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選挙の思い出

こんにちは。
今日は在米中に感じた選挙に関する個人的な思い出の共有です。

注意⚠️個人的な政治思想、政治支持に関することは
何一つ触れておりませんことご留意願います。

米国選挙

我が家はパートナーの仕事の都合で15年以上アメリカに住んでおりました。
その間アメリカの大統領選挙が4回、中間選挙を含めるとその2倍、
市長・市議会選や州知事選を入れると選挙の回数は
10回以上の数あったと思います。

米国での有権者ではありませんでしたが米国生活を経験したことにより、
政治、政策に対する見方、捉え方が変わりました。以前は政治、政策は
自分とは遠い世界のことの様に感じていましたが、米国での生活を通し
選挙選を身近に感じる中で、

・政治とは自分とは別次元の世界の話ではなく、自分の日常生活に、
 将来に繋がる身近なものである。

・1有権者として政治に向き合うことで自分の属する
 コミュニティー・国に対する期待と応援を表明することになる。

という当たり前だけれど日本ではあまり声高らかに謳われないことを
米国の選挙選の度に強く感じていました。

米国で生活を始める前、日本のメディアを通して見ていたアメリカの
直接選挙の様子は米国で生活を始め見始めた現地メディアから伝わってくる
熱量と若干の違いはあったものの、大きく異なる事はありませんでした。
日本の間接選挙とは違って、自分の一票が候補者への直接の一票になる
わかりやすさもあるのか、投票への熱量は現地の大手メディアでも
ローカルメディアでも強く感じられ、直接選挙と投票者の一票への
願いの強さを感じていました。

又、街中の様子からも選挙への熱量は至る所で感じられました。
選挙選が始まると、早々に多くのご家庭で道路から良く見える場所
(庭や玄関のドア付近)に、支持する候補者の名前の旗や看板等が飾られ、
選挙投票日に向けてそれらの数は赤、青、両色共に色々な場所で
増えていきました。

N=1の感想ではありますが、日本で自分が生活していた生活圏内で、
選挙時に各ご家庭で支持政党を熱心に掲げて応援するというのは
目にしたことはありませんでした。(もちろん、日本にもそのような団体、
ご家庭があるのは存じておりますが、私の生活圏内では身近には
ありませんでした。)友人や職場の同僚との会話で選挙や政策に関し
それほど話題になることはほぼありませんでしたし、そのような環境に対し
特に疑問も感じてもいませんでした。実家の家族は選挙には必ず投票に
行っていましたし、私も成人してからは、投票には欠かさず行っていましたが、
米国で目にした選挙に対する国民の意識の高さと熱量は
日本で自分が感じていた投票、選挙に関する意識・熱量とは
比較できないものでした。

そしてそれは、大人だけでなく子供達も含めてでした。
子供達がお世話になったアメリカの小学校では、学校内行事として、中間選挙、大統領選挙どちらの時も選挙に関することを学校で学ぶ機会がありました。
子供なので、もちろん実際の選挙権はありません。
ですが、将来的に有権者として選挙に行く権利を持つ、自分の生活に関わる
政策に1票を投じる、自分の将来の生活を左右する大事な1票を有する
有権者であるということを学校として子供達にもわかりやすく教える機会を
もってくれていました。

模擬選挙という形ではありましたが、子供達にも実際の投票と同じような
雰囲気の中で模擬投票→開票→結果発表というような形で学校内で
選挙を経験させてくれたのです。投票場の雰囲気も先生方のお手製ですが
実際の投票場を模倣した様子だったとのこと。

例えば、2016年の大統領選の時は、実際の候補者トランプさんと
ヒラリー・クリントンさんの名前の書かれた投票用紙に印をつけて
投票すると言うものでした。実際の候補者の名前を使って投票の練習をする事がいいのか、悪いのかと言うところは賛否両論だとは思いますが、
未来の有権者である子供達が、実際の大統領選挙の候補者に対し
模擬であっても本人なりに色々考え1票を投じるという経験は
とても貴重な経験だったと思います。

(余談ですが、投票に関する感想を我が子に聞いた所、
 まだ低学年だったこともあり、Boy’s power/Girl‘s powerという点で
 どちらに投票するか決めた(注:社会的にgender意識が高まる前の話です)と
 言っていました。大人が期待するような選挙公約からの投票理由では
 ありませんでしたが、だからこその子供の擬似投票で、本人なりに
 その時に精一杯考えたであろう何かしらの理由で投票したこと自体が
 貴重な経験と将来的な投票への一歩に繋がると期待し、温かく頷きました。
 そして、投票には守秘義務があるから、誰に投票したかは人に言わない、
 そして人にも聞かないことが鉄則なのよ!とも伝えました。)

こうした模擬選挙を学校行事として行うのはイベント好きという
米国の文化・お国柄もあるのかもしれませんが、個人的な1感想ではありますが、子供達は将来の貴重な有権者であると言う意識を大人が共通認識として
持っていると言うことも1つの理由なのかなとも感じます。

私は有権者ではなかったため、もらったことはありませんでしたが
アメリカでは投票後に”I Voted”(投票しました)と印字されたsticker(シール)をもらうことができます。大人の方達であっても、投票後そのstickerを服に着けて1日過ごしている方も多く見られました。そういった姿を子供達は日常的に
目にしているためか、我が子も学校の模擬投票後、”I Voted” stickerを頂き
誇らしげに胸につけスクールバスから降りてきました。そして
「今日学校で投票したよー!」と嬉しそうに教えてくれました。

今は子供だけれども、いつかは自分も有権者になり、自分の生活に関わること、未来に対しての貴重な1票を投じる立場になれる、一言物申すことができる大人になれる。そういう期待を胸に感じられる模擬選挙のstickerなのかなと思いました。

我が家の子供達が将来的にどの国で投票権を持つことになるのか
現時点では分かりませんが、どこで投票権を持つことになったとしても
自分の1票が地域の、国の方向性を応援する、支持する1票になり得る
と言うことを子供の頃から認識し、その1票が万能ではなくても、
自分の1票は何かに関わる、何かを変える1票になりえるかもしれない
大事な有能な1票であるという意識を持つ経験できたのは
とてもありがたい経験だったと思います。

在外選挙

在米中、日本の選挙に関しては、色々な理由が重なり全部の在外選挙に参加する事は叶いませんでした。私達が住んでいた場所は、所管の日本領事館から
車で片道4〜5時間かかるところにありました。平常時であれば片道4〜5時間は
米国ではそこまで遠い場所ではないのですが、子供達が幼い&医療的ケア・
サポートが必要な家族もいたため長距離移動はなかなか難しく、夫も私も
全ての在外選挙に参加する事はできませんでした。子供達が大きくなり、
体調も落ち着いてきた時にようやく在外選挙に投票に行くことができました。

在外選挙に行く際は子供達を家に残し大人2人だけで向かう訳には
いかなかったので、家族旅行として領事館の近くに宿泊し、
家族全員で投票所に向かいました。海外で領事館に行かれたことがある方は
わかると思いますが、領事館に行くだけでも結構な緊張感です。
厳重な警備体制。国内でありながら海外の領地(米国でありながら日本)を
感じる空間。日本国内でのちょっと歩いて近所の投票場へ投票に、、、とは
異なります。1票を投じるのに数時間かけて移動し、宿泊もし、
厳重な警備体制の下、いざ投票場へ。。。

投票所の中に子供達は入れないので、片方が投票する際はもう片方が
子供達と共に外で待機していました。領事館でボランティアされていた方々が
とても親切で、子連れで投票に来るご家族はあまり多くはないとのことで、
遠方から子供達を連れて投票に来たという私達親へのねぎらいと、
将来の貴重な有権者である子供達への投票への励ましの声かけを
してくださいました。外からではありましたが子供達にちらりと
投票場の雰囲気を見せてくださいました。日本国内では子供達が
投票場に近づくこともなかなか難しいと耳にするので、
とても貴重な経験だったと思います。

遠い海外からの私達の1票がどれだけの力を持つのかはわかりませんが、
0よりはよし。 1番身近な大人である親が有権者として、遠方から
車で4〜5時間かけて、1票を投じるために投票場へ向かうという
選挙に対する姿勢を共有できたことは家族としても貴重な思い出に
なったと思います。

子供達が有権者になった時に、政治・政策を自分に身近なこととして
自分のたった1票が0よりは十分意味のある
未来へと続く1票になるかもしれないことを信じ、
投票場へ足を運び自身の貴重な1票を投じることを願いたいと思います。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました。

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