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Web zine #9 ショコラショー

ショコラショー=ホットチョコレート
私にとってのショコラショーはパリのカフェだ。

学生の研修旅行で行ったパリの
道端のカフェでゼミの先生に奢ってもらった一杯。
(奢ってもらったものは格別美味しく感じる気がする)

寒い外気とは反対に熱々の湯気を上げて
鈍く底の見えないゆっくりと渦を巻く濁り
カカオの苦味と生クリームの甘いコク
深い深い味わい…

どっしりと舌に安息を届ける…
特別に特別な時間の味。

20代のあの時にしか、もう同じようには味わえないかもしれない、あの時の味。

記憶は繰り返し思い出し思い募るほどに、より修飾されているかもしれない

駄菓子を食べた時の子供の頃の高揚感は、今駄菓子を食べても味わえないように。

今だけしか味わえない味があるのだ。
味が変わるんじゃない、私たちの感覚が変わってゆくのだ。

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