【現役中学生が書いてみた】諦恋
今思えば、私は彼が好きだったんだと思う
彼と私は二年連続で同じクラスになった
入学した時からド陰キャな見た目と人見知りで
なかなか友達ができなかった私に初めて声をかけてくれた人
毎日、毎日毎日、私に「おはよう」って言ってくれた人
授業中うとうとしてたら肩をトントンってして起こしてくれた人
朝から食欲がなくて体調がわるいのを
一番最初に気づいてくれた人
黒板掃除のときに背伸びをして一番上を拭いていたら
「俺がやるよ」って言って手伝ってくれた人
部活に行く前に教室で二人でいつも話してた人
嘘つく時声のトーン高くなるって私の癖を見つけてくれた人
苦しかった時、一番に気付いて抱きしめてくれた人
「泣いてもいいよ」
「俺の前では強がらなくていいよ」って言って心を軽くしてくれた人
思い出すと私は彼にすごく救われてたんだなって思う
やっぱりすごく好きだったんだと思う
3年生になって彼とは違うクラスになった
ある時友達から彼に好きな人がいるという話を聞いた
「気になる?教えてあげようか?」と友達に聞かれた
なんて答えるべき?
気になるって素直に言えばいい?
気にならないって彼のことを吹っ切ればいい?
好きな人を知るのは怖いから私に関係ないって言えばいい?
どう答えるべき?
頭の中に絵の具がにじむように考えが混ざっていく
私が彼を好きってことは誰にも言えない
噂になって広まって彼に知られたら、嫌だから
「もう私と関係ないから」
また、強がり。
でも強がることしか、知らないから
心のなかで「知りたい」って叫んでいるのに
でも同時にわかってることがある
それは
「私なんかじゃ敵わない」
私に与えられた選択肢は、諦めることだけ
そんな、私の諦恋を思い出して、泣いてしまった
彼に撮ってもらった桜と私の写真と
残っているこの気持ちを一緒に引き出しにしまった