君はウルトラマンメロスの勇姿を見たか
シン・ウルトラマンの大ヒットを記念して、なぜかYouTubeにおいて「ザ・ウルトラマン」の短編アニメが見れるようになっているようだ。
ザ・ウルトラマンと言っても、誰もが知ってるウルトラの戦士の方ではなく、誰もが知らない方である。
6月30日までの期間限定公開なので、まだ見ていない人はとっとと以下から見てくれ。
この短編アニメに出てくる「ウルトラマンメロス」は、漫画家内山まもる先生の作られたオリジナルウルトラマンだ。
特徴的な頭部の形状と赤いライン、1970年代に描かれたとは思えないほどクールでカッコいいデザインだ。
しかし最大の特徴は、彼の纏う鎧だろう。
ボディのデザインは強そうだ、まあいい。
しかしその顔はなんだ。何がモデルなんだ。日本の伝統的な面文化か。
しかし物語を見ていくうちに、いつのまにかこの不敵な面構えを頼もしく思うようになっていくのも確かだ。
レーザーショット、アンドロメロス!
ただこの人、たぶん強さの八割くらいが鎧に依存しているせいか、鎧周りの言動がちょっとアレなのだ。
敵「そうか、お前は鎧を着ているな、卑怯者め!」
メロス「なんだと、おまえなど鎧が無くても倒せるわ」
(鎧を脱ぐ)
(しばらくの戦闘)
メロス「なるほど、こいつは手ごわいな」
(また鎧を着る)
メロス「さてあらためて勝負と行くか!」
こ、こいつぅ~って感じである。
どんな面の皮でそのセリフ吐いてるの?
メロス「俺は全身が鎧!
しかしお前は手と足がむき出しだぞ!」
て、敵のセリフだろそれ~!
メロス「俺の鎧にはブラックホールをなんとか防ぐ装置が付いているのだ」
さすがに「なんとか」なのが少し謙虚に思えてくるな。
最終的には、相手が「ぺこぺこ」と命乞いをしたところで、「俺は命乞いをする相手を殺せはしない」とか言って油断して背を向けるメロス。
そしてなぜか外部についてる鎧の着脱スイッチを押され、鎧がパージ。
その隙をついて敵の破壊光線が直撃し、メロスは戦闘不能になる。
・・・やっぱ鎧が強いよ鎧が。ベリアルの棒(ギガバトルナイザー)くらい強いよ。
その後、鎧はゾフィーに引き継がれる。
鎧を着た状態で敵の光線を喰らって一言、
「この鎧が無ければ私は、死んでいたな・・・」
やっぱり鎧じゃん。
「肩の部分は特に強いのだ」
とはメロスの談だが、肩に限らず全部分が強いよ。みんな同じのを着ればいいのに。
その他にも、ウルトラ兄弟が次々と襲撃されて死んでいるのに、アホみたいにのんきなウルトラマンエースとか、笑いどころは盛りだくさんだ。
・・・いや、笑いどころの話はもういい。
それより、内山まもる先生はとにかく絵がうまいのだ。
なにより、動きを描くのがうまい。
誰がどう動いているかがわかりやすい。
決めゴマだってカッコいいんだ!
レーザーショット(シュンシュンシュンシュン)アンドロメロス!の発射シーンなんて最高だぜ。
ウルトラキーなんてその後何の役にも立ってねーのに、ウルトラキーを構えるゾフィーの格好だけは様になってるんだよな。
ジャッカル大魔王が最初に出てくるコマとかも、敵のくせに立ち姿がいいんだよな。
アンドランで斬り裂かれるジャッカル下っ端のコマもいい。
しまったな、アニメになってない部分の話ばっかりしてしまった。
いや、いい機会だ。
君はこのタイミングで発売された、内山まもる先生のコミックスを買って、いっしょに燃えようぜ。
わしからも頼む。