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小学校高学年(9〜12歳)の運動指導で意識して取り組んでいること

前回は『小学校低学年(6〜9歳)の運動指導で意識して取り組んでいること』について書きました。

今回は『小学校高学年(9〜12歳)の運動指導で意識して取り組んでいること』について書いていきたいと思います。

私が普段行っている運動教室では、ほとんどの子が習い事をしています。

運動教室の開催地が大阪の吹田市という事もあり、街の風潮が"ガンバ大阪一色"です。

あちらこちらにガンバ大阪のポスターや看板が見られます。

その影響もあってか、教室に来てくれている子のほとんどがサッカーをしています。

小学校高学年は競技に打ち込み出す年代でもあり、児童期を抜け出し成長期前期に入る年代でもあります。

その様な年代の運動指導で意識している事をまとめていきたいと思います。

〜運動教室で大事にしている3項目(小学校高学年編)〜

◉生物学的年齢のグルーピング
◉成長痛を考慮した代償動作の修正
◉最大限の力を出す

生物学的年齢のグルーピング

小学校高学年は徐々に身長に差が出てくる時期でもあります。

同じ学年でも身長が低学年と同じぐらいの子もいれば、中学生と引けを取らないぐらいの身長の子もいます。

例えば小学5年生でも小学3年生程度の身長の子もいれば、中学2年生程度の身長の子もいます。

その差は±5歳空いてしまうので、体力・運動能力のレベルも差が空いてしまうのは当然と言えば当然です。

その中で同じ負荷設定にすると一方は過負荷、一方は低負荷となったりする事もあります。

ジャンプトレーニングを例に挙げると、ジャンプするハードルの高さを低→中→高のそれぞれの高さで環境設定を行う様にしています。

あらゆる高さがある事で子ども達が"最適な高さを選ぶ"事ができます。

また方向転換が伴う様なトレーニング(シャトルランなど)も、3段階ぐらいで距離を変えて設定してあげると、それぞれが距離を選べる事により適切な負荷設定ができる様になります。

下記に各学年の平均身長をご参考にして下さい。

https://www.unlimitiv.com/column/10/

小学校高学年にまでなると、おそらくチームや教室の中にも身長差が見られる事がある思いますが、上記の表を参考に少し負荷設定を変えてみるのもいいかと思います。

成長痛を考慮した代償動作の修正

この時期に悩まされるのが"成長痛"です。

成長痛とは筋肉の成長(伸び)が骨の成長より遅く、骨に付着している筋肉が引っぱられるストレスを受けて痛みが生じる事を言います。

成長痛は10代前半の運動をしている子に多いとされています。

特に多いのが"オスグッド病"や"シーバー病"です。

例えば、オスグッド病の様に膝の痛みがある中で構えの姿勢や着地の姿勢でその都度膝が前に出る様な姿勢で行っていると、膝関節に度重なるストレスが掛かり、成長痛を悪化させてしまうリスクがあります。

https://medical.jiji.com/topics/amp/1840

よく大腿四頭筋が硬いとその筋肉の付着している部分が引っ張られて痛みが出るから、ストレッチやマッサージはしておいてね。と言われることが多くあります。

ストレッチやマッサージで柔らかくなると患部が引っ張られる強度は少なくなるとしても、膝が前に出る様な動きを繰り返していると再度痛みを誘発してしまう可能性は高くなります。

また走り方にしても、シーバー病の様に踵の痛みがある中で踵からその都度接地している走り方をしていると(踵走り)繰り返す衝撃で痛みの緩和は図りにくくなります。

踵に体重が乗りやすい猫背姿勢もその一つですね。

上記を例に挙げた事以外にも代償動作の修正は必要となりますが、もっと早い段階から習得できていれば、成長痛が出たタイミングでもその部位への負担を事前に減らす事ができるかもしれませんね。

最大限の力を出す

小学生のサッカーを一つの例に挙げると、リフティングやドリブル、パス練習などボールを使う練習であればある程"最大限の力を出す事"が少なくなってきます。

また小学生のサッカーコートを見てみると、50m×68mです。

https://aroundfifty-life.com/soccer-court/

各ポジションで考えてみても全力で走る距離は15〜20m、30mとなるとコート約半分の距離を全速力で走る事などほとんどないのかなと思います。

またキック力もまだ未熟な分、空中の競り合い頻度も少ない為、"跳ぶ"や"跳ねる"などの動きも自然と少なくなるはずです。

その為、普段の習い事ではしない"最大限の力を出すこと"を運動教室では意識的に取り入れる様にしています。

例えばスペース的に走れない環境であれば、その場で腿上げを3〜5秒間×数セット実施するなどの転換練習で十分だと思います。

小学校高学年の3〜5秒ダッシュは約20〜30m程度の距離になると思うので、その辺りの距離設定もイメージして取り組めればすごくといいと思います。

あまり長い秒数を実施すると疲労により"最大限の力"を出せなくなり、目的から遠ざかってしまうので長くても10秒以内で設定するのが良いと思います。

それ以外にジャンプ動作は最大限の力を出しやすい種目でもあるので、全力でジャンプする環境を設定する事もオススメします。

両脚で慣れれば片脚に変える。など、まずは下半身で最大限の力を出す練習は重要視しています。

中学生になればコートのサイズも変わり、体格差も出てくるので高学年の段階でその下準備はしておきたいと思っています。

最後に

小学校高学年になれば、専門的な競技に没頭する時期でもあります。

その中で各競技に必要な動作を分習法でトレーニングする事は大事ですし、繋がりがある内容であればあるほど子どもも理解しやすいですが、敢えて普段実践しない様な動きを取り入れて偏りを分散させながら幅広く身体を動かせる事も重要ではないかと思っています。

あくまでも私の考えなので、私自身も周りの方の意見や考え方を参考にアップデートしていきたいと思います。

また来月も子どもの運動にまつわる記事を書いていきますので引き続きどうぞよろしくお願いします。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。




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