川崎汽船(9107)
時価総額1兆4314億円、PER6.7倍、PBR0.87倍、利回り4.01%
2025年3月期第1四半期(8月2日)
当第1四半期連結累計期間(2024年4月1日~6月30日)の業績は、以下のような結果となった。
売上高: 2,676億円
営業利益: 307億円
経常利益: 748億円
親会社株主に帰属する四半期純利益: 725億円
特に、持分法適用関連会社であるOCEAN NETWORK EXPRESS PTE. LTD.(ONE社)からの持分法投資利益が378億円となり、全体の利益に大きく寄与した。
セグメント別業績
ドライバルクセグメント:
大型船市況は鉄鉱石やボーキサイト輸送が堅調に推移し、中・小型船も石炭輸送が順調だった。
運航コスト削減と配船効率向上に努め、前年同期比で増収増益。
エネルギー資源セグメント:
LNG船や電力炭船、油槽船、FPSOが安定稼働し、収益に貢献。
一過性要因により、増収も減益。
製品物流セグメント:
自動車船事業: 半導体や部品供給不足が解消され、自動車市場が回復基調にあり、運賃修復と効率改善も進行。
物流事業: 国内外の輸送量が増加し、特に国際物流や倉庫事業が好調。
コンテナ船事業: 北米や欧州の消費回復により荷動きが復調し、船腹需給のタイト化もあって短期運賃が上昇。前年同期比で増収増益。
その他事業:
船舶管理業や旅行代理店業、不動産業は前年同期比で減収減益となった。
全体として、輸送需要の堅調な推移と効率化への取り組みにより、業績は前年同期に比べ好調だったが、一部セグメントでは一過性要因やコスト変動の影響も見られた。
総括
地政学的リスクや中国経済などの世界経済のリスクはあるものの、ドバイバルク、エネルギー資源、製品物流などの各セグメントで堅調に推移。中東情勢の影響によりスエズ運河を避け喜望峰を経由し迂回。これにより航海日数が増え需給がタイト化。ドバイバルク事業においては元々スエズ運河を通航していなかったため直接的な影響はない。エネルギー資源セグメントによる減益要因は本船入れ替えによるもの。
株主還元に注力。909億円の自己株取得。ROE10%以上目指しPER・PBRを高めていく。配当性向は50%ほど。
引用