#5 【言葉】は【言霊】〜ビリからの逆転劇〜
サラリーマン起業家のi-proです。
いつも私の記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。
私の記事では、『野球に人生を救われました』という、内容を書かせていただいております。大袈裟ではなく、私は人生の節目節目において、野球によって人生選択をおこない、人と出逢い、人に導かれ、今のサラリーマン起業家というキャリアを築くことができたと確信しております。
それでは、目次のおさらいです。
今回の記事では、ひとりの中学生が、偏差値32だった成績、ひと学年180人の生徒の内178番というほぼビリだった学力から、卒業前には偏差値を65まで引き上げ、学年2位となって、人生の目標を言葉に表現することで、目標に近づく【出逢い】を手繰り寄せ、進路を実現した【言葉のチカラ】について書かせていただきます。
3、ビリからの逆転劇
●転機の『回し蹴り』
私は、中学校に進学し、中学校の軟式野球部に入部しました。本当なら、小学校の時に所属していたソフトボールチームのチームメイトが多く進んだ硬式野球のクラブチームに一緒に入団したかったのですが、『土日に勉強ができなくなるから』という理由で、父親から猛反対を受け、入団することができませんでした。
当時、ザ・昭和ながらの風習が流れていた野球部で、指導者は暴力的、1年生はひたすら声出しと球拾いの日々で、悶々とした日常を過ごしていました。
ある日、クラブチームに入団した友達に誘われて、『高校野球を観に行こう!』と言われ、NHK旗争奪の高校野球大会の決勝戦を観に行きました。私は、高校野球には全く興味が無かったのですが、この試合の選手のパワーとスピードに圧倒され、感動を覚えました。そして、それを育てる、【指導者】の手腕に興味が湧きました。何故なら、当時の鹿児島の高校野球は、鹿実の久保監督・樟南の枦山監督という2人の名将によって長く『2強』時代が続いていました。
『高校生で勝負やプレーに差が出るのは、指導者の差ではないか⁇』と確信しました。
私は、この日を境に、プレーヤーとしてよりも、マネージャー(監督)として甲子園に行きたい、という未来を描くようになりました。
数日後、いつもの様に野球部で声出しの時間がありました。その際、先輩達の技術を盗もうと、数分の間集中してプレーを黙って観察していました。するといきなり、
『ドンッ』
と後ろから何かが強く私のお尻にぶつかりました。後ろを振り返ると、当時の指導者である先生が立っていました。
なんと、私のお尻に本気で回し蹴りをかまして来たのでした。
先生『お前、今何してんだ?』
私『集中して先輩達のプレーを見てました。』
次の瞬間、
『パンッ』
と平手打ちをかまして来ました。
先生『今は声出しの時間だろうが!』
私『はい、すみませんでした。』
当時の部活動なら、当たり前の光景だったのかもしれません。しかし、私はその日から、クラブチームへの想いが再燃してしまいました。こんな恐怖政治のスパルタにも関わらず、成績は残せない野球部。
『指導者で勝負やプレーが変わるのなら、オレはこの人の下で野球はしたくない』
私は、次の日の夜、父に必死に頼み込みました。
『クラブチームで野球がやりたい…このままじゃ、一生後悔する!お願い!』
と伝えると、話しを聞いていた母が、
『勉強と必ず両立する、守れなければ、即、辞めさせるからね。』と言って、了承してくれました。
私は、次の日に退部届を出し、クラブチームに入団する手続きを取りました。
今となっては、人生の転機となったこの回し蹴りにとても感謝しています。笑
●【言葉】は【言霊】
クラブチームに入団すると、平日は練習は無く、土日のみの練習です。土日は思う存分野球に集中できる環境が整っておりました。
平日は練習がない代わりに、監督の家で毎日素振りとティーバッティングを行い、スキルアップに励む。まさしく、野球漬けの毎日を送っていました。ドンドン野球が上手くなっていくのがわかりました。
しかし、ここで、問題が発生します。【勉強】です。野球しかしていなかった私は、宿題はおろか授業中も眠くて集中できない状況が続きました。そして、1年生の学年末テストで、180人中178番の、ほぼビリクラスの成績を叩き出しました。
私は、1年間の全てのテストの成績表を持って帰れませんでした。何故なら、成績が悪いことが両親にバレると、野球を辞めさせられてしまうからです。
私はいつも、『50番ぐらいをキープしてるよ!』と、今考えると隠しようの無い大ウソをつき続けてました。しかし、このままではウソはいつか必ずバレます。
『野球は絶対に辞めたくない…それなら、ウソを本当にするしかない!』と思った私は、ウソをつき続け、勉強をしようと決意しました。
後で聞いた話しですが、成績は全て担任の先生から筒抜けだった様です。笑
同じクラブチームに所属している、同じ中学校の友達4人は、何故か全員、学業も優秀でした。しかも、全員30番以内にいるのです。
『野球をしている時間は同じはずなのに、なんで?』と私は思っていました。野球バカの私は、おそらく、生まれ持った脳みその差なのだろうと思うしかありませんでした。笑
きっと、全員、見てないところで勉強する時間を作っていたのだと思います。
その4人の中でも、特に優秀なTは、野球以外の時間もいつも一緒でした。ゲームもするし、キャッチボールもするし…いつ勉強してるのだろうか…?
ある日、Tが私に言ってきました。
『オレ、塾に行くことにしたから!』
私は、え?と思いました。ただでさえ、学業で天と地ほどの差があるのに、塾に行かれたら絶対に追いつけないじゃん!
私の負けず嫌いに火が灯りました。
『オレも塾に行く!』
勉強の仕方もわからないのに、ウソを現実にしなければならない。その上、友達には差をつけられる。私に残されている道は、この決断しかありませんでした。
この時、この4人に対しても、私の成績は50番ぐらいだと常にウソをつき続け、いつかは追いついてやる…と闘志を燃やしました。こいつらにやれるのに、オレが出来ないわけがない!
すぐ様私は母に、『塾に行かせてください!お願いします!』と土下座しました。
後にも先にも、両親に土下座したのは、人生でこの一回だったと思います。
母は、毎日、お金が無いとボヤいていたにも関わらず、あっさり了承してくれました。
クラブチームは、練習が土日なので、平日は塾に行って勉強ができます。塾が無い平日は野球の練習ができます。
そして、ここから逆転劇が始まります。
中学1年生の3学期から、私はこの4人の友達に野球も勉強も絶対に負けたくない!という想いと、野球が続けられなくなるという危機感から勉強に必死に取り組み、中学2年生の2学期には、宣言通りの50番以内をクリアし、3学期には30番以内で4人と張り合える様になり、中学3年生の最初のテストでなんと学年2番、偏差値は当初の2倍の65の成績を納め、4人の中でトップになり、有言実行を遂げました。
【言葉】は【言霊】。最初は、しょうもない強がりだったかもしれませんが、負けず嫌いの性格と、自分はできると信じ続け言葉に出し続けた結果、ウソを本当にすることができました。
●【言霊】は、目標達成への橋渡しへ
私は、野球でもとにかく4人に負けたくないという想いでコツコツと練習を積み重ね、4番バッターの位置を勝ち取り、守備でも肩の強さを生かしてキャッチャーとして活躍することができました。
中学3年生の時、三者面談の際に先生に聞かれました。
先生『将来の目標とか、なりたい職業はあるの?』
私『僕は、指導者として、甲子園に行きたいんです!』
迷うことはありませんでした。NHK旗の決勝戦を観た時から、私の夢は【甲子園】。
この時も指導者としての甲子園という目標はブレませんでした。先生は、【県立の進学校・C高校】への進学を勧めました。なぜなら、C高校に行けば、教育学部のある大学に進学してから高校の教員になっている実績が多く、高校の教員になれば高校野球の指導者になることができる。当時の私の成績は及第点だったので、目標が明確になりました。
そして、ここでまた大きな転機が訪れます。何と、C高校から、野球推薦で私を入学させたいと、私に直接勧誘があったのです。
三者面談後にあった中学生での最後の大会で、中学生の勧誘が目的で観に来ていたC高校の指導者であるA先生が、たまたま私の肩の強さを見てからすぐに中学校に電話して、私の学業を調査して、勧誘を決めたとのことです。
誰かがC高校に根回しをしたわけでもありません。正真正銘、言霊が偶然の出逢いを呼び込み、私はそのまま推薦入試を受験し、合格して、目標を達成できたのです。
ここで、ここまでのきっかけを整理すると、
高校野球観戦→回し蹴り→ビリ→ウソをつく→チームメイトTと塾に行く→ウソを本当にする→C高校に行く!と決意→A先生との出逢い
【指導者として甲子園に行く】【オレの成績は50番以内だ】【オレはC高校に行く】という言の葉で目標が紡がれ、繋がれ、導かれ、私はひとつの目標を達成出来たのだと確信します。
こうしてみると、私の人生は野球の【出逢い】に救われているなとつぐつぐ感じさせられます。この時からずっと掲げている目標が、今の私のサラリーマン起業家への礎となっており、【サラリーマンから甲子園へ】という、私の『人生のゴール』を作ってくれたと、感謝しております。
今回の記事では、私の人生のゴールを設定した転機を書かせていただきました。
野球をされていた方のキャリア形成や子どもが野球をしているという保護者の方へ、何かしらのメッセージとなり、動機づけとなれればとの想いです。
次回の、【過ちからのドラフト候補】でまた皆さんにお会いできますことを楽しみにしております。
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