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《大阪》2023年2月18日(土) 『モモ』課題本読書会レポート(簡易版)
2023年2月18日、大阪で読書会を開催しました。
今回は主催含め9名(女性3名、男性6名)で読書会を開きました。初参加の方が4名でした。お集まり頂いた皆様、ありがとうございました。
こちらは簡易版の開催レポートです。
当日の詳しい内容は当読書会のホームページからご確認ください。
開催レポートのページはこちらです。
▶《大阪》2023年2月18日(土) 『モモ』課題本読書会レポート
以下は当日お話した内容についてです。
ネタバレしていますので、これから読む予定の方はご注意ください。
今回の課題本はミヒャエル・エンデの『モモ』でした。
私が読んでメモしていた感想はこちらです(メモなので結構雑です…)
課題本に選んだ理由は『モモ』が出版されてから今年で50年だから。あと時間がテーマということでコロナ禍の中注目されていたこともあり今回選んでみた。4年くらい前に読んで課題本にもしていたが、今回はだいぶ親目線でモモを見てる。この違いは自分自身の環境の変化が関係している?子育てで無駄な時間だと感じてしまうことがよくある。
11ページ。劇場の描写が的確。すりばち型とか自分じゃ出てこない。
14ページ。くしゃくしゃにもつれた巻き毛が想像できるように
19ページ。こういう近所良いな
24ページ。ニコラとニノのけんか
50ページ。道路掃除夫ベッポ登場
53ページ。いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん。つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。するとたのしくなってくる。良い言葉
56ページ。観光ガイドのジジ登場
67ページ。ジジの話術。みなさまごぞんじのとおり、と言われる知らないとは言いづらい
86ページ。時間貯蓄銀行という発想が面白い
90ページ。時間の計算。むだになった時間。タイパ
99ページ。フージー氏との契約のくだりは怖い。初読みのときは気づかなかったけど、これ悪魔との契約か!
106ページ。生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっている。怖い。現代でもそうだと感じる。スマホとか。時間とは、生きること、そのもの。
110ページ。高価なおもちゃ。ただそれだけ。空想大事
120ページ。左官屋のニコラ訪問。変わってしまってる
123ページ。居酒屋のニノも変わってしまってる。
131ページ。ビビガール登場。モモとのやりとりが面白い
137ページ。完全無欠なビビガール。ビビボーイ。付属品がいる。退屈とは
138ページ。もう友だちなんかいらないだろう?もやもや。灰色の紳士は怖い
152ページ。ジジがモモの話を聞いて、灰色の紳士を倒すために子どもたちに呼びかけようとして、ベッポが心配だというシーン。お前はモモの話がほんとうだとは思ってないようだな→ジジはこのときヒーローになれるチャンスだと思ってた気がする→167やってみておもしろかったしなと行ってる→188不安に胸をしめつけられる
158ページ。でぶのマッシーモが女の子みたいな声でさけびました。という表現はだいぶひどい。一発で名前覚えたけども
161ページ。どこからどう手に入れたか〜のくだり面白い。紙芝居とかお話を聞いてる感じで読める
169ページ。灰色の紳士たちの集会
171ページ。生まれたのはいつだ?のくだり面白い
173ページ。よかれと思ってよかれと思ったかどうかなどはどうでもいい
180ページ。モモの捜索ハラハラ
189ページ。カメ、シンパイムヨウ!好き
198ページ。マイスター・ゼクンドゥス・ミヌティウス・ホラ
199-211ページ。会議は踊る。面白い
236ページ。たくさんの時計。命のろうそくを思い出した
243ページ。時間の花
252ページ。カシオペイア、ショクジチュウ!ドウイタシマシテ!カワイイ。動物園で亀が食事してるのを見たからか具体的にイメージできる
253ページ。一年たっててジジとりこまれてる
272ページ。ベッポが信念を否定せざるをえない状況つらい。灰色の男がパワハラ男に思えてくる
10万時間て、1日24時間だから約4166日。約11年。削るのは無理。
275ページ。動物農場の課題本読書会をして以来、「ですぞ」口調がムックに見えてしまう
277ページ。子どもたちも子どもの家に入れられて小さな時間貯蓄家になっていく。すきなようにしていいと言われると何をしたらいいか分からないってやばい。
280ページ。モモひとり。カシオペイア、ワタシガツイテイル!心強い。
287ページ。ファーストフードでおぼんに載せられるカシオペイアかわいい
354ページ。最上の策アサゴハンヲタベルコト!
360ページ。致死的退屈症
393ページ。ベッポと再会。良かった!
397ページ。最後まで世界観を壊さないあとがき好き
読書会で参加者の方から出た話題はこちらです。
・10年ぶりに読んだ。資本主義や近代社会を批判しているところに共感した。登場人物としてはカシオペイアが好き。疑問としてジジが気になった。モモと分かれたあと何をやって戻ってきたのか。貧しい生活から裕福な生活になり、またたやすく戻れるのか?どうやって克服したのか?
・初読。普段読まないタイプの本。時間のなぞなぞが印象的だった。現在過去未来が3人きょうだい。自閉症の人は「今」しかないあ。ベッポが印象的。仕事を丁寧にやっているがモモを助けなあかんとむりくり仕事をするようになる。時間の使い方を考えさせられた。
・年をとってきて、以前は子どもを自立させることが重要だった。モモはこの先どう生きていくのか。以前は家事等の効率性を重視してきたが、今時間ができて趣味を楽しんでいるとこっちの方が大事なんじゃないかと思うようになった。多忙を経験してきたからこそ大事さに気づくことが出来た。夢中になって過ごして時間を忘れているときが幸せなのではないか。随分昔に読んだので改めて読んでこういう話だったのだと思った。
・初読み。海外文学を最近読んで読書メーターに記録をつけている。そこでは登録者が500名とか700名だが、『モモ』は2万人以上の人が登録してる。それほどの人に読まれてるってすごいなと思った。一日で読んだ。パソコンなど普及して技術は発展してきたが絶えず追い立てられているような感覚。耳が痛い。カシオペイアは30分先を予知できる。予知できるということは未来が決定しているということでは。哲学では決定論というものがある。カシオペイアはマスターホラを超える存在なのではないかと思った。ジジは夢見る外向型。アメリカ批判?モモはカウンセラー向き。聞くには技術がいる。
・小学生の頃に読んだ。単行本で読んでいたがボロボロだったので改めて文庫版を購入した。モモ、ジジ、ベッポの3人が仲良しなのが良い。人の話って上手に聞けない。ベッポが目の前のことに集中することが大事だという話が印象的だった。私もつい先のことにとらわれがち。ジジは表面的にはほら吹きで信用できない人もいるかもだが、空想は悪いことじゃないんじゃないか。時間奪われたという話はまさに現代のこと?時短にとらわれる。改めて今読めて良かった。
・自分自身と重ねることが多かった。働き方改革で会話減ったなと感じる。将来役立つことのために今を犠牲にしている。子どもの時間をとるのは難しいのは分かる。子ども時代は損得勘定もない。ベッポのように働いたら居場所がなくなりそう。
・前の職場の人に以前勧められたことがあり、その時には読まなかったが、聞いたことあるなと思い出して今回読んだ。初読み。私は時間管理したいタイプ。1分単位で計画したい。無駄な時間は嫌いで雑談したくないのでイライラすることも。灰色の男の計算表すごいなと。疑問として、モモの設定が気になった。時代が二つあって前半はゆるく近所の人との交流もあったりするが、後半は1970年代ということもあり何か意味があるのではないか。モモが貧乏人で教育を受けてなくてちぐはぐで、かつて施設にいたと書かれているが文法はきっちり喋っている。収容所的な場所にいたのではないか?設定した理由が明かされるのかと思って読んでいたが明かされずに終わってしまった。
・児童文学ということだが読んでて難しいなと感じた。今大人になって読んでいるから分かるが、小学生に戻って読んだらどうなのか。内容としてはファンタジーで面白かった。93ページの計算表かっこいい。自分自身の年齢に照らし合わせて計算してみた。数字で見せられると無駄なことに使ってないか?と思った。作者あとがきに出てきた人物はモモなのかマイスターホラなのか。
というところが、一巡してお一人お一人に聞いて出てきた感想等でした。一旦休憩を挟み、ここからはフリートークとなりました。
フリートークでは、主にモモについての話題となりました。疑問としても出てきていたモモの人物設定について、イメージしにくいとの意見があったり、はたまたそこはあまり気にしてなかったよという意見もあったりしました。モモはマイスターホラに選ばれるほどの存在だったのか?むしろ灰色の男たちのために存在するかのような……という意見もありました。
個人的な感想になりますが、「いつかやろうと思っていたことが、いつかではダメだと思う日がくる」というお話が印象的でした。
また、時間の花についても、どんな花を想像していたか。蓮をイメージしている方もいれば、百合だったり、『星の王子さま』に出てくるようなバラ、足を踏みしめたら咲いてくるような花など皆さんイメージが違っていたのが面白かったです。絵を描いてみたらそれぞれ違ってたかもしれないですね!
灰色の男たちのカバンには一体何が入っているのか?という意見もありました。フージー氏とのやりとりで書類はいらないと言っていたので書類は入ってなさそう。何が入っているの!?というところで、「葉巻では?」というご意見があり妙に納得!葉巻がなくなると消えてしまうし、これ正解でしょう!なんて思いました。
あっという間に予定時刻の15:00となってしまいましたので、一旦お知らせを挟みまして、そこから残れる方で15:30まで延長戦といきました。
これにて読書会レポートは終了です。
参加してくださった皆様、ありがとうございました。
初参加の方や女性が安心して参加できる空間、男性も楽しめる空間作りに今後も努めてまいりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
毎月参加して下さる方はもちろんのこと、久しぶりに参加したよ~という方々との再会も非常に嬉しいものです。本が好きな方々の第三の居場所作りが目的ですので、「また参加して良いのかな?」「久しぶりだけど大丈夫だろうか?」「前回体調不良でキャンセルしてしまったけど…」といった事はお気になさらず、「あ、この日予定空いてる!参加しよう!」くらいの気持ちで、是非お気軽にご参加ください。
初めて読書会に参加して下さる方々にも「参加してよかった!」「楽しかった」「また参加したい!」と思って頂けるよう努めてまいりますので、宜しくお願い致します。
さて、次回大阪での読書会は3月25日です。既に募集開始しております。
▶《大阪》3/25(土) 『あしながおじさん』課題本読書会 開催のお知らせ
4/1にはスピンオフ企画も開催予定です!
先の話になりますが、5月には今回と同じくミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を課題本とした読書会を予定してます。こちら上下巻の2冊(単行本なら1冊)のなかなかのボリュームなんですが、間にGWもありますので是非挑戦していただけましたら幸いです。
あと公式LINEアカウントを作っていますので、もし良かったらご登録ください。募集開始日のお知らせはLINEアカウントとメルマガが早いです。LINEアカウントは通知も届きますので、ぜひご利用ください。
以上です。
ありがとうございました!!
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