はじめてのnote/日本科学未来館
はじめまして。
長くサラリーマンをしていた私がいろいろあって一念発起し、今は都内の館の末席に加わりました。
訪れた博物館・科学館や美術館、動物園水族館のことを備忘録として書いていこうと思います。
あくまで私の感想や、勝手に考察したものになります。
公式は違った意図をお持ちの可能性があることを理解した上で読んでいただければと思います。
ファンドレイジングの勉強も始めたので、それについても頭の整理を兼ねてアウトプットしていきたいと思っています。
記念すべき最初の記事は日本科学未来館について書こうと思います。
館名の通り「科学」に振り切っているので、博物学については触れられていません。
国立科学博物館の様に生物の剥製や、岩石標本が無いのはそういう背景があるからなんだろな。
更に、展示物が物理に偏っている様に見えます。
これは日本科学未来館が文部科学省所管である科学技術振興機構の一部署で、同じく文部科学省所管の宇宙航空研究開発機構(JAXA)や海洋研究開発機構(JAMSTEC)と親和性が高いからじゃないかな?と勝手に考察。
展示について
こちら、国際宇宙ステーション
開館当時は館長が毛利さんだったこともあり、メインに据えられていたような気がするけど展示フロアの端に追いやられており、月日の流れを感じました。でも、現時点で国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士の説明が掲示されており、古いなりに更新されているのが良かったです。
細胞たち研究開発中
体性幹細胞・ES細胞・iPS細胞が見れますが、、、この細胞って本当にこの顕微鏡のステージ上にある生きた細胞なんだろうか?
展示はインキュベーターの中に顕微鏡が置かれていて、ボタンをでカメラを切り替えて見れます って雰囲気なんだけど、ガラスケースが全く曇ってないし、触っても大して温かくなかった。そういう雰囲気の演出がされているだけ?展示説明には「本物」って書いてあるから、リアルタイムで細胞を見てると思ったんだけど、どうなんでしょう。
自分が生物学の中でも発生について研究していたから、見る目が厳しくなっちゃうんだけど、広く浅く説明し過ぎな気がします。
“ちり”も積もれば世界をかえる
日本科学未来館の本領が発揮されているコーナーじゃないかなと思います。
JAXAとJAMSTECの知見、模型や研究者の惹きつけるインタビューが濃密に展示されています。
「細胞たち研究開発中」のあっさり展示と割って欲しい。
計算機と自然、計算機の自然
これが科学館にある意義を考えさせられます。
落合陽一さんのシンボル展示「計算機と自然」が東京都現代美術館に展示され、オラファー・エリアソン氏の体験型作品《ビューティー》が日本科学未来館に展示されても違和感が無いなと。
科学が内包する美しさは科学者だけが感じるものではないし、「美術」「科学」と区別するがナンセンスなのかも。
ナナイロクエスト
エンターテイメントとしては一番面白いと思います。
タブレットを使って、クエストを攻略し、ストーリーを進めていきます。
驚いたのが、展示フロアが完全に壁に囲まれた部屋になっていて、部屋の中に科学館スタッフが一人もいない事。非常ボタンはあるけど、来館者が完全自由に過ごせる。
未来館に来てる時点で、民度が担保されてるってことなのかな?
プラネタリー・クライシス
この展示が一番良かった。内容と見せ方のバランスが良い!
「“ちり”も積もれば世界をかえる」は内容は濃いけど、パネルを読んだり映像眺めるだけで展示手法はシンプル。
逆に「ナナイロクエスト」は来館者が主体的に動くことを促されるが、テーマ自体は漫画とかで見聞きしたようなもの。
この展示の見せ方は今流行りのイマーシブだし、かといってエンタメにせず、フィジーの深刻な状況を現地の人に説明させるバランスの取れたものでした。
危機感が煽られ、気持ちが暗くなったところに広がるシアターから続く展示フロアには曲線が優しい雰囲気を出した木の棚で構成され、心休まる雰囲気なのもバランスがとれているなと。
サイエンスコミュニケーターについて
日本科学未来館の最大の特徴といってもいいのが、この存在だと思います。
思ったより、エンカウントしないな というのが印象でした。
私が観覧したのが平日昼間という閑散タイムだったのもあると思うのですが、、各展示に一人常駐しているのかなとイメージしていたのですが、そういう訳ではないらしい。
攻略方法
有料ゾーンと無料ゾーン
こういう建物ってお金を払って入館するイメージだけど、日本科学未来館は基本的に建物は無料で一部の有料ゾーンに入るためにお金を払います。
お金を払う場所は建物入る手前にあるから、それがわかりにくいんだけど。フロアマップ PDFが開きます
有料なのは1階の特別展ブース、3・5階の展示フロア、6階のドームシアター。
特別展はその時で値段が違うみたい。特別展のチケットを買うと常設展には無料で入れるが、ドームシアターは別料金。
常設展とドームシアターのセットチケットもあるし、どちらかだけのチケットもある。
無料なのは1階のシンボルゾーンやコミュニケーションロビーとレストラン。
無料エリアでイベントをしていれば、無料で観覧・体験可能。
展示を全く見ないで(チケットを一切買わずに)7階のレストランを利用することも可能。
整理券
HPでひっそり説明されているので、整理券の存在を知らずに体験出来ないという人も多いんじゃないかな。
都内の主要な美術館とかは混雑情報とかをツイートしてくれているし、未来館も同じように整理券がどれくらい捌けてるかツイートしてくれても良さそうなのに、してくれてないですよね、、、
デイズニーのプライオリティパス(ファストパス)と違って、同時に複数枚取得できるので、ナナイロクエストとプラネタリークライシスの整理券をゲットして、老いパークを体験すると良いと思います。
(上記3つは23年11月に新規オープンした展示)
最後に
国立科学博物館は取り扱い分野が幅広いから、誰でもどこかの展示には刺さる。
科学技術館は科学館だけど、子どもが喜ぶ体験が多く、身近な(家電レベルの)技術の解説なので大人にも刺さる。
一方、日本科学未来館は展示分野に偏りがある上、難易度高めに設定されているから、全く刺さらない人もいそう。
「理解しよう」というスタンスよりも、「知ろう」ぐらいのスタンスがいいのかなと思いました。
日本科学未来館が文部科学省所管である科学技術振興機構の一部署ということを考えると、日本(文科省)の施策のトレンドを知ることができるんじゃないかな?
実際、第6期科学技術・イノベーション基本計画 概要で国家戦略として挙げられている項目が展示とリンクしているように思いました。
バイオテクノロジー 細胞たち研究開発中
量⼦技術 今は常設展示されていませんが量子コンピュータの新展示が25年春公開とリリースされています。
マテリアル、環境エネルギー 地球環境とわたし
宇宙、海洋 “ちり”も積もれば世界をかえる
健康・医療 老いパーク
⾷料・農林⽔産業 プラネタリークライシス
AI技術展示は無いけど、発展著しいから、まだ常設で展示できないんじゃないかな。
逆に、展示エリアがかなり年季が入ってるのに差し替わらずに「地球環境とわたし」があり続けるのも納得。
※この記事は2024年7月に訪れた時の体験を元に記述しています。
長々と書きましたが、あくまで私が勝手に考察したものになります。
日本科学未来館は結構な時間をかけて回ったから、ボリュームたっぷりに書けたけど、同じ熱量で書き続けられるだろうか。。。
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