庭先養鶏日記その4
更新できずにいる間に、季節はあっという間にに巡り、秋になりました。
今日は自分の記録として、今回起きた出来事について書こうと思います。
突然のことで、何で?嘘でしょ?と信じられない気持ちが強くありますが、10月8日、つきがクマタカに襲われました。
つき、襲われる
この日の早朝、どうやらクマタカはニワトリ小屋の引き戸を開け、襲ったようです。
振り返ると、その日の早朝、夢現の中で物音を聞いたような気がするのですが、その時すぐに起きて外に出るということはせず、いつものように、いや雨が降っていて休日ということもあり、いつもより少し遅めに外へ向かいました。
すると、信じられない光景が広がっていて・・・
ドアは全開、そして数カ所で羽が散乱し、キウイ棚の下にはニワトリが横たわり、近くには大きな猛禽類。
私が現れたことで、この猛禽類もパニックになり、キウイ棚の下で逃げようとするのですが、棚の周りに張り巡らされたネットが邪魔で逃げられないという事態に陥ります。
このときの衝撃をどのように表現していいか・・・
何があったか一瞬にして理解できつつも、同時に何で?嘘でしょ?という疑問も出てきて大混乱。
それでも、もう1羽を探しに回り、ぱっと探してみても見当たらず、どこかにじっと隠れているだろうと思い、この猛禽類をなんとかせねばとキウイ棚の下に戻りました。
少し離れたところでネットを外し、逃げられるようにしたのですが、なかなかそれがわからず、ずっとネットに向かって飛ぼうとします。
ものすごい迫力だし、向こうもパニック状態なので、誘導しようにも、こちらもとても怖く・・・
しばらく様子を見たり、誘導を試みたりを繰り返うちに、ようやく飛び立っていきました。
こんなに間近で猛禽類を見たのは初めて。
ものすごい迫力で怖いのですが、それでもすごいという感動もとても大きく、興奮している私がいたのも事実です。
襲われたニワトリがつきであったことを確認し、再度ゆきを探しに回ります。
いかにもいそうな場所を当たり、椿の下を這いつくばって覗いたり、水路の中を探したり。
水路脇にあった木材を動かしたところ、びくっとして恐る恐る外に出てきたゆきを確認しました。
ゆきが無事でいてくれてよかったです。
その後、ニワトリ先輩である友人の助けを得ながら、つきを土に返し、何があったのか状況分析をしました。
実は、この日より1ヶ月ほど前、やはり猛禽類がニワトリを襲いにくるという出来事がありました。
その頃は慣れも出ていて、私が外にいなくてもニワトリだけ外に出すということが定着していました。
朝一で外へ出し、畑作業などが一通り終わって、室内で料理などしている数十分ほど、そのまま外に出していることも多くありました。
その日も、私は室内にいました。
急に窓の外に大きな影が通過すると同時に、バタバタという羽音とニワトリの鳴き声が聞こえ、慌てて外に飛び出でると・・・
草のかげに隠れてじっとしている1羽を確認し、もう1羽はどこかと探して進んでいくと、椿の前で猛禽類が座って待ち構えてる姿に遭遇しました。
私が行くとさっと飛び立っていき、椿の中を見ると、もう1羽がうずくまって隠れていました。
ニワトリは襲われそうになった時、本当に身動き一つせず、じっとうずくまって難が去るのを待っているということを改めて目の当たりにしました。
ヒヨコの頃は、トンビやカラスそして野良猫に注意していましたが、この頃は身体も大きくなったので、彼らが周囲をうろついていてもすっかり警戒心が薄れていました。
トンビだかタカだか、そのときは咄嗟のことで、判別も何もできなかったですが、今思うとあの迫力は、今回のクマタカだったのではないかと想像しています。
2羽ともものすごく怯えていて、怖い思いをさせてしまいました。
私自身もあまりの出来事に衝撃を受けつつも反省し、これは対策をせねばとニワトリスペースにヒモを渡し、パラソルを広げて、猛禽類が入りにくいようにし、私がいるときしか外へ出さないようにしました。
そして、人がいることをアピールするために、そのうちカカシでも作って立てるかと考えていました。
それが9月6日のこと。
かれこれ1ヶ月何事もなく過ぎ、対策が功を奏していると思い込んでいましたが、相手は一枚も二枚も上手だったと今にして思います。
さらに遡ること1ヶ月ほど。
もう一つ思い出すのが、ある日の畑作業中、ものすごく大きな影を感じ、目で追うと近くの電柱にトンビではなさそうな猛禽類が留まっているのを目撃したことがあります。
そのときは、ただただ大興奮で、すごくかっこいい猛禽類が近くにいると感動していたのですが、それも今思うとニワトリたちを獲物として観察していたのだと思います。
野鳥図鑑と写真とを照らし合わせながら、そしてネットで確認したところ、今回来たのはクマタカではないかと私は認識しています。
ネットで調べると、クマタカは「森の王者」であり、食物連鎖のトップに君臨しているということがわかりました。
そして、クマタカは林の中でも上手に飛行することができ、視力は4キロ先も効くとのこと。
この1ヶ月、近くに気配は感じなかったけれど、きっとどこからか私たちを観察し、私たちの行動パターンを把握し、そして戦略を練ったのではないかと私は想像しています。
毎朝、ドアを開けると喜び勇んで外へ出ようとするそのタイミングを巧妙に狙ったとしか思えません。
この日の明け方、雨が降っていたのも狙い目だったのかもしれません。
小屋の引き戸は、このクラスの猛禽類なら嘴で簡単に開くだろうということも、今さらながらわかり、愕然としました。
そしてあの程度ヒモでは、クマタカにはなんの支障にもならなかったか、もしくはキウイの上に一度止まってから敷地内に入ったのでしょうか。
それでも、獲物を仕留めて持ち帰るには、ヒモが邪魔で飛び立てなかったか、獲物が重すぎたのか。
結局その場で食べようとしたけれど、そのとき私と出くわし、結局食べずじまいで逃げざるを得なかったのでしょうか。
まさか、こんなことが起こるなんて想像だにせず、それでもただただ自分の甘さが悔やまれ、2羽に怖い思いをさせ、守りきれなかったことを申し訳なく思います。
クマタカがいるというのは豊かな生態系が広がっているということ。
それでも、民家にやってくるのは餌が不足しているからなのか?等々、色々考えを巡らせますが、こんな開けた場所で丸々とした獲物があれば、そりゃ狙うよなと考えたり、とにかく彼らの生活圏でこんなにも無防備に家畜がいることの危険性を痛感し、私が全力で守らなければならないのだということを改めて思い知りました。
それでも敵わないのかもしれないけれど、ニワトリを飼う以上は、自分にできうることは最大限やらなくてはと気持ちが引き締まりました。
引き戸に関しては、その日は応急でつっかえ棒をし、本日金具を取り付け、簡単に開かないようにしました。
そして、上空からの侵入を防げるよう敷地内にネットを張る、もしくは今まで比較的広々とした空間に出してきたけれど、今後は範囲を限定するなどの対策を施さなくてはと思います。
カカシは彼らにとっては子ども騙しのようなもの。
すぐに見破られるだろうということもわかったので、改めて私がいないときは外へ出さないようにしなくてはと思います。
つきとゆき
つきはずっと身体が小さく、一番気にかけていた子です。
私から餌をもらうことにも慣れていたので、餌箱を持っていくと大興奮で飛び乗ろうとするほど。
身体はゆきと大差がないほどになりましたが、よく顔を見ると顔つきやトサカや顎の部分の赤みが薄く、成熟という意味ではまだまだという感じでした。
ちなみに同じ時期に飼い始めた知人のニワトリは、発育がいいようで8月から卵を産んでいるようですが、うちは2羽ともまだです。
その子たちと比べると本当に顔つきが全然違うのでびっくりしました。
ここ1週間ほど、ゆきの顔つきが大人っぽくなってきたなと観察していたのですが、つきはまだティーンネージャーという感じで幼さがありました。
毎朝迎えにいくと、たいてい止まり木の上にいて、そこから一気に外へ飛び出します。
止まり木を一段ずつ降りて、外へ出るということは決してせず、毎度ものすごい勢いで、飛び降りてきます。
ゆきが先頭を切り、そのあとをつきが追うのが定番スタイル。
そして、2羽ともたいてい一緒で、どちらかが離れると飛んで追いかけます。
あるとき、つきが比較的大きなカエルを捕まえました。
でも、つきにはまだ大きすぎたか食べきれず、途中でゆきが奪い取ります。
他のものだったら、そう易々とは譲らないつきですが、今回はギブアップだったのでしょう、素知らぬ顔で他の餌を探していました。
ゆきは長時間の格闘の末、どうやら平らげたようです。
そんなあれこれが懐かしく思い出されます。
毎度何か起こると臆病になり、私について回るようになりますが、一人になったゆきは、なおのことそれが強く出て、私の後をついて回りたがります。
昨日よりはだいぶ落ち着きを取り戻し、今日は普段通り地面を突き、草をついばんでいましたが、寂しそうに感じるのは私だけでしょうか。
ゆきの気持ちはわかりませんが、3姉妹で賑やかだった頃を思うと、私は寂しいです。
これまで記してきた日記を今回改めて読み返し、記録しておいてよかったと思ったので、この出来事も書くことにしました。
本当は、もっと日々のあれこれを書き留めておきたいと思うのですが、なかなかできず・・・
それでも、また定期的に書けたらとも思います。
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