「攻撃性」は生まれつきのものではない、という話
今日は少し、心のメカニズムの話をしようと思います。
世の中には「穏やかな人」と「攻撃的な人」がいますね。
後者は怒りっぽく、少しでも自分が攻撃されたと感じると牙をむくタイプの人です。
反射的に攻撃スイッチが入り、考えるより先に体が反応してしまいます。
強圧的な口調で相手を威圧したり、時には暴力を振るってしまうことも。
真正面からではなく陰湿な攻撃をする場合もあるでしょう。
性格が穏やかで滅多に怒らない人からすると、「攻撃的な人」というのは
心に余裕がなくて可哀そうな人
精神的にヤバい人
というように映るかもしれません。
でもここで少し視点を変えて、考えてみましょう。
人生のスタート地点はみんな同じで、最初は純粋無垢な赤ちゃんだったわけです。
赤ちゃんのときから攻撃的だった、という事例は聞いたことがありません。(犯罪を起こしやすい遺伝子というのがありますが、ここでは触れません)
「人間の攻撃性」は先天的ではなく後天的であることがほとんどで、育った環境が大きく関係しています。
遺伝や生まれつき、というよりも
何か理由があって攻撃的な気質になった可能性が高いのです。
その理由にはいくつかあるのですが、今日はそのうちのひとつ「自己愛と攻撃性」の話をしようと思います。
参考までにどうぞ。
自分で修復できないほど、自己愛を傷つけられた
人は自己愛が傷つけられることが繰り返されたり、その傷が深いほど攻撃的になると言われています。
※自己愛=自分自身への愛情
特に幼少期の影響が大きく、周りから否定されたり拒絶されることで自己愛は傷ついていきます。
自己愛を傷つけられるパターンとして多いのが、親からの暴言や暴力。
そして、学校でのいじめです。
自分は自分を愛したいのに、周りがそれを許さない。
この状態が続くと精神バランスが崩れていきます。
1人の力では生きていけない小学生くらいまでは、大人しく周りの言うことを聞いていますが(生存本能)、自立心が芽生える年頃になるとだんだんと攻撃的な性格になります。
脳が発達してくると、世の中の矛盾や不公平さにも気づき始めます。
幼い頃には湧かなかった怒りが、成長とともに表面化しやすくなっていきます。
自己愛が未成熟だと、なぜ攻撃的な性格になるのか?
これについては弱い自分を守るためです。
弱い自分、というのは身体的なことではありません。
「自己肯定感が低い=弱い存在」
という感覚からきています。
弱い自分を守るために、強気な態度をとったり乱暴な言葉を使うようになるのです。
非行と攻撃性は共通する部分も多いですが、同じものではありません。
なぜなら非行にも過剰抑圧型と攻撃型があるからです。
※過剰抑圧型… 親の教育が厳しすぎた
※攻撃型… 親から心理的もしくは身体的虐待を受けた
過剰抑圧型だった場合、自己愛の損傷というよりも「窮屈さをずっと我慢してきた怒り」から非行に走ります。
たまに優等生が凶悪犯罪を犯したりしますよね、あれです。
それ以外では、中高生が好奇心でタバコやバイク、夜遊びをするパターンもありますが、これはまぁ若気の至りというか、、よくある話ですね。
自己愛の損傷とはあまり関係がなかったりします。
まとめ
今日は「自己愛と攻撃性」の話をしてみました。
自己愛が未成熟な人、というのは
ありのままの自分を愛することができない状態です。
そのため、現実逃避をするように「自己の誇大化」をしておりプライドが高い傾向にもあります。
少しでも自分を傷つけようとする人が現れると、攻撃態勢に入ります。
他者からの言葉や態度を過敏に察知し傷つきやすいため、引きこもりや鬱病になったりすることもあります。
・・・実は私も、昔は自己愛が未成熟でした。
ここでは内容は語りませんが、けっこうイヤ~な性格でしたよ笑
いつも敵意むき出しで、誰かを睨みつけてました。
そりゃ仕事も人間関係も続かないわけです・・。
自己愛の未成熟さは、発達障害などと重なっていなければ治療によってある程度は改善させることができます。
それについては、また今度書こうと思います。
今日はそんな感じです(^^)
最後まで読んでくれてありがとうございます。
また近々更新します。