ソロバーベキューあるいはデイキャンプのギア選び
40lのバックパックひとつで、電車やバスなど、公共交通機関での徒歩キャンプを想定したギアの紹介です。
最低限ほしいもの
座るところ
服が汚れるし、凸凹してると座り心地わるいし。
実際に地面に直接座って感じることは、だいたい「おしり冷えるなあ」です。気温が32℃でも、お風呂でいったら水風呂です。
椅子かマットで、空気の断熱層をおしりと地面の間に設けた方が快適です。
焚火台
直火での焚火を、きれいに後始末するのは、簡単ではないです。
キャンプ場で売っている薪のサイズは、40cmが主流なので、それを燃やしやすいサイズがいいです。
『ピコグリル398』一強でしたが、2021年パーゴワークスから『NINJA Firestand SOLO』が発売され、後発の強みでピコグリルに感じていた不満点が解消されました。
火床の高さがちょっと高くなったことで、直火禁止の芝生サイトの地面が高温に晒されづらくなった。
炭火と網との距離が遠すぎて、おき火だとまったく焼けなかったのが、工夫なしでちゃんと焼けるようになった。
オートキャンプやファミリーキャンプでは、ユニフレームの『ファイアグリル』や『カマドグリル』が名作だと思います。なんか石組みでつくるカマドっぽいとこがいい。
焚火シート
コンパクトな焚火台は、燃えた薪の端が、崩れて地面に落ちます。なのでmuracoの『ANTI SPARK RUG』敷いています。
「金属加工工場での溶接作業時に設備を火花から守るためのシート」らしいです。断熱効果は、ほぼないスパッタシートですね。
カーボンフェルトの方が断熱性高いのですが、火床から落ちた灰が繊維の奥に溜まっていきます。撤収時に「黒板消し」や「床マット」の掃除を彷彿とさせるモクモクになるので、スパッタシートにしました。
焚き火台の、燃えた薪が落ちやすそうなとこから、20cmくらいは大きめがいいと思います。
火消し袋
「火消し壺」という、でかくてかさばるハードタイプの密閉容器じゃなくて、ソフトタイプのNaked Laboの『Ash Sack』。類似品が出てきたとき、焚火のマナーが良くなるなら、広まってほしいです、みたいなことをblogで見た気がします。
火バサミ
焚火シートに落ちた燃えてる炭とか薪、直接触ると熱いので。
なくても木の棒でがんばれば、どうにかなります。
トングタイプがいいです。料理や食事にも使えるので。家でも使えたら、なおいいです。25cmくらいが、無理がない大きさです。
火吹き棒
団扇みたいな、面で風を送ったり、直接口で吹くと、灰がよく舞い上がります。網の上の肉に灰が舞い降りたりして、まあそれはいいんですけど。飛んでいった火の粉の熱で、隣のサイトのテントやタープに穴が開いたら大変です。
ピンポイントに当てたいところにだけ風を送るので、周囲の灰が舞い上がらないです。
着火道具
新聞紙をたくさんくべると、風が強いときに舞って、タープを焦がしやすいです。牛乳パックを適当な大きさに切ったものがいいらしいです。
そこらへんに林があったら、適当に杉の葉や小枝で火興しするのもたのしいです。
なにかひとつ着火材を使うなら、『文化焚き付け』が好きです。
あるといいもの
炭
キャンプ場やバーベキュー場で売ってるものでもいいんですけど。『岩手切炭』の方が、「音」「匂い」燃えたあとの「灰」が上品で、雰囲気がいいです。
『岩手切炭』じゃないけど、もともと割れてるのが、炭を組むとき逆に助かる。
テーブル
直接、地面に食材や食器を置くのに抵抗がある。というか、テーブルを使うことで文化的ななにかが得られます。
整地されていない土地だと、平坦な地面は案外多くありません。雑草が生い茂っていて地面が安定しない、ということもあります。そんなとき、アウトドアテーブルがあると便利です。
よい条件の地面であれば、アルミホイルを敷くだけでも、どうにかなります。
テーブルは、イスの座面の高さによって、使いやすさがかわります。
イスの高さは、焚き火台の扱いやすさとも関係します。『ピコグリル』や『ニンジャファイアスタンドソロ』のような、低い焚き火台なら、椅子なしで地面に座るか、ローチェアが使いやすです。
ヘリノックスの普通のチェアだと、前屈みで窮屈な姿勢になります。
キッチンバサミ
包丁とまな板を使うほどでもない、キッチンバサミで対応できる調理がほとんどでした。
セパレートできて、ギザ刃が必須条件、できればカーブ刃で選びました。
50gですこし小さめの、キャプテンスタッグ(パール金属)の『カーブ 万能キッチンバサミ(ミニ)』がちょうどよかったです。
グラウンドシート
海外のULメーカー見たら、25~30"x85" (63.5~76.2x215.9cm)だったので、それくらいあれば足りると思います。
SOLの『エマージェンシーブランケット』のサイズが142×213㎝なので、半分に切るとそれくらい。ちなみに、一晩使うと、地面と触れる下側が、結露のようにびちゃびちゃに濡れるんですけど、アルミ蒸着面同士が触れたまま、濡れて乾燥すると、ベリベリに剥離していくと聞いた気がします。都市伝説かもしれませんが、アルミ面を上にして使っています。
ちなみに、畳1畳が、地域差はあるけど約180x90cm。それくらいあれば、寝っ転がるには十分。小さい方が、畳むときラクです。
軽いシートは、風でめくれるので、四隅にペグダウンのループがついている方が、ピクニックで快適です。
ナイフ
「バトニング」というナイフを使って、太い薪を縦割りにするときに使います。
フルタングがいいとか、ブレードが
厚いヘビーデューティーがいいとか、好みがありますが、廉価なモーラナイフの『コンパニオン ステンレス』で十分です。
使われる金属が多いと、その分重くなりますし、高級鋼材だと値段も上がります。
壊れたという報告も2~3件画像付きで見ましたが、販売数の中のよほどイレギュラーな場合だと思います。
あるともっといいもの
タープ
まわりからの目線避け、雨避け、風避け、日差し避けに。
形は大きくわけて2つ「レクタ(長方形)」か「ヘキサ(6角形)」の形があります。
レクタの方が形がシンプルで、天候や地形によって変えれる、張り方にバリエーションがあります。それに畳みやすいです。
「レクタ」の8"x10"(フィート 240x300cm)タープ。
Trail Bumの『CT Tarp』200x280cmか、FREEIGHTの『Swing Tarp』267×260cmが、いいです。
どちらにも、タープの裏表両面にループがあり、蚊帳を吊るすポイントとして使えます。
あわたしが最初に買ったDDタープ3x3は、約800g。
1.4k円で400gの軽量化。100gの軽量化に3500円は、自転車だと飛びつくコスパです。
3x3mのDDタープをひとりで畳むのは大変でしたけど、2x3mはひとりでも畳みやすいです。
8"x10"タープなら、単体でのタープ泊、雨天時のテントの前室、ハンモックでの併用タープと、いろいろと組み合わせての使い道があるところがおすすめです。
タープを張るには、幕本体のほかに「ポール(支柱)」「ガイライン(張り縄)」「ペグ(杭)」が必要になります。これも、頑丈さか軽さか、主眼をどこに置くかで、いろいろ選ぶところになります。
湯沸かしセット
炭火になったら、鍋をかけても、なかなかお湯は沸きません。
他にバーナーがあると、とても便利です。
CB(カセットボンベ)缶なら、FORE WINDSの『MICRO CAMP STOVE』。
それまで横綱だったSOTOの『ST-310』の牙城を、後発の商品企画で上回りました。
軽くてコンパクト。330g>186g
緩衝ケースなど、標準装備が十分(ではなかった)
五徳の熱が足に伝わるのは、かっこいいデザインだけど、やっぱ危ない。
『MICRO CAMP STOVE』くらいの重さとサイズだと、ようやく徒歩や自転車で持ち出してもいいと思えます。
イワタニの120g ジュニアCB缶が純正で使えるところもポイント高いです。
OD(アウトドア)缶なら、BSR-3000Tという、UL志向のハイカーがよく使っている印象のバーナー。
日本での販売認定検査PSLPGマークの認可は受けていないらしい。
なにより廉価なので、OD缶のお試しに買ってみましたが、軽量コンパクトな恩恵にあずかりながら、別に不満なく使えています。
アルコールストーブや固形燃料、クッカーの選択は、またひとつの沼になっています。
クッカーでひとつおすすめするとしたら、ベルモントの『チタントレールカップ280』
トランギアの『メスティン』、EVERNEWの『Ti 400FD Cup』、ジップロックスの『スクリューロック473ml』の中に入り、また内側にEVERNEWの『Ti Demitasse 220 FH』をスタッキングすることができます。
真ん中の線が150ccのラインなので、カップスープやインスタントのスティックコーヒーつくるときの目安になって助かります。
ここら辺が揃うと、火気OKな川原などで、コーヒーピクニックがたのしめるのでいいと思います。
その他
ゴミ袋
レジ袋でいいです。
けど、ドリップコーヒーのかすは、水分を多く含んでいて、なかなか燃やしきることが難しいので、ジップロックMがあると安心です。
カトラリー
コンビニやスーパーでもらえる割り箸、軽いし使い終わったら燃やせるので、帰る時に荷物にならなくていいです。使い捨てのプラスプーンも、リカバリーが容易なら選択肢に入ります。
ひとつで済ますなら、HOVERLIGHT の『SPORK』。2023年に燕市のメーカーから発売されました。スプーンとして食べやすく、刺しやすく、軽い。
総合ポイントで頭ひとつ抜きに出た、とてもいい先割れスプーンです。
DFCのケースを+1320円で、追加することができる。他ではあまり見ないし、DCFにしては値段もちょっと安め。カトラリーの汚れを気にする人はあってもいいと思います。
金属製のスプーンは、「灰スコップ」としても使えます。アルミの融点660℃は、炭火の温度と近いので、持てなくなるまで熱くなると、溶けます。アルミホイルが溶るような使い方をするのは止めておきたいところです。
金属製のトングも、バーベキューの食材をひっくり返したりするのに使えます。
アルコール除菌ティッシュ
手を拭いたり、食器を拭いたり、煤で汚れた焚き火台を拭いたり。