「町中華」2021/07/23
徒歩の距離にもかかわらず行ったことがないままの飲食店に行った。いわゆる「町中華」。
・町中華概念
ところで「町中華」って単語、おそらく私が知ったのは今年なんだけど、もっと昔からあった?
「中華料理屋なんだけど、って言ってもあの〜本格的なやつじゃなくて、何つーか赤いチャーシューの乗ったラーメン出してる感じ? テーブルとか床がペトペトしてる感じっていうの? 渡る世間は鬼ばかりの幸楽、そう幸楽みたいな店」
って説明するしかなくて、渡る世間は鬼ばかりを知らない人相手だと完全に詰んでたから、町中華という言葉を初めて耳にした(目にした)ときは感動したもんだよ。
もし何年も前からふつうに使われている単語なのだったら、もっと早く知りたかったなあ。
あと、「町」か「街」か、きっと「町」だと思うんだけど一応調べておこうと思ってググったらやっぱり「町」だった。
・町中華テンプレ
すごく美味しくもないがすごく不味いわけでもなかった。町中華という言葉から少しもはみ出ない。
ただ、量はかなりクレイジーだった。それこそテーブルがくるくる回るような中華料理の店でみんなで取り分けて食べるヤツなのでは……? と訝しむほど山盛りだった。
料理以外の要素も町中華のテンプレをなぞったのかと思うくらいありがちな店で、誰かわからない人のサイン色紙が並んでたり、お冷がぬるかったり、常連客と店員のやり取りに疎外感を覚えたりした。
・フューチャー町中華
カウンターにいた常連客が店を出ていくと、店員が厨房から出てきてテーブルを拭き、右手に持った機械のスイッチを入れた。ハンディ掃除機くらいの大きさで、色もそういう家電にありがちな白色。すると機械についた青いLEDが点灯しデカ目の音をたて、水蒸気のようなものがシュシュシュー! とカウンターに吹きつけられてはあたりに漂った。
わかんないけど、きっと除菌やら殺菌やらに関わる機械なんだろう……。
油と経年劣化により色あせたトーンで統一された店内に、突如表れた青色LEDのついた何かが、デロリアンみたいに派手にスモークと轟音を発したもんだから、現在と未来と過去と過去に見た未来とが頭の中でごちゃごちゃになって変な気持ちだった。
私はこの手のギャップに弱いな。こんなことばっかり書いてる気がする。