"夜道"
普段は見ることのできない景色を久々に眺めた。あの景色は夏以来だろうか。それとも、君が私を切り離した時以来だろうか。
どれくらいの日々が経ったのだろう。儚き人生を君は何も感じることなく、目の前の夢に向かいただただ前へ進んでいる。そう、君は私を必要とする事なく。
寂しさと埋めるための存在か
暇を潰すための存在か
利用するためだけの存在か
欲求を満たすためだけの存在か
君にとってはただの使い切りの存在だったのかもしれない。
しかし私の要求を君は拒んだ。
私が君を必要としても
私が君と生きたいとしても
君は拒む。
これこそ身勝手というものではないだろうか
しかしどの人間も潜在意識は同じで
誰もが何かから満たされるがために
人を蹴落としてでも、自身の在り方を壊してでも満たされに行く。
私も同類で満たされたいものがある。
しかしそれが不可能なだけで
しかしそれが許されないだけで。