流ディスプレイ&レイアウトいかがでしたでしょうか?
私もまだまだ勉強することばかりで、今度はこうしようかな?と次に向けて動き出しています。
他にも素敵なディスプレイをされている作家さんはたくさんいらっしゃいます。
このnoteが少しでもお役に立てましたら幸いです。
ご質問や感想などありましたら、お気軽にSNS等でメッセージをいただければと思います。
かなりのボリュームだったにも関わらず、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!