7239 タチエス決算分析
こんばんは、本日は配当利回りが6%を超えてきた高配当株であるタチエスを分析したいと思います。
1.企業概要
独立系の自動車シート専門メーカー。国内自動車メーカー向けを中心に自動車のコンセプトや機能に合わせ軽自動車から高級車・トラックまで多様な車種の自動車用シート(フレーム、縫製)、シート部品の製造販売。
全世界70拠点(13ヶ国)の生産・開発・販売拠点によるグローバル化を確立。トヨタ紡織とのアライアンス(部品の相互供給、スライドレールの共同開発、トリムカバーの生産委託)、富士機工・河西工業と業務提携。
シートアレンジ機能はタンブル、回転、斜めスライド、ピッチング、ウォークイン、床下格納など豊富なバリュエーションを持つ。EV車用シート開発、自動運転車向け「自動調整型」シート開発、空間プロデュ—サーとしてCASE/MaaSに向けた新商品開発(移動マイルーム)を推進。
自動車シート以外のNon-Automotive領域への進出に取り組む。
2017年トヨタ紡織<3116>と業務提携、TF-METAL(富士機工のシート事業承継)を子会社化。主要取引先はメキシコ日産自動車会社、本田技研工業、三菱自動車工業。
2.業績推移
11.14発表された決算は売上高721億円(前年同四半期比+3.2%)、営業利益18億円(同比+14.3%)増収増益。経常利益以下は北米関連会社のインフ レ、為替影響等及び中国関連会社の貸倒引当金計上による業績悪化に伴う持分法投資損失の計上により年間では減益予想。
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長期トレンドでみると各地域別・メーカー別では下記推移となっている。
まず地域別では日本及び中南米が中心、他は概ねブレイクイーブンの見通しとなっている。
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ブランド別でみるとホンダや日産が中心で自動車メーカーの売り上げ増に連動してコロナを底に増収トレンド、FY24見通しはフラットとなっている。特に日産向けは有価証券報告書によるとメキシコ日産自動車会社がメインとなっており、その兼ね合いで上記中南米向けの売上が高いと思料される。この点やトランプ政権となったため、関税等の地政学リスクはダウンサイドリスクとして意識しておきたいところだろう。
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上期と下期のバランスとしては下記通り。
利益は下期に偏重の構造となっている。上期実績が締まっているので、差分で2Hの見込を出しているが、日本、北米、中国は1H前年対比減収となっており、2Hも同様の見立てをしていることからこの点は無理のない計画になっていると考えられる。一方で、中南米においては前年同期比で1Hは増収減益、2Hは増収増益の計画となっており、また中南米は日産向けの売上が大きいと思われるので、この点はリスクとして留意すべきであろう。
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3.高配当銘柄としての視点
11.15終値ベース株価は1722で配当利回りは6.03%とかなりの高配当の水準となっている。これは日産への売上比率が高い影響から警戒感が高まっていたと思われる。
当社の利益配分に関する基本方針は、主たる配当の財務指標として DOE(連結自己資本配当率)を採用する と共に、キャッシュフロー、中長期的に健全な財務基盤の維持などを総合的に勘案し、2024 年度に DOE4%を 目標として積極的な株主還元を実施していくこととしているため、赤字に転落しない限りは安定した配当を期待することができる。
その意味では配当性向を配当方針としている企業よりも減配へのリスクへの安心感はあり、現状の水準であれば押し目買いも入りやすく安心して購入できる水準ではないかと考える。
4.おわりに
本日は以上となります。
最後まで読んでいただき有難うございました。
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