コムシスHD(1721)

時価総額4257億円、PER14.1倍、PBR1.06倍、利回り3.44%


2025年3月期第一四半期決算(8月8日)

受注高 177,978百万円(前年同期比15.7%増)
売上高 125,108百万円(前年同期比12.9%増)
営業利益 7,101百万円(前年同期比52.7%増)
四半期純利益 4,578百万円(前年同期比41.6%増)

コムシスグループの事業環境

  • 通信インフラ分野では、光回線の新規需要の減少やモバイル通信事業者の投資抑制が続く中で、首都圏ではモバイルトラフィック増加への対応が進行。5Gの普及に伴うインフラ整備(ミリ波・Sub6)や、6GやIOWNの実用化に向けた中期的な投資が期待されている。

  • ITソリューション分野では、行政・教育・医療などでのデータ連携基盤整備が進み、社会課題解決に向けた市場が拡大中。

  • 社会インフラ分野では、データセンター間相互接続の需要拡大や、自然災害対策、国土強靭化が推進されており、インフラの多機能化が求められている。再生可能エネルギー分野への成長投資も見込まれている。

コムシスグループの取り組み

  • 通信キャリア事業においては、モバイル関連工事の減少に対応し、首都圏を中心とした通信品質対応工事や新規顧客獲得に注力。エリアマネジメント強化やインフラシェアリング事業などで基盤を強化。

  • ITソリューション事業では、大型案件獲得に向けた営業力強化やプロジェクトマネジメントを強化。首都圏での一体運営や高レイヤへのリソースシフトにより、新規事業領域の拡大を図っている。

  • 社会システム関連事業では、大型高速道路案件や大規模建物電気案件を受注し、データセンター伝送路工事も進めている。データセンターの需要拡大に対応し、技術者育成や人材リソースの流動にも取り組み。

今後の展望

コムシスグループは、DXを活用した生産性向上、多様な働き方改革の深化を進め、経営基盤の強化を図る。また、温室効果ガス排出削減やSDGsへの貢献を通じて、持続的な成長を目指す。



総括


データセンターの需要取り込みに注力。大型データセンター案件受注。データセンターは社会システム関連事業の電気・通信のサブセグメントに属している。電気・通信における例年の売上高は300億円〜400億円程で総売上高における比率は低い。データセンター建設による需要恩恵は受けても、業績への影響は限定的かもしれない。
 30億円(1.26%)上限とした自己株買いを実施。総還元性向を70%としており、例年自社株買いを行っている。


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