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『立場をわきまえる』無人販売継続のコツ

無人販売所を始めて半年。思いの外、順調に定着しつつあったのですが前回書いた通り営業出来ない日が多い状況です。せっかく伸びてきた無人販売にストップをかけてまでキャパ越えの配達依頼を受けた理由。

それは『無人販売は商売じゃない』から。

あくまで自分達の捉え方です。配達など他の業務とは根本的に違う物で、お客さんとの繋がりをキープするコミュニティツールみたいな感覚。だから今回休みが多くなる理由もそのまま伝えました。それも含めて『ごはん屋いっぽらしさ』を共有して貰えたら面白い。もちろん、『いい加減な店だ!』と感じる方もいるでしょう。

でも、この『いい加減』が自分達にとってキーワードだったりします。

最近、周りでも新たに無人販売をはじめる店がチラホラあります。テレビでも紹介されたりして全国的にも増えている。

それと同時にネットニュースなどで目につくようになったのが『無人販売所で万引き』『無人販売所の料金箱が盗まれた』という記事。必ず、店主のインタビューが載っていて『許せない』とか『悲しい』とか…。

皆さんはこの手のニュースをどう感じますか?
同じ無人販売をやっている身としての本音を言わせてもらうとすれば、

お願いだから、静かにしてて。

無人販売をやると言った時、周りから言われたのは『商品が盗まれない?』『お金は大丈夫?』当然、人を置かない以上避けられないリスクです。そういう事もあるかも。否、あるだろうが前提です。その上でそれぞれメリットがあると判断してやっている。コメント欄を見ても同情よりは、無人にしてるのが悪い、セキュリティが甘いと厳しい意見。ごもっとも。

そもそも無人販売は数年前まで道端や軒先で農家さんが野菜を並べて貯金箱が置いてあるだけのシンプルな物でした。野菜も趣味で育てたり、出荷出来ないサイズの物だから格安。そのかわり商品はバラバラだし、沢山ある日、全然無い日もある。おそらく『お裾分け』の延長だと思う。売り上げも日に数百円から5000円程度。正直お金はついでに近い。お客さんも近所の人だから財布に無かったから後でって事もある。

つまり、地域の緩い繋がりの上になりたつ『いい加減』さに助けられて出来る風習や文化みたいなものなのだ。

無人販売をはじめるにあたり、夫は法律関係も含めルールを読み漁ったけど無人販売が該当する項目は驚くほど少なくグレーゾーンが広い。

商売として認識されていないのだと思う。売れても小遣い程度の個人間のやりとり。そういう前提のもと『程ほどに』と大目に見て貰えているからやれている形なのだ。

無人販売をやっている又はこれから始める商売人達はその事を自覚しているだろうか?店として本来あるサービスも省いて、その『いい加減』を選んだにも関わらず『お金だけは他の店と一緒!ちゃんとして!』ってどうよ?

正直、うちの販売所でも計算間違い程度の誤差はあります。足りない日もある。逆に袋代に100円入ってる事もある。でも、それで良しとしている。

あくまで、大目に見て貰えているから出来る方法である事を忘れて権利を主張しすぎると細かいルールが義務化されるのが早まる事になる。世間からの目も厳しくなる。

長く続ける為には『商売感』は横に置いて、もっと『大らかにひっそりと』が無人販売の良さではないか?

そんな風にに思うから私達は今回、地域の困っている人達の配達依頼を優先し、これからも長く大目に見て貰える努力をしようと思ったわけです。

※犯罪で有れば警察に届ける事を否定する物ではありません。




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