精工技研(6834)
時価総額364億円、PER23.8倍、PBR1.27倍、利回り1.54%
2025年3月期第2四半期決算(11月11日)
経済環境の概況
世界経済
米国: 中央銀行の利上げが一段落し、インフレ緩和が進行。景気は安定的。
欧州: エネルギー価格の安定や雇用改善により景気回復基調が強化。
中国: 投資減少と不動産市場の冷え込みにより成長率が鈍化。内需拡大のため新たな刺激策を導入。
日本: 輸出関連企業の収益回復やインバウンド需要の増加により、製造業・非製造業ともに改善基調。
当社グループの関連市場
情報通信・エレクトロニクス: 生成AI・5Gの普及に伴いデータセンター投資が拡大。
自動車市場: 中国での電気自動車(EV)シフトが加速。一方、日本国内では品質不正問題により信頼低下。
当中間連結会計期間の業績
売上高: 9,062,766千円(前年同期比15.2%増) – 過去最高。
営業利益: 1,030,194千円(前年同期比219.1%増)。
経常利益: 1,046,199千円(前年同期比120.8%増)。
親会社株主に帰属する中間純利益: 772,375千円(前年同期比155.9%増)。
主要施策の取り組み
顧客接点の活性化
展示会やホームページ活用を通じ、新規顧客との商談を増加。新製品・新技術開発の加速
広範な領域で技術力を研鑽し、社会貢献に向けた製品開発を推進。ものづくり力の強化
自動化や仕入先との関係強化により、品質と納期を満たす生産体制を構築。経営基盤の強化
温室効果ガス削減やペーパーレス化、デジタル化を推進。「くるみん認定」を取得。
セグメント別業績
① 精機関連
主な事業: 自動車向け精密成形品、金型、金属部品の提供。
業績概要:
売上高: 4,337,331千円(前年同期比0.8%増)。
営業利益: 189,331千円(前年同期比9.5%減)。
要因: EVインバーター部品が伸長する一方、電子機器用金属プレス成形品が減少。材料価格上昇による原価率悪化が影響。
② 光製品関連
主な事業: 光通信用部品、検査機器、光電界センサー等の提供。
業績概要:
売上高: 4,725,434千円(前年同期比32.7%増) – 過去最高。
営業利益: 840,863千円(前年同期比639.4%増)。
要因: 生成AI・5G普及によるデータセンター需要拡大で、光コネクタ研磨機・検査装置の売上が増加。
総括
中期経営計画「マスタープラン2022」に基づき、顧客基盤拡大、新技術開発、生産効率向上に注力した。その結果、過去最高の売上高を達成するとともに、大幅な営業利益と経常利益の改善を実現した。一方で、一部セグメントでは原価率の悪化や需要低迷といった課題が見られ、引き続きの対応が求められる状況。
メモ
年初来パフォーマンスは179%。データセンタ投資の拡大を受け光製品関連は絶好調。2Qにおける営業利益は前年同期比639.4%。光製品においては主に光コネクタや光コネクタ研磨機などを取り扱う。自動車向けの分野においては中国市場の低迷や認証不正の影響で売上が伸び悩み。さらに金属材料価格の上昇や人件費増により減益。業績予想を上方修正。データセンタ関連需要は下期も継続。
配当性向は30〜40%程度で推移。安定配当を維持。
引用