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食べ物アレルギー

こんにちは。

今日は食べ物アレルギーに関する言語化です。

家族の一人が重度の食べ物アレルギーを持っています。
食べ物アレルギー(Food Allergy)は目には見えない内部疾患で
アレルギー症状が出ない限りは可視化されないので
平常時は周りには意識されにくいけれど、
一旦症状が発症すると命に関わる可能性もある非常に危険な疾患です。

あまりに当たり前にできる為、多くの人は食べることに対して
取り立てて特別な意識をする必要はなく気軽に飲食するけれど、
よくよく考えてみると食べることは生きること。
生命・健康維持に直結する重要な行為なのだと気付かされます。


初めての食べ物アレルギー発症

我が家の家族に重度の食べ物アレルギーがあることがわかったのは
2歳半過ぎでした。外食先で夕食を食べ終わる頃に何だかいつも
(イヤイヤ期真っ盛り)よりも機嫌が悪く、自宅に戻り
お風呂に入れようと服を脱がせたその時(食事から30分過ぎ頃)、
上半身に見たことのない麻疹が目に入りました。と同時に
顔も目もみるみるうちに腫れ上がり目も開けていられないような程。
一瞬、毒を盛られたのかと思いましたが即、何かのアレルギー反応だと
察し、救急に車で大急ぎで向かいました。車内では咳も出始め
何より機嫌はますます悪くなるばかり。もう泣くはなくは咳は出るわで
かわいそうだしこちらは不安だしで大変でした。

救急で診察を受け、おそらく何かの食べ物アレルギーであろうとのことで
処置を受け、徐々に落ち着きその日は一先ず帰宅。
かかりつけ医の小児科の受診と小児アレルギー科への受診、検査を経て
数ヶ月後に食べ物アレルギーであるとの診断を受けました。

それまでの数ヶ月間は何にアレルギーがあるのかはわからない状態で
先日の夕食時に食べた食材から怪しそうな食材を除いた食事をして
様子をみていましたが、その間も微妙な反応が出たりと
口に入れるもの全てが疑わしく思え、食事の準備もかなりストレスでした。

診断を受けたら受けたで、その食材は結構多くの物に含まれがちな物で
除去をするのが一苦労&ストレス。
それでなくとも乳幼児期の食事の準備は色々と大変なもの。
輪をかけて大変さが増し、食材選び、食事準備は
とてもストレスを感じる家事業務となりました。

美味しそうなものは口に入れてみたい、食べてみたい。
周りが食べている物と同じものを食べたい。

子供の興味、関心、好奇心を応援したい親心と
命の安全を守るべき責任者としての親心の間で
いつも気持ちは揺れていました。

米国での学校生活

子供がお世話になった米国の学校生活では驚く程日常的に
食べ物が学習教材として使われていました。
又、学校行事、季節行事はいつも食べ物がついてまわりました。
食べられる子供達には嬉しく美味しい学びのご褒美ですが
アレルギー疾患を持つ親の私にしてみたら
何とも危険で悩ましい代物でした。

例えば日本であれば数を数える学習に使うのは
小さなブロックやおはじき等の学習教材が一般的だと思いますが
子供がお世話になった米国学校ではM&Mでした。
算数で立体を学習した際の模型作りは小さなマシュマロとプリッツ。
学習後にはReward(ご褒美)として美味しく食べましょう〜みたいな。
(先生曰く、食べ物が一番生徒さん達のやる気を引き出せるとのことでした。
 正直、個人的には学習と食事は分けてほしいと思っていましたが、、、)

米国の新学期は9月頃始まり6月頃終わりますが
10月:Halloween event
11月:Thanksgiving event
12月:Christmas/Holiday event
1月:Winter reading event(パジャマで登校&ココアを飲みつつ一日読書)
2月:Valentines day event
3月:St. Patrick’s day event
4月:Easter event
5月:End of school party event

等々、大まかな季節イベントを上げるだけでも
毎月何かしらの季節イベントがあり、
そこでは軽いスナック菓子が用意されたりと
アレルゲンを口にしてしまうかも、
アレルゲンに触れてしまうかもしれない可能性が
多くありました。

季節イベントの他に、米国ではお誕生日の当事者
(Birthday Boy/Girl)の保護者がクラスの人数分、
お祝いのケーキ(大体が分けやすいようにカップケーキ)や
ちょっとしたスナック菓子等を学校に持ち込み、
昼食時間にカフェテリアでお祝いするという
(日本では想像できないような)
米国ではとても一般的な習慣がありました。

新学期にはクラスにアレルギー持ちの生徒さんの有無が
クラスの全保護者にお知らせされるので
誰が何のアレルギーを持っているかは一応は
知らされてはいるものの、アレルギー疾患を御自身もしくは
ご家族が持っていない場合は、アレルギー反応の恐ろしさは
なかなか想像もできないことだと思うし、
又、同じクラスに違う種類の食べ物アレルギーを持つ生徒さんが
複数人いる場合は、アレルゲンフリーにすること自体が難しくなるし、
何より、誰のお誕生日会かを中心に考えると、
食べ物アレルギーを持つ生徒さん達に合わせること自体
本末転倒な場合もあったり、、、と

誰かのお誕生日会が近づくとその保護者が
持ち込む予定のケーキやお菓子の原材料の写メを送ってくれて
食べられるか否かを事前に確認するように気遣ってくれたりと
温かなお心遣いはありがたい一方で申し訳なさも。

そして、いただいた写メの原材料の中にアレルゲンが
入っている場合は自宅からアレルゲンフリーの
カップケーキを準備して持たせたり、、、
「お誕生日」って年に一回の特別なものだと思うけれど
いやはや一体、年単位どころか1ヶ月単位で
お誕生日会用のカップケーキの準備を何回してるんだろうかと
ふと自問自答したり、、、

家庭内でアレルゲンを避けながら栄養を考えて食事の準備だけでも
既に十分大変な家事業務なのに、
日常的に多くの時間を過ごす学校で昼食のメニュー以外でも
アレルゲンを気にしながら過ごす環境というのは
なかなかチャレンジングでした。

自己管理に向けて

体は文字通り一生付き合う物。

食べ物アレルギーの管理には

・自分の体であるという自己認識/Self-awareness
・自分が自分の体を守るという当事者意識/Ownership
・興味を理性で抑え、自分で体を守る/Self-control

が必須。
とはいえ、脳、特に前頭前野がまだまだ発達途中の子供には
それらはとても難しく。

二桁の年齢に近づく頃、少しづつ理想と現実の折衷点を
自分なりに納得するような姿勢が見られるようになってきたけれど、
とは言え、目の前で周りが気軽に口にしている物を
自分は口にできないという現実を受け入れるのは
なかなか難しいことだったようです。

自分の体、自分の命は「自分で」守り大事にすることを丁寧に伝え、
親の私達が守るというフェーズから、
徐々に徐々に色々なことを本人に渡し、
自己管理に向けて今も日々積み重ね中です。

自分の体・命にOwnershipを持ち、自分で自分を守り、
いつかその先に自分以外の他者も守ることができるようになると信じ
日々、小さな積み重ねを継続します。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。