初代中距離王者は誰だ!?100万円の行方をエネルギーから大胆予想!
吉岡 利貢(環太平洋大学・陸上競技部コーチ)
日本インカレ、全日本実業団も終わり、ミドルディスタンスのビッグレースは残すところ1試合となりました。
その1試合とは、800mの元日本記録保持者である横田真人さんが代表を務めるTWOLAPSによる「MIDDLE DISTANCE CIRCUIT 東京大会」(以下、MDC東京大会)です。この大会のメインイベントである男子1000mの出場権は、ワイルドカードで日本選手権優勝の田母神一喜選手(阿見AC)と河村一輝選手(トーエネック)、大阪大会600mで日本最高記録をマークした源 裕貴(環太平洋大学)、福島大会の変則1500mで優勝した飯澤千翔選手(東海大学)らが獲得しています。
既に中距離マニアの皆さんの間では、「日本選手権・全日本実業団2連勝の田母神だろう」、「ラストのキレで行くと飯澤か?」、「いやいや日本記録保持者の源・河村が最有力!」などと、予想合戦が繰り広げられているようですが、その予想合戦をより面白くするために科学から見た1000mの優勝者予想をしてみます。
距離だけで考えると源 裕貴が優勝候補筆頭!
800mと1500mの間の距離である1000mですが、どちらかというと800mに近い位置にあります(図)ので、単純に考えると800m選手に有利な戦いとなりそうです。ちなみに、距離のみから予想すると、100万円を獲得するのは源 裕貴(環太平洋大学)で、そのタイムは2分16秒88の日本最高記録となります。しかし、「800mを1分49秒通過からの27秒?」、「いや、1分50秒通過からの26秒?」と、ちょっと現実的な記録ではないような気もします。なぜ、そのような現象が起きるのでしょうか。そこには中距離選手がぜひ理解しておきたいエネルギーの話が関係しています。
そこで本稿では、800m選手と1500m選手が1000mで対決した際にどちらが有利なのか!?を、200mから1500mまでの距離で使われるエネルギーの特徴を比較したSpencerら(2001)の研究を基に考えてみました。
※ この記事による収益は、MDC東京大会へのクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/twolapsMDC)を通して、源 裕貴の賞金!?に充てられるほか、端数はMDC東京大会への遠征費として使わせていただきます。皆さま、IPUの選手をサポートするつもりで、ぜひぜひお読み下さい。
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