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#509 社会のセーフティネットをみんなで作る

 国家は国民のために存在し、国家の諸制度は国民を守るためのインフラです。国民一人ひとりが安心できる国を作るためには、その各人が誰かを助けるためにほんの少しだけ優しくなることが必要だと言えます。

 そのためには私たちは様々な知識や技能を獲得し、想像力を働かせることが求められる。それが私たち一人ひとりを守るセーフティネットとして機能し、自分が窮地に陥った時、自分を助けてくれる制度になるからです。自分の人生が自分だけの力で成立していると考えるなど、傲慢以外の何者でもなく、目に見えない様々な環境的要因や、他者の助けに感謝することで、自分の今の現状のありがたさを実感し、それを誰かに還元する。そんな気持ちが大切なのかもしれません。

『「税金で飯食ってる自覚あるのか」生活保護受給者に窓口で威圧 桐生』という記事を見つけました。

 

 群馬県桐生市において、受給者が市の窓口で相談員から「お前は税金で飯を食っている自覚があるのか」「生活保護は他の自治体で申請しろ」などと威圧的な対応をされた事例が新たに報告されたと書かれています。

 生活保護受給者の中には、社会の中で他者と適切な人間関係を築く力が十分に発達していない人もいる。そのような人は時に、市職員に対して不適切な言動を行うこともある。職員側としては、もちろんそれは許すべきではないし、そこにはお互いのリスペクトが必要になる。

 一方、「お前は税金で飯を食っている自覚があるのか」という発言は、そもそも制度自体の存在否定であり、それが社会のセーフティーネットの一部として機能していることの認識が足りていないと言わざるを得ません。また、その人がどのような事情で生活保護を受けているのかを考える知識と想像力も欠如しています。

 知識と想像力の欠如は、お互いの「怒り」を増幅させ合い、それが本質的な意味での「戦争」を起こすことをもっと自覚するべきなのです。


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