新たに単語やフレーズを覚えなくても今の英語力で「話せる英語」がある!頭の中の日本語を”断捨離”すれば自分にも話せる”ミニマム英語”が見つかる ー ITエンジニアのための英語術 パート❸
英会話の”詰みパターン” ⇒ 頭の中の日本語で溺死
「英語がうまく話せない」ケースには2つのパターンがあります。
厄介なのは❷です。「話したいことがあるんだけど英語でどう言ったらよういか分からない…」というのはよく突き当たる問題ですよね。
例えば次のような質問に答えてみてください。
「Visual Studio Codeをどうやってインストールするか説明してください」
例えばこれからプログラミングでコードを書きたいという初心者に説明するようなシチュエーションを考えてください。日本語ならどうやって説明するかはすぐに分かります。例えば、
言いたいことははっきりしているし、インストールの手順もきちんと説明できる。でも英語でとなると、「たいてい」や「結果」、「応じて」など、すぐに英語にできない言葉に阻まれてすぐに口から英語が出てこない。これが「頭の中の日本語に溺れる」状態です。
「日本語に溺れている」状態をもっと具体的に説明します。まずこのYouTubeビデををご覧ください。二人の方が卵かけご飯の新しい作り方とそのおいしさをがんばって英語で説明しています。
この後半で右の方がこう説明しようとしています(注:本人に聞いたわけではないので、あくまで想像ですが)。
It's tamagokake gohan. Egg....same thing, but different taste. Sane thing, but different. A little bit different. Separate, first....shake, next only egg, OK? Soy sauce... different!
時折上を向いて考えながらがんばって英語で表現しようとしているのは素晴らしい!おそらく頭の中で悩んでいたのは「う~ん、日本語で言いたいことははっきりしているんだけど英語でどう言うんだ?」ということだったと思います。”溺れた”状況でも必死に英語を絞り出しているのだけれど、残念ながら肝心のポイントは"same thing but different"ではうまく伝えられていません。
皆さんならここはどう英語で説明しますか?前回説明した「動詞ドリブン」と、今回説明する「ミニマム英語」を実践してやってみてください。解説は本記事最後に紹介します!
溺れそうになったら「ミニマム英語」だけを考えて!
では、Visual Studio Codeのインストール手順を英語で説明するアプローチを詳しく解説します。前回パート❷で解説した「話すことを細切れにイメージする」をまず実践します。頭の中で、説明する”ポイント”をリストアップしていく作業です。
話したいことはこんな感じですよね。
まず最初の3つはそのままでも簡単に英語にできませんか?
そのまま英語にできれば何も問題はありません。問題なのは次です。
日本語に溺れると「”大抵”って英語で何だ?」とか「結果って何だっけ?」など”訳を考えて”詰まってしまいます。そういう時はこう考えてください。
「最低限何を言う必要があるか?」
ここの”ミニマムポイント”は「検索結果にダウンロードページがある」ということです。「検索結果の最初のリンクに行けばよい」とか「結果のトップがどうのこうの」というのは敢えて言う必要はありません。これが「ミニマム英語」の最大のポイントです。伝えるべきことの”コア”だけに絞って英語を考えるとそれが「自分にも話せる英語」になるというわけです。
そしてこれを動詞ドリブンの表現にします。つまり「~がある」ではなく、「あなたが~します」のように主語+動詞の形で言います。どう表現できますか?
つまり、手順をイメージする時にはこのように動詞中心に考えるのがポイントです。
これが動詞ドリブンの考え方で、4つ目にミニマム英語を実践したということです。ポイントは理解できましたか?
続いて「ダウンロードサイトを開く」はYou open the download siteと言えばよいので、これは簡単です。そして次の文が厄介そうです。
「~に応じて」が分からなければそれを使わないミニマム英語を考えてください。
さらに次のような表現でもOKです。
「~に従って」という表現を使わなくても十分に伝わることがわかりますよね。とにかく伝えたいコアのポイント(=ダウンロードボタンをクリックするのだが、使用OSにマッチしたものを選んでほしい)をしっかりと抑えた上で「別な言い方にはどんなものがあるか」を考えてください。
”逃げるは恥だが役に立つ”のがミニマム英語
では最後の文はどうでしょう。
ここも「指示に従う」がパッと出てこない場合はどうしますか? そこで「どう逃げるか」を考えるわけです。
この中に英語で言えるものはありますか?もちろんもっと他にも言い方はたくさんあると思います。
ちなみに私だったら2つめのckucj OK, OK, OK...などよく言います。相当砕けた言い方ですが十分伝わります。大体インストーラーはOKボタンをクリックするだけのケースが多いですよね。
とにかく言えなければ逃げてください。言い方は何通りでもあります。頭に浮かんだ日本語の通りに英語を紡ぎだす必要は一切ないのです。ストレートに英語にしようとしてウーン、ウーンうなっているよりは、”逃げ表現”でさっといったほうがはるかに”役に立ち”ます!
卵かけご飯の彼はどう言えばよかったのか?
では例の卵かけご飯の解説をします。彼が言いたかったのはこれです。
ストレートに言うとすればこんな感じでしょうか。
さて、これをどう断捨離しますか?言いたいポイントは何でしょう?
「混ぜ方が違うだけでこんなにおいしさが違うんです」
ということですよね。どんなミニマム英語が考えられますか?コツの一つは「同じ卵なのに・・・」というところを切り捨てることです。ここにこだわっているとシンプルなミニマム英語が出てこないと思います。「そこばポイントなのでは」と思うかもしれませんが、「やり方を変えるとおいしくなる」という点を伝えれば「同じ卵なのに」というところは十分に伝わるはずです。
あるいはこんな単純な言い方でも伝わります。
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