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空き家住まいのリアル その3

ずっと書きたかったネズミのことを今回は書きます。
ネズミの侵入も空き家ならではの悩みかなと思います。
途中、人によっては不快な内容が含まれているかもしれませんので、気になる方はお気をつけください。

座敷童子??


最初の違和感は、掃除したばかりの階段になぜか落花生が落ちていることでした。
4月中旬頃だったでしょうか。
我が家は2階がリビングで、畑とつながる1階を私は地階と呼んでおり、地階には、種まき用に残してあった落花生や、秋に収穫したものの鞘だしせずに大豆や小豆、黒豆などが雑多に置いてある状態でした。
本当はしかるべき処理をして保存されているはずなのですが、なんやかやとそのまま置かれていたのです。
それでも、その落花生が階段に落ちるわけはなく・・・
ギョッと驚き不思議に思いつつも、ちょうどその頃、たまたま私は座敷童子が出てくる本を読んでいたこともあり、うちにも座敷童子がいるのかしら?と想像したりもしました。

また別の日には、畑に通ずる玄関に落花生が落ちていたり、そのまた別の日には小豆が一粒、お風呂場(地階にあります)の前に落ちていたり・・・
何度かそのようなことがあり、これはなんかおかしい、一体何でだろうと真剣に考えるようになり、もしやネズミか?と思い至りました。

真冬の間、寝室の壁をパタパタパタ~とコウモリの羽音のような、軽い小動物の足音のような音が聞こえる時があり、ねずみかな~と思うことはあったのですが、その子たちが表に出てくることはなく、これまで何か食べられたりといったこともなく、特にネズミで悩まされることはありませんでした。
よくよく思い出すと、引っ越した当初、キッチンのあちこちに古いネズミ捕りが置いてあり、ネズミが出てたんだぁと思ったのですが、私が暮らし始めてその存在を感じることは冬の一時期しかなく、今まで全くその存在を意識したことはありませんでした。
が、今年はついにネズミの存在を強く感じることとなりました。


ネズミ出没経験者に聞いてみたところ、ネズミの可能性が大いにありうるということで、試しに落花生などが入った入れものにガムテープを仕掛け、様子を見ることにしました。
すると、翌朝そのガムテープがわずかに動き、また落花生もなくなっていました。

仕掛けた晩

落花生がずいぶんなくなっています・・・


これでネズミだと確信し、ひとまずこれまで放置されてきた大豆などを片し、落花生もきちんと蓋のある入れものにしまいました。
収穫したものの、なかなかその後の処理をせず、すっかり放置していたので、当初一体何がどれくらいあったのか、もはや思い出すこともできませんが、落花生はたっぷりあったはずだったのに、残ったのはわずか5つほど。
そして、地元の人にもらった代々種継ぎされてきた貴重な黒豆もほとんど残っておらず、その痛手にようやく気づきました。


我が家はネズミーランド??


そして5月初旬のある日。
久々に地階を掃除しようと、ずっと置かれていた段ボールを動かしてびっくり。
なんと、大豆や黒豆の鞘とネズミの落とし物がたんまり出てきました。
この時はまだ呑気なもので、段ボールのかげに律儀にまとめている様子に、ちょっとした感動を覚えました。
全く人間に気づかれることなく、こんな風に生活していたなんて、『借りぐらしのアリエッティ』を彷彿とさせ、お見事と思わず唸ってしまいました。

手前にあった段ボールをどかすと現れました。


が、これで一件落着と思いきや、それでは済まず、ここからいよいよネズミの存在を強く感じる日々の日々の始まりでした。
ヒヨコのタンパク源にひまわりの種がいいのではないかと思いたち、昨シーズン収穫した種の保存箱を開けて、またまたびっくり(自分の食用にと思っていたのですが結局殻を破るのが手間でそのままでした)。
きちんとふたをしていなかったからか、半分以上の殻が破られ、ずいぶん食べられていることに気づきました。
これは2階のリビングに置かれていたので、ネズミはここにも来ていたのかと愕然としました。
昔飼っていたハムスターの主食はひまわりの種だったことを思い出し、これはネズミの好物だと気づきました。

ひまわりの種


また、別の日にはこんなこともありました。
種まきようにオクラとスイカの種を布に包んで水につけて、一晩地階の玄関に置いておいたところ、翌朝には布ごとなくなっていて・・・
これにはぶったまげました。
おそらくうちに出入りしているのはクマネズミと呼ばれる小さなネズミゆえ、その身体の大きさからすると布ごと持っていくのは難儀だったのではないかと思うのですが、忽然となくなっていました。
いやぁ、ネズミに対する感動はあるものの、さすがに参ってきました。

これらが翌朝忽然となくなっていました。


そして、トドメは5月下旬のある朝、突然やってきました。
キッチンへの出没です。
調理台にネズミの落とし物らしきものがあるけど、これはそうなのか、それとも虫か何かかと思案しつつ、色々見て回ると、朝ご飯にと取っておいたニンジンケーキがラップの隙間からかじられているのを発見。
よくよく目を凝らして様子を見るとあちこちに落とし物が落ちており・・・
「きゃー!ついにここまで」と衝撃を受け、ここにきて初めてネズミへの怒りも湧いてきました。
ネットで色々調べ、ネズミについて知り、ひとまず食べ物は全て容器に入れ、本格的な内策をせねばと思い至りました。

その翌日も、食べ物はなくともやはりキッチンに上がったようで、「勘弁してくれ」、「いい加減にしてくれ」と途方に暮れそうになりました。
地元の人や知人たちに相談すると、ネズミは早く対処したほうがいい、ネズミ捕りの粘着シートを使うといいと教わり、分けていただいたシートを早速階段の上に仕掛けました。

ネズミが捕まった場合、このシートを畳んで捨てるようです。


ネズミが掛かっていたらそれはそれでその始末をするのがなぁとドキドキしながら翌朝様子を見ると、幸か不幸かネズミは掛かっていませんでした。

が、衝撃的なことに、尻尾だけが数段下の階段に落ちていて・・・
階段に紐状のものが落ちており、これは一体なんだろうと思いながら近付くとまさかまさかの尻尾で・・・
ものすごく衝撃を受けつつもやるしかないので、トングを使って剥がしましたが、粘着力が強くなかなか苦労しました。
粘着シート上を通った跡があり、また床に数カ所べとつく場所もありましたが、キッチンまでたどり着いたネズミもいたようで、数カ所で落とし物が見つかりました。
昨夜一体ここで、どんなドラマが繰り広げられていたのだろうと客観的に思い巡らす自分がいつつ、この朝の体験にはさすがに参りました。

粘着シートがダメだとしたら、一体どうしようと再びネット情報を調べて、たどり着いたのが、蚊取り線香を焚く作戦です。
ネズミには山火事の記憶があるらしく、煙の匂いが嫌いだそうです。
そして、もう一つ。
ネズミは夜行性だから明るかったら出てこないのではないかと自分なりに考え、地階の電気をつけっぱなしにすることにしました。


するとどうでしょう。
効果的面。
翌朝、ネズミが上がってきた痕跡ありません!
よかったと安堵しつつも、まだ安心はしきれないなので、その日も蚊取り線香と電気オンで対策し、以降電気だけの日や蚊取り線香だけの日など様子を見ています。
そろそろ1週間経ちますが、まだ何も対策しないまま朝を迎えるのが恐ろしく、毎夜何かしら対策はしています。


当初ネズミの行動に感動したのはいつの間にやら吹っ飛び、思い返せばこの春はネズミにずいぶん悩まされました。
ネズミの出入り口はどこだろうと外を見回すと、あちこちにその候補が見当たります。

よく見ると土壁に穴が開いているのがわかります・・・


ネズミを家の中に入れないというのはどうやら難しそうなので、いかに生活圏に入れないか、それが鍵かなと思っています。
どうやらヒヨコの好きな石垣の中も棲家の一つのようで、以前、石垣でカボチャの種やら豆やらを見つけたことがあります。
我が家からここへせっせと食べ物を運んでいるのかぁと感心もしますが、彼らとうまく距離を保ちながら暮らしたいものです。



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