作ってくれたカレーが不味かったから|BL漫画『体感予報』
※この作品はBL漫画です。
1日中、天気予報を放送しているライブチャンネル『エブリディウェザー』の気象解説員・瀬ヶ崎瑞貴は、容姿端麗、知的な話し方、物腰の柔らかさで人気になり、彼が出演するようになってから番組の視聴回数は100倍に跳ね上がった。
売れてないエロ漫画家の棚田葉(ハンドルネーム・ダヨ)は、そのエブリディウェザーを今日も5回見て、更に今も見ている。
友人の同人作家・万十(通称・万さん)に「ダヨちゃんも本当 好きだよね……」と言われるが
と、全否定する。
(万さんには「6回見ちゃう人はふつう大好きなんだよ…」と言われるが)
それは。
と、葉の通話を勝手に切り、「ただいま」も言わず、「めし」としか言わない、万さんが“ダヨちゃんの彼氏”と言う、この男こそが。
瀬ヶ崎瑞貴、その人だからだ。
シーモア先行配信だった人気作品
作者は 鯛野ニッケ
BL漫画を中心に活動されている作家さんです。
出版社は ソルマーレ編集部
ソルマーレ編集部はNTTソルマーレの一部門で、同社は西日本電信電話株式会社の完全子会社。
コミックシーモアの運営等もしている。
本作品が、シーモア先行配信だったのは、そういう関係から。
掲載誌・レーベルは Ficus
Ficusはソルマーレ編集部のBLレーベル。
発売は 2023年01月
読み切り作品。完結済。
とにかく2人の間にいる万さんが良い
主人公・棚田葉は、大学生で漫画家デビューしたものの、思うように売れず、漫画家をやめて就職をしようと考えていた。
そこへ、大学の先輩である瀬ヶ崎瑞貴に、衣食住を保証してもらう代わりに、「何でも言うことをきく」という、いわば奴隷契約のようなものを持ちかけられ、漫画家を諦めたくない葉はその提案に乗ってしまったが――、というストーリー。
このストーリーの面白さは、定番の“すれ違い”にあるワケですが。(瀬ヶ崎が、何故そんな提案をしたかを考えればすぐわかる)
更にそれを面白くしてくれているのは、葉の友人である万さんの存在じゃないかな。
2人の話の時には良きスパイスになり、2人の話が落ち着いたら第三者視点で2人を見れるのが面白い。
また、万さんのズバッと遠慮のない、それでいて距離をちゃんと取れてる大人な感じが、とても良いです。
内容は割とガッツリとBLなのですが。(多くは言わないけど察して)
少ないページ数ながら、ストーリーがしっかりしているので楽しめます。
連載、というか分冊版も読んだのに描き下ろしが読みたいが為にコミックスも買ってしまったこの作品……おまけのようですが、鯛野ニッケさんの絵も綺麗で読み応えがあります。