決算をまたいで支払われる損害賠償金
Q.当社の従業員が業務で会社の車を運転中、誤って民家の塀にぶつけて
しまい、損害賠償金を支払うことになりました。
当社はこの民家の所有者に損害賠償金として300万円を支払うこと
を申し出ましたが、所有者との協議の結果、当社が350万円を支払
うことで最終的に決着しました。
当社は3月決算の法人で、車両事故があったのが1月、損害賠償金の
申し出をしたのが3月、決着したのが7月です。
この場合、決算時に当社が申し出た損害賠償金は損金として計上する
ことができるでしょうか?
ちなみに今回の事故は当社には重大な過失はありませんでしたし、当
然故意によるものではありません。
A.損害賠償金は原則的には支払うべき金額が確定した日において損金の
額に計上することとされていますが、事業年度終了の日までに金額が
確定していない場合であっても、相手方に損害賠償金として具体的な
金額を計上している場合には、その金額を未払金に計上することによ
り、損金の額に算入することができます。(法人税基本通達2-2-
13)
今回の場合、3月の決算を迎える前に当社が先方に損害賠償金300
万円を支払うことを申し出ているので、この300万円は決算時に未
払金計上することで損金に算入され、決着した7月に差額の50万円
を損金に計上することとなります。