古野電気(6814)
時価総額682億円、PER9.0倍、PBR0.99倍、利回り3.51%
2025年2月期第2四半期決算(10月15日)
2030年までに目指す「FURUNO GLOBAL VISION“NAVI NEXT 2030”」に基づき、持続可能で成長性のある事業展開を目指している。2024年2月期から開始した中期経営計画フェーズ2の2年目に当たる当中間連結会計期間において、グローバルな経済の不透明さが続く中、売上高や利益は全体的に堅調に推移した。
経済環境
世界経済はウクライナ紛争や地政学的リスクなどによる影響が続いたが、全体としては緩やかな回復を示した。特に、米国の個人消費と設備投資が好調に推移し、欧州でもインフレ圧力の緩和が見られた。一方、中国では不動産投資や個人消費が低迷しており、日本国内では個人消費が改善した。
当社グループの業績概要
売上高: 628億1百万円(前年同期比18.4%増)
売上総利益: 264億3千3百万円(前年同期比27.2%増)
営業利益: 72億9千9百万円(前年同期比95.7%増)
経常利益: 75億1千4百万円(前年同期比66.0%増)
親会社株主に帰属する中間純利益: 50億6千7百万円(前年同期比54.5%増)
これらの業績は、全ての報告セグメントにおいて増収増益を実現した結果です。特に、為替の影響により米ドルとユーロの円安が業績に寄与した。
セグメント別業績
1. 舶用事業
売上高: 538億2千7百万円(前年同期比19.2%増)
セグメント利益: 69億2千4百万円(前年同期比65.9%増) GHG排出量削減を目指した新造船需要が高まり、商船向け市場での販売が大幅に増加した。欧州やアジア、日本で商船や漁業向けの販売が堅調に推移した。
2. 産業用事業
売上高: 69億5千万円(前年同期比15.3%増)
セグメント利益: 2億9千9百万円(前年同期比587.9%増) 携帯電話基地局向けの時刻同期製品や防衛装備品事業が伸び、堅調に推移した。
3. 無線LAN・ハンディターミナル事業
売上高: 18億6千万円(前年同期比11.5%増)
セグメント利益: 1億2千7百万円(前年同期は1百万円の損失) 無線LANアクセスポイントの販売が増加し、業績が改善した。
4. その他
売上高: 1億6千3百万円(前年同期比7.5%増)
セグメント損失: 9千6百万円(前年同期は5千6百万円の損失)
当社は2030年ビジョンに向けて、利益水準の向上とサステナブル経営を推進し、各事業セグメントで成長。
総括
魚群探知機などの舶用電子機器総合メーカー。舶用事業が造船需要を受け、売上高+19.2%、セグメント利益+65.9%と好調に推移。産業用事業においても防衛予算増加による恩恵を受け防衛装備品が大きく伸びた。
業績予想を売上高、営業利益ともに上方修正。想定為替レートも153円から149円とした。配当性向30%目標。円高傾向にあるものの造船需要の動向には今後も注目して行きたい。
引用