映画アンダードッグ見てきたよ
日頃は宝塚歌劇を観てトキメキとキラキラを補給して生きていますが対極にあるような映画を見てきたんだよ。
ひゅーいの歌が好きで知ったのだけれども。
主演・森山未來の時点で見に行くの決定だというのに勝地涼&北村匠海ですよ。
絶対に映画館で見たいでしょ。
勝地君は「阪急電車」での好青年が忘れられない。
彼のプロフィールで「阪急電車」が触れられていないのがさみしい。
すごくよかったのに。
それでいて「あまちゃん」の前髪クネ男だから幅の広い役者さんだなぁと感心するよね。
北村君は星蘭ひとみちゃんが出演したドラマに出ていて気になっていた役者さん。
なんというか、あの、暗い瞳が良い。
顔がロックだよね。
まぁそれはどうとして前編と後編からなる長い映画だったにもかかわらずエンドロールが流れてもまだ終わらないで!もっと見ていたいと思ってしまうほど作品の世界に引き込まれた。
前編・後編どちらもボクシングの試合がクライマックスなのだけれども。
特に前編は手のひらに爪が食い込むくらい、こぶしを握り締めて応援した。
映画を見に行ったつもりがボクシングの試合をがっつり見た気分になった。
絶対に負けるわけにはいかない主人公を応援したいのに、無様にやられながらも這い上がってくる勝地君をつい応援したくなり、それでいて森山君がやられると「そんなもんじゃねぇだろ!勝てよ!」と思ってしまう。
後編の試合シーンはちょっと感動させようとしているな、と思ってしまったけれど、それでもまんまと感動してしまった。
普通なら一発でダウンを奪えるようなパンチを何発も浴びせあいながらも倒れず闘い続ける様は、さながら蜂の巣に撃たれながらも一曲歌い切るベルサイユのばらのアンドレか。
拳をまじえる。
その一瞬、一瞬を丁寧に映し出すシーンだった。
この試合も息子のためにも主人公に勝って欲しいのに、スターダムを駆け上がりながらも流れ星のように消えてなくなることがわかっている対戦相手の北村君にも最後の輝きを求めてしまって、どちらにも勝って欲しかった。
パンチが繰り出される度にそれがどちらからであっても相手に「倒れろ!」と思いながら見てしまった。
森山君の妻役の水川あさみさんがすごく良くて、この手の女を演じさせたらホント天下一品。
後編では森山君の勤め先の女である熊谷真実さんのエピソードにホロリ。
なんでこんな状況下で人を愛することができるんだろう。
それともこんな状況だからなのかな。
人を愛せるって、強い。
それとも弱いから愛するのか。
森山君演じる晃は妻を愛しているのだろうか。
息子の事はどうやら愛しているようだ。
でも妻には執着しているだけのようにも見える。
本当に妻を愛していたら他の女を抱けるのだろうか。
そもそも「抱く」という表現でいいのか。
とりあえず英語で言うならmake love ではなくてfxxkでしかないような、かなしいシーンだった。
女も自分の身体を差し出したらその一瞬だけでも愛のようなものに触れられるとでも思ったのだろうか。
女の客は少なくとも女を必要としていて、それでいて女を辱めているし、それを愛と呼んでいいのか。
そんな事を考えながら思い出したこの曲。
MUCCの娼婦。
実際、娼婦だし。
お前には無理だとか浴びせられてズタボロな主人公と一瞬まじわる女。
普段、私が愛している愛にあふれる美しい世界とは180°違う世界。
だけど必死で生きている世界。
愛してあげても、いいよ。
全ッ然関係ないんだけど森山君が風俗店に客として行くシーンでとろサーモン久保田のマイク芸を思い出して吹き出しそうになったんだけど…そんなこと、ある?
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