当てはめるだけですぐお題が作れる12の大喜利パターン
お題作りにはパターンが最強の道具なんです。
大喜利はお題が面白くなければ回答だって面白くなりようがありません。
さらに気を抜くと、回答したくならないお題さえこの世に生まれてきます。
お題は質問です。お題は指示です。
質問や指示も大喜利のお題と同じく、手を抜けば時に相手を困らせてしまいます。「好きな食べ物は?」と聞かれたり「面白いことをして」と言われたりすると、お笑い芸人でも面白い回答を返すのは難しいです。お笑い芸人さえ怯える質問、指示、お題を出したって、回答が集まるわけがありません。
そんな時に助けてくれるのがパターンなんです。これに当てはめれば誰でも面白いお題を作れるようになります。
しかも、作れば作るほど使い方が身に染みてきて、このパターンにはこの言葉が合うな、と勘が働くようになり、日常から言葉を拾いながらオリジナルなお題をガンガン生み出せるようになります。
また、パターンは、お題作りのめんど臭さも忘れさせてくれます。あのモチベーションの敵、めんど臭さ。この最強の道具があれば、それすら簡単に忘れさせてくれます。
こんな悩みを持っているなら、今すぐこの最強の道具を手にして、持ってるネタで最高のお題作りを始めましょう。お笑い芸人を怯えさせるお題を誰でも面白くしてしまうお題に変える手助けになることを保証します。
この記事では12のパターンと、そのパターンのTwitterでの回答数を元にしたおすすめ度合いを評価しています。
それでは良いお題を量産していきましょう。
1.何の数値問題〈おすすめ度★〉
ものごとの〈数値〉や〈ランキング順位〉を問うパターン。
このパターンは、例のように微妙な数字を提示することが多いです。
回答は自由度が高く難しいパターンです。IPPONグランプリでもよく見るパターンだけどIPPON獲得率は低いです。連想元が少なく、答えづらい、、
作りやすいけど作らないパターンランキング1位。
2.ネガポ問題〈おすすめ度★★〉
〈矛盾する言葉〉や〈相反する言葉〉を組み合わせるパターン。
このパターンで大切なのは、【ポジティブな対象のネガティブ面】ではなく【ネガティブな対象のポジティブ面】を問うこと。
ヤンキーが猫をあやしてたら微笑ましく見えますが、いつも優しい人が猫を蹴っ飛ばしてたら笑えない、、(..)
別名、良いとこ探しお題です。
3.ギリギリ問題〈おすすめ度★★〉
ルールや限界のギリギリのところ、曖昧なところを具体的にするパターン。
良い回答をするには、ラインをギリギリ超えない、ギリギリ超える微妙なところを探し当てるため、共感力と創造力が必要になります。
作るのも難しく、作成例の【オカリナでギリギリできることを教えてください】は1日で20回答(内自分2回答)しかなかったです、、
ただお題のタネによって回答数も変わり、【ネコがギリギリ言えそうな人間の言葉を教えて下さい】のようなおもしろいお題なら回答は集まるはず。20を超えて行ってください、、
4.プラスワン・オプション問題〈おすすめ度★★〉
既存のものごとに新たな要素をプラスするパターン。
このパターンは大きく2つに分類でき、【単純プラス問題】と【プラスで何起こる問題】の構成があります。
・単純プラス問題
【じゃんけんに新しい出し方が、なに?】のような「新しい要素」そのものを回答する問題。
・プラスで何起こる問題
【信号機の色がひとつ増えて赤、黄、青、ピンクにピンクでは何をする?】のような「新しい要素」を足したことで、「何が起こるか」を回答する問題。
【プラスで何起こる問題】は回答が難しいです、、
というのも、【ランキング問題】ほどではありませんが、連想元が少なくなりがちです。
ですので、作りやすさも回答のしやすさも【単純プラス】に軍配が上がります。
シンプルに「新しい要素はなに?」をお題に。
5.極端化問題〈おすすめ度★★〉
時間や回数、金額などを極端に誇張するパターン。
このパターンは、目につきやすく、比較的作りやすいお題になることが多いですが、なんせ答えるのが難しい、、
難しい理由は、答えるのに時事問題や流行をある程度知っている必要がある問題であるから。そのため回答の自由度が低く、お題になっている物事について理解がないと答えるのが難しい、、
このパターンからお題を作るなら、【カラオケ】や【ガチャガチャ】【流行語】など、メジャーどころの答えやすそうなところをお題にするのが吉です。もしくは、【ひとくせ問題】や【ハプニング問題】と混ぜて使います。
単体では後回しでもいいパターン。
6.物語クリエイト問題〈おすすめ度★★★〉
広く知れ渡っているアニメや童話、映画、ノンフィクションなどのストーリーを元に、ストーリーの前後の描写や細かな心情、情景を膨らませたり、パラレルストーリーを設定するパターン。
このパターンは回答が得られやすいです。回答する側は意外と制限が少なく答えやすく、また広く知れ渡っているようなキャラだとお題がキャッチーになります。
ただ、キャラやストーリーに合った膨らませ方がこのパターンの絶対条件。
【フック船長が金髪に、なぜ?】ではなく
【フック船長が「このフック飽きたな〜」何に変えた?】のように!
髪型や服装を変えたなど対象にあまり関係ないようなストーリーを作ると、微妙なお題になりやすく注意しています。
なので、キャラやストーリーに合った、もしくは【トトロが全身金髪全身ピアスに、なぜ?】くらい極端化することが鉄則。
7.不必要・副作用問題〈おすすめ度★★★〉
使う人が「いらないだろ」と思うような機能を提案してもらうパターン。
このパターンは【プラスワン問題】と少し似てますが、「嫌問題の要素」がついているのが少し違うところ。
「嫌なもの」「こんな〜は嫌だ」系の【嫌問題】は反応をいただきやすいので、このパターンも回答も多くの回答が集まりました。
8.ひとくせ・擬人化問題〈おすすめ度★★★★〉
〈人ではないもの〉や〈ひとくせ持った人〉を対象に普通の質問を投げかけるパターン。
このパターンは問いの構成が決まっていないので、パターンとは呼べないかもしれないませんが、組み合わせだけで作れるので紹介します。
作り方は〈ひとくせある人やキャラ、グループ、擬人化したもの、芸能人〉と〈普通の質問〉を組み合わすだけ。
連想の広がるストックさえ作っていれば考えることなく組み合わせたらお題が完成します。(そのストックがめんどくさいですが、、)「ひとくせ人物」ができたら他のパターンと組み合わせるのも良いです!
9.ハプニング問題〈おすすめ度★★★★〉
現実では「なかなかしないこと」や「できないこと」をすることで何が起きるかを問うパターン。
タネになるようなもののバリエーションは多くはないですが、作るのも楽しく、回答者としても自由度も程よく答えやすいため、量産するのにおすすめのパターン。
ただ、あまりにニッチなところをタネにしてしまうと反応がもらえなくなってしまうので、誰もが目にしたことあるような物事をお題にするべきだと心に刻んでいます
タネ探しは難しいけど積極的に作りたいパターン。
10.『的な』問題〈おすすめ度★★★★〉
ことわざやCM、本のタイトルなどの言い回しなどを取り上げて、その例のようなことを問うパターン。
このパターンは、タネ探しもしやすく、回答者も『例え』や『もじり』などの思いつきで答えやすいお題になることが多いです。
注意することは、広く知れ渡っているようなものや文章から簡単に内容が読み取れるものである必要があるということ。
【「からしは意地悪に練らせろ」的なことを言ってください】なんて言われてもポカン、、
これさえ抑えれば本当にいいパターン。
11.TPO違い問題〈おすすめ度★★★★★〉
「今それする!?」「そこでそれする!?」「その状況でそれする!?」と言わせるパターン。
いわゆる空気読めない発言や行動をもとにしたパターン。
芸人のボケ・ツッコミでもよくあるパターンでもあり、自由度も高いためお題の回答も多いような。
回答の考え方は、常識→非常識の発想だけでもなんとかなり、【坂】とか【多目的トイレ】とかワードが薄くても回答者の方が何とかしてくれる、ほんとにステキなパターン。
普段から「ここでこれしたらあかん」「なんでここやねん」みたいなことをストックしてたら、もう漫才も作れちゃいます。(それは嘘)
12.気づき問題〈おすすめ度★★★★★〉
何かに気づいた理由を求めるシンプルなパターン。
IPPONグランプリでは、第11回から取り入れられながらも、その後の大会で例のように多く選出されたパターン。
回答の考え方は、【あれ、今日の機長 チンパンジーかも?なぜそう思った?】であれば、気づき前の「機長」と気づき後の「チンパンジー」の特徴を上手く掛け合わせることが必須になります。
どのパターンでも言えることですが、特にこのパターンはタネがどれだけ掛け合わせやすいものであるかが重要です。
言い換えると、気づき前と気づき後、それぞれの連想が多ければ多いほど良いお題になります。
少し答え方に外れましたが、間違えても【あれ、俺のいとこタニシかもなぜそう思った?】なんて作ったら初期の僕みたいに死にます。
最強のパターン
させて問題
「○○させてください」と頼みこむパターン。
これはもうシンプルに最強のパターン。IPPONオリジナル(2022/9.29現在)の回答数top2はどちらもこのパターンで作られたお題。
構成は、「○○させてください」のような“頼み”に制限をかけることが多いです。例えば、制限には『っぽく』、○文字で、三三七拍子で、五七五でなどがあります。
これらを駆使してお題を作ると、ほんとに多くの回答をいただけます。中でも、制限の緩い○文字は最強の中の最強。
ただ、「○○させて」の○○は答えやすく。私も無難に「不安にさせて」「『こいつモテなそうだな』と思わせて」「怖がらせて」を使っています。良いものがあったら教えてください、、
パターン一覧とその例のまとめ
お題作りのおともに各パターンの例をまとめます。ご活用ください。
【何の数値問題】
・「○○の秋」1位は食欲、2位は芸術、87位は?
・「1m2cm」これ何の長さ?
【ネガポ問題】
・メルヘンチックな強盗。どんなの?
・かっこいい寝言を言ってください
【ギリギリ問題】
・放送コードギリギリokの芸名を教えてください
・ネコがギリギリ言えそうな人間の言葉を教えて下さい
【気づき問題】
・このゾンビ、育ちは良さそうだな。なぜそう思った?
・あれ?俺の先祖、魚だな なんで気づいた?
【プラスワン・オプション問題】
・引っ越し料金に「20円」プラスするとやってくれるサービスとは?
・新たなルールが加わりあっち向いてホイ界に革命が!なに?
【極端化問題】
・3013年の流行語大賞を教えて下さい
・ここまでやる!?テレビ局の“経費削減”。どんなの?
【物語クリエイト問題】
・フック船長が「このフック飽きたな〜」何に変えた?
・13日の金曜日に暴れ回るジェイソン。14日の土曜日には何をしてる?
【不必要・副作用問題】
・銀行のATMこれいるか何のボタン?
・せっかく完成した透明人間になる飲み薬 あまり使いたくない副作用とは?
【ひとくせ・擬人化問題】
・ナルシスト漁師の特徴を教えてください
・ゴジラが街を壊す時に心がけている事とは?
【ハプニング問題】
・バスの降車ボタン、7回連打すると何が起きる?
・オネェタレントを四畳半に3日閉じ込めるとどうなる?
【TPO違い問題】
・母からの手紙「P.S」で書く事か?何が書かれてた?
・坂の途中でする事ではないな、なに?
【『的な』問題】
・「牛乳は噛んで飲むといい」みたいな事を教えてください
・「黒猫が横切ると不吉」的なことを教えてください
【嫌問題】
・こんなウーバーは嫌だ、どんな?
【ですが問題】
・おいしいものを食べるとほっぺたが落ちますがパリピな音楽を聴くとどこがどうなる?
・魔法のランプはこすると願い事を叶えてくれるが、人肌で温めるとどうなる?
【対処法問題】
・口の中をさっぱりさせる意外な方法を教えてください
【3つの〜問題】基本/ルール/秘訣/特徴
・料理で気をつけるのは、包丁/火/あとひとつは?
【させて問題】
・「でしょーね!!!」と言わせて下さい
・5文字で不安にさせてください
【比較問題】
・山内さんと山ノ内さんの決定的な違いを教えて下さい
・トムクルーズとマギー審司の共通点を教えてください
どのパターンでも気をつけるべきこと3つ
パターンでお題が出来たけどなんだか不安、あんまり回答が来ないという時は、下の3つの要素が不足しているかもしれません。自分自身にチェックリストとしてもここに気をつけるべきことをまとめます。
・連想が広がりやすい言葉を使う
「コンビニ」や「居酒屋」などの情報量の多いものを使うこと、「いとこの家」じゃ広がらない。
・回答の自由度を高くすること
質問では「なに?」「どんなの?」「なぜ?」と広く聞く。「その名前は?」や「その方法とは?」にしてしまうと答えの幅がグッと狭まる。
・フックを多くつける
フック(連想元となる単語)をお題に複数入れる。例えば、【「オカン、マジシャンと不倫してるな」なぜ気づいた?】だと、「オカン」「マジシャン」「不倫」の3つの連想元があり、幅が広まる。
当てはめるものに迷ったときは、【大喜利のタネ】シリーズをぜひ活用してください!
こちらは無料公開です!
以上です。こうしてみるとたかが大喜利されど大喜利と言わんばかりか、膨大なパターンがあります。
今回、不十分ながらも2次的にパターンを分析してみると、IPPONグランプリの問いの制作がこんなにも凝っているものなのかと気づきました。
僕が気づいてないパターンもまだまだありそうです。こんなのもあるよ!と気づいたら、教えてください!