高知大量辞退問題 県教委に懇談申し入れ

 IRIS系組合の一つであるIRIS高知では、来年度の小学校教員採用試験合格者280名のうち204名が早々に辞退を申し出たことを受けて、高知県教育委員会に対し、12月下旬か1月上旬をIRIS高知との懇談の場を設けるよう求めました。それに先立ち、IRIS高知として、人手不足の原因と対策を次のようにまとめ、県教委に伝えました。
 これをご覧になった皆様からも、広くご意見を募集したいと思います。IRIS高知を通じて県教委に伝えます。高知県外の皆様からのご意見もお待ちしています。IRISのXアカウントにDMでお送りください。

1 学校現場が人手不足に陥っている原因


(1)全国的なもの
①多忙である
 法的根拠を伴う形で業務量の上限規制が行われるようになってもなお、上限を上回る時間外在校等時間が常態化している。
②抜本的な改善がなされない
 さまざまな工夫により、以前に比べれば業務量は減ってきているものの、小手先の改革にとどまっており、抜本的な改善がなされる見込みがない。

(2)本県特有のもの
①給与が低い
 他地域と比べて明らかに見劣りのする給与であり、金額で比較されると、真っ先に選択肢から外されてしまう。
②初任者や少経験者の負担が重い
 外部で行われる研修の回数や、指導案の本数が多すぎる。
③部活動の時間が長い
 着替えや準備の時間を部活動の時間から除外したり、始業前の活動時間を部活動ガイドライン上の活動時間に組み入れなかったりなど、あの手この手で部活動を行おうとするため、他県に比べ目立って活動時間が長い。
④代替講師の募集時期が遅い
 育休取得の申請は事実発生日(出産日)以降にしか行うことができず、代替講師の打診はその申請後にしかできないため、実際に講師が着任するまでに少なくとも1・2週間程度のタイムラグが生じる。

2 原因に応じた対策


(1)多忙であることに対して
 業務量の上限規制に実効性を持たせる。管理職への研修強化などが考えられる。
(2)抜本的な改善がなされないことに対して
 地域や保護者の理解が得られないことを理由に改革しないのではなく、地域や保護者の理解を得られるよう啓発することが当局の役割であると自覚し、断固たる決意で改革に臨む。
(3)給与が低いことに対して
 政策判断として給与の引き上げを実施する。それに伴い、国庫負担割合の引き上げや補助金の支給などを国に要請する。
(4)初任者や少経験者の負担が重いことに対して
 法定研修以外の研修を廃止し、法定研修の内容も大幅に簡略化する。
(5)部活動の時間が長いことに対して
 部活動ガイドラインの厳格な適用を行う。拡大解釈を許さない。
(6)代替講師の募集時期が遅いことに対して
 先読みで講師を加配できるよう条例を改正する。

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