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港区民には全員行って欲しい港区立みなと科学館

みなと科学館について語るなら、語らねばならぬ書籍がある。

「東京ハイダウェイ」は作者の古内一絵さんがみなと科学館が実施しているおひるのプラネタリウムを知ったことがキッカケで書き始めたそうです。
6編のそれぞれの主人公たちが東京にハイダウェイ(隠れ家)を見つけ、そこで隠れながら自分の人生と東京での生活を切り開いていく。。。というストーリーです。
最初と最後のハイダウェイがみなと科学館になっています。


国立と区立が同居するフロア構造

グーグルマップのコメントを見ると、勘違いしている方が多々いますが、2階のプラネタリウム向かいにある気象科学館は、みなと科学館とは運営が別になります。
1階の展示フロアと2階のプラネタリウムのみがみなと科学館です。

気象庁科学館は国立、みなと科学館は区立。
それが顕著に表れていたのが令和6年8月の台風7号に対する対応ですね。
「不要不急の外出を控えるように」と呼び掛けていた気象庁が運営する気象庁科学館は休館。みなと科学館は開館していました。

無料公開のプラネタリウム

平日12:30~12:50はおひるのプラネタリウムと銘打ち無料開放しています。
この建物の地下には食堂があるそうで、虎ノ門ワーカー達はランチ後にプラネタリウムに来るそうです。
また、有料にはなりますが、最終回は19時と夜遅くまで上映しています。
番組を上演するだけではなく、星空解説があります。

港区ならではの展示

物化生地が港区に絡めて説明されていました。

港区の生物

港区の自然を紹介するボード。

展示フロア中央にあるデジタルマップでも詳細を確認することができました。
港区には国立科学博物館附属自然教育園があるので、そこが単独で港区の自然力を底上げしていると思っていました。
が、人工島だと侮っていたお台場海浜公園が自然豊かな事がわかりました。

港区の港

テトラポッドって登録商標で、消波ブロックはいろいろな形があるんですね。

私はこの手書きが好き。手書き大好き。
印刷された字より、伝えたいんだ!って気持ちが伝わってきて、印刷されたものより注目してしまいます。

高層ビルの窓ふき

ハンドルでモーターを回して発電し、その電力でゴンドラに貼ってある太陽光パネルを照らすと、ゴンドラが上がって窓ふきをします。
太陽光パネル乗せた車を走らせるんじゃなく、高層ビル掃除ってところが港区ぅ!と思ってしまいました。

ゴジラー1.0で見たやつ!!

これ、海神作戦の!!と思って一人興奮した展示。

主作戦として、ゴジラを相模湾にある相模トラフに誘導。続いて大量のガスボンベを括り付けたケーブルを駆逐艦から曳航してゴジラの体に巻きつけた後、ボンベに注入された大量のフロンガスを一斉に噴出・発させることで、ガスの泡でゴジラを丸ごと包む。それによりゴジラと触れる海水の密度が小さくなることで浮力が弱まり、重量を支えられなくなったゴジラは一気に相模トラフに急速潜航する。これにより約35秒という短時間のうちに水深約1500mにまで沈降させて凄まじい水圧をかけ、ゴジラの圧壊を企てるというものである。

https://dic.pixiv.net/a/%E6%B5%B7%E7%A5%9E%E4%BD%9C%E6%88%A6

ボタンを押すと水槽下から泡が発生し、浮きが沈みます。
直感的に泡に包まれて沈むというのが理解出来なかったので、実際に観察出来て良かったです。

あくまで区のための科学館

2020年に開館した港区立みなと科学館ですが、開館してから既に14本もの企画展を開催しています。
1年に3本というのはなかなか企画力があるなーと思います。
これはおそらく、常設展が小さく飽きられやすいので、繰り返し来館する近所の人たちに対する目新しさを維持するための施策なんだと思います。

また、ランチタイムのプラネタリウムが無料なことと、開館時間が20時までなので、虎ノ門近辺のオフィスワーカーをターゲットとしていることが分かります。
つまり、港区に住む子どもと、そこで働く人たちを来館者として設定しているんですよね。

私の記事で今まで紹介した「日本科学未来館」や「札幌市青少年科学館」の様に遠方から訪れるタイプの館ではないと思いました。

港区に住む子や働く人たちが訪れると、科学に触れられるし、自分の住む/働く港区について理解が深まる場所になっています。
地元愛も深まるでしょう。

東京ハイダウェイは2022年夏から2023年夏を舞台にしています。コロナ明けの微妙な空気感や登場人物の心の機微は今しか読み取れないんじゃないかなと思います。
是非、今すぐ読んで、聖地巡礼に訪れてください。


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