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サンキューサンキューシェイシェイ

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僕が高校生の頃
学校行事の目玉の一つである修学旅行
毎年、
学年によって違う場所に行っていた。

僕の1個上の学年はモンゴルなど
班に分かれて色々な場所

僕の1個下の学年はフィンランド

そして僕たちの学年は
シンガポールに行った。

シンガポールは
国土のほとんどが都会で
旅行として楽しめる観光地や
遊べる場所がたくさんある。

3泊4日ほどの修学旅行の中で
僕は仲の良い友達と2人部屋だった。

修学旅行は
本当に楽しい出来事の連続だった。

しかし、
1日だけおかしなことが
頻発する日があった。


今日は修学旅行について書いていく。

初日

日本から飛行機に乗り、
その後もバスでの長時間移動などを経て
少し疲れていた僕たちは
ホテルの部屋に着くと風呂に入り
しばらくゆっくりしていた。

そんな時、僕はふと思ってしまった。

喉が渇いた。

僕は1日に飲むドリンクの量がエゲツない。


旅行中、自由に水分を確保できないことは
致命的である。

でも日本とは違うこんな場所で
廊下に自動販売機などあるだろうか。

日本のようにホテルで
ラインナップにお酒が多すぎる自販機や
カップラーメンの自販機は
完備されているのだろうか。

あるはずがない。

どうしよう。

思ったが
どうしようもない。

バスの景色から見た限り
コンビニなど近くになかった。

どうしたらいいのか。

悩んでいる途中で僕は
ふと地下に行ってみよう
と同部屋の友達に言ってみた。

友達は少し不思議そうな顔をしたが
まあ今の時間暇やしええか
といったような感じで承諾した。

僕たちが泊まっているホテルは
地下が駐車場になっており、
壁はコンクリートで
殺風景な空間だった。

自分で決めたことだが
なぜ来たのかよくわからなかった。

しばらく歩く

するとどうだろう

衝撃的な光景が
僕らの目の前に現れた。

駐車場の端っこ

その小さいスペースに
なんと
セブンイレブンがあるではないか

日本にある店舗とは違い
そこは屋台のような大きさで
最低限の必要なものだけを揃えている
キヨスクのようなコンビニだった。

オアシスだ。

ここはまちがいなくオアシスだ。

僕は思った。

水や飲み物を沢山買い
部屋に戻る。

これでしばらくは
飲み物に困ることはないだろう。

僕たちは歓喜し
この事実を誰にも教えることなく
僕たちだけの秘密にしようと誓った。

移動が多く疲れたが
この日は本当に楽しい出来事が多かった。

問題は2日目だ。



2日目

その日はグループでの活動だった。

同部屋の友達も一緒に
様々な場所を回る。

その日は6人ほどで
シンガポールにある市場街を周っていた。

密集してさまざまな店が立ち並んでいる。

途中で歩道橋に差し掛かった。

その歩道橋は少し特殊で
日本にあるような剥き出しの物ではなく

壁に囲まれ
雨風から守ってくれるタイプの
歩道橋だった。

階段を上がってすぐのところに
重厚な扉があり
上部分の温度調整の役割を担っている。

それを登る。

するとなぜかはわからないが
扉の開け閉めをしてくれる
エレベーターガールのような女性がいた。

僕たち6人に声をかける

僕はその時
グループの最後尾にいた。

「サンキュー」

先頭の友だちが
女性に言われた。

「サンキュー」

2番目の友達が言われた。

その後
「サンキュー」
「サンキュー」
「サンキュー」

と順番に友だちが言われ

僕が通る瞬間

「シェイシェイ」


なんでー?
おかしいやんそんなん

なんで俺だけ中国人やと思ってん!

日本人5人
中国人1人のグループあんまおらんやろ!

なぜかは全くわからないが勘違いされた。


少し不満だったが
怒ってもしょうがないので
一旦それをスルーし
僕たちは買い物を楽しんだ。


しばらくして
次の予定のため
一旦集合がかかった。

その日は
夕方から
マレーシアに行き
一般の家庭に
普通に家族の一員として入って
飯を食うという
謎の行事が組み込まれていた。

まずマレーシアに入国するため、
バスに乗り込み
税関のような場所に行く。

この税関は日本とは違い
すごくいい加減な場所だった。

パスポートのハンコが
その日の日付ではなく
違う日になっているという
トラブルが頻発し
僕たちはそれの修正のため
パスでしばらく待機することになった。

ふつう日付間違う?

絶対あかんやろ

ハンコ押す前に
今日が何日か確認せんと

やっと作業が終わり
入国する。

しばらくバスで移動する。

外から見える景色は
シンガポールとうってかわって
かなりの田舎だった。

砂漠とまではいかないが

何もない土地が目立ち、

ところどころ民家が建っている。

班ごとに色々な場所におろされる。

僕たちは
幼い男の子が1人いる家庭におろされた。



部屋の中に入る。

灼熱だった

クーラーなどがなく
暑さがどうしようもなく襲ってくる

それに輪をかけて
出されたのが熱いお茶だった。

シンガポールでは
季節に関わらず飲食店などでは
温かいお茶が出される。

信じられない思いでそれを口にし
汗をダラダラ流した。

なぜ僕はこんなに熱い思いを
しないといけないのか。

一息ついていると
料理が出てきた。

お餅になる直前の米のような
中途半端に潰れたごはん
へんな色の漬け物みたいなやつ
ジャガイモはわかるけど他の具材まったくわからん炒め物みたいなやつ

色々なメニューが出てきたが
美味しさがまったくわからなかった。

耐えられずトイレに行く。

トイレ内はより灼熱で
サッと用を足して
サッと出ようと僕は思ったが

ブツの流し方がイマイチわからない。

壁にはホースのようなものが置かれていた。

もしかしてこれで流すのか?

近くの蛇口をひねり
水を出して全てを流した。

トイレ内には
トイレットペーパーすらなかった。


不便だ。

しかし先生たちは
この状況を学ばせるために
僕たちをここに連れてきたのだろう

妙に納得した気分で部屋に戻ると
友達はみなその家の息子と
ゲームをしていた。

それは日本にはない
オセロのような
将棋のような
戦略的なボードゲームだった。

英語で息子からルールを説明されるが
正直全くわからなかった。

見よう見まねでやってみる。

息子の反応的に
どうやら僕たちが思っているより
しっかりそのゲームをできているようだ。

よかった。

外国の小さい子供が喜んでいる姿は
やはり可愛い。

友達の1人が
えらいえらいと
子供の頭を撫でた。

子供が喜んでいる。

えー
それ俺もやりたい!

そう思ったが急にすると
驚かれるかもしれない。

僕は少し時間をあけて
ふとした瞬間に頭を撫でてみた。

するとどうだろう

息子は
マジでやめろ!
という感じで僕の手を振り払ってきた。


なんで?

なんで俺が撫でたら嫌がるの?

そのあとまた友達が撫でる

喜んでいる。

僕が撫でる

嫌がる

という流れが繰り返された。

全く納得がいかなかった。


後日
この事実について
あらためて調べてみた。

すぐになぜかがわかった。

この辺りの国では
右手は何かを食べる時などに使う
神聖なもの

それに対して
左手は
トイレの後などに
汚れた部分を拭いたり
穢れを取り除くためのものだと
いうことを知った。

僕は
完全に左手で子供の頭を撫でていた

やってしまった

親が見ていたらどう思っただろうか。

皆さんも海外に行く際は
お気をつけください。

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