【1月末までに提出】法定調書ってナニ⁉
税理士法人 入江会計事務所の北村です。
2024年もいよいよ残りわずかになりました。みなさまにとっては
今年はどんな一年でしたでしょうか?税務の面では、今年は定額減税
が一番のトピックだったのではないかと個人的には思っています。制
度の中味が直前まで二転三転し、特に会社の経理担当の人は混乱した
人も多いと思います。我々も今はまだ年末調整の真っ只中で確定申告
が終わるまでは気が抜けませんが、しっかり対応して参ります所存で
す。
さて、まもなく年が明けますが、我々会計事務所のスタッフが毎年最
初に取りかかる仕事の一つに法定調書の作成があります。今回はこの
法定調書について取り上げてみたいと思います。
法定調書とは所得税法、相続税法、租税特別措置法などの規定により
税務署への提出が義務付けられている資料のことです。現在は63種
類の法定調書がありますが、みなさまにとって一番馴染みのある法定
調書といえば「給与所得の源泉徴収票」でしょうか。サラリーマンの
方が一年の間に勤務先からどれだけの給与の支払を受け、そこから所
得税がどれだけ徴収されているかなどが記載されている書類ですが、
これも実は法定調書の一つなんです。
それ以外の法定調書としては「退職所得の源泉徴収票」、「報酬、料
金、契約金及び賞金の支払調書」、「不動産の使用料等の支払調書」、
「配当、剰余金の分配、金銭の分配及び基金利息の支払調書」、「国
外財産調書」などがあり、これらのうち、給与や退職金、報酬、不動
産の使用料、不動産の譲り受けの対価などの1年間の支払額をA4の
用紙1枚にまとめて記載したものが「法定調書の合計表」という書類
で、翌年の1月末までに税務署に提出することとなっています。
それでは、これらの書類を作成する目的って何でしょうか?それは、
お金を支払った側(法人、個人事業主)が、お金を支払ったという事
実を税務署に報告することにより、税務署はお金の動きを把握し、そ
のことで課税が適切に行われているかを確認することにあります。
例えば、Aさんが保険契約が満期を迎えて満期保険金の支払を受けた
場合、Aさんは確定申告が必要になりますが、満期保険金の支払を受
けていることは保険会社から税務署に報告されているので、万が一A
さんが満期保険金について確定申告を怠ってしまった場合には、税務
署はAさんに連絡をして、満期保険金について確定申告するように促
します。このようにして納税者が脱税しないように税務署がチェック
をする際には、会社などから提出される法定調書が必要になる訳です。
適正な納付を実現させる上で法定調書は大きな役割を果たしますので、
煩雑な作業ではありますが確実に行いたいものです。