「止まりだしたら走らない」2021/08/13
・止まりだしたら走らない(ネタバレあり)
品田遊「止まりだしたら走らない」を読んだ。
本の序盤にルビの誤字が2つもあって、うち1つが登場人物の名前だったのでもうそっちばっかり気になってしまって。
短編同士の繋がりが見えると「ははーん、これはちゃんと読むといっぱい繋がりに気づけるやつだな」ってモードで読んじゃうし、誤字って実は何かの伏線なんじゃないの? ってずっと身構えちゃうから、最後まで読んで、マジの・ただの・ジャスト誤字だったとわかったときは腰砕けだった。
そういう読み方をしてたからか作中の仕掛けにも上手くハマれなかった。正確に言うと、名前に関するヒントに上手くハマれなかった。
ダ・ヴィンチ恐山の作品であること、伏線かもしれないルビ、短編同士のシンクロ描写などで勝手にハードルを上げてしまったせいで、仕掛けが想定内のスケールで収束し、かつ俗っぽく終わったように見えてしまった。
よって「ウェルメイドだったね」っていう嫌味な感想になってしまった。まとめブログで叙述トリックコピペを読んだあとの気持ち。うまーくまとまってるね、でも、という。
でもさ、こんな読み方をして楽しく思える本なんてそんな無いわけで。ダメな読み方をしてしまった私にも責任はある。
ダメな読み方の他の例を挙げると、先輩のファーストネームが自分と一緒だったところも冷めた。これは完全に私(の親)が悪い。でも以前から、恐山のネーミングセンスは独特だなと思ってたんだ。この本の登場人物にもそのセンスが貫かれてるなーと思いながら読んでたから、先輩の名前に関するヒントが書かれていても「まさかね」って感じだった。先輩の名前は仕掛けのためのもので作者の個性の表れでは無かったけど、やっぱりちょっと鼻で笑っちゃう。
でもでもさー、誤字以外にも変なとこで改行挟まってたりしててさ、ダメな読み方になっても仕方ないでしょ。
同作者の「名称未設定ファイル」も一気に読むつもりだったが(それで新刊を買うか決めるつもりだった)、今日は多分やめた方がいいな。本を読むのに向いてない日。
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